演劇知

劇的考察譚

lab~再開発~作品を振り返って2

2010-07-12 11:09:11 | Weblog


打ち上げ。楽日終了後そのまま実施。ある意味このためにlabはやってる…のかな。

各作品を振り返ります。

○男-如 郵便局と同音異語の話
最初インディアンポーカーをやろうかと思っていたが、動きの規制や小道具の関係もあり、あれよあれよと「言葉を引く」という形式に。

猫実のキャラを「郵便局員」へと決定付けた作品。他の候補は「ピザ配達員」「新聞配達員」。とにかく配る系だった。

石井の対キャラとして中川の「係長」を導入。このコンビ大学時代から見ているわたしにとっては是非お客様に提供したいコンビ。結果非常に良い味を出してくれた。「ルパンと銭形」的な関係。

郵便局員間の演技の出力に最も目が光り、結果厳しい指導が待ち受けていた。その甲斐あって、15本中最も笑いを取っていた作品。

○男-刃 介護施設と殺人の話
田舎へ取材に行った際に母方のお婆様と話していた時に思いついた作品。とにかくうちのお婆様が喋る喋る。流石、わたしの血の源。「お婆ちゃんもやります」が裏テーマ。わたし得意のブラック作品で、壮大な「オチ」から作品を創っていった。ある意味で前回の「無差別連鎖殺人」を引き受ける作品。年配層のお客様の顔がだんだんとニヤニヤしていったのが印象的。

お婆ちゃんの役者を考えた時、「お婆ちゃんっぽい役者」と「あえてのお婆ちゃんっぽくない役者」をあててみた。

笑顔最高の波君に悪役を…と高洲を配置。

全公演の2話目には、外の世界を暫く体験した、発展途上な役者を各配置。

○男-救 橋と痴漢の話
新浦安へ取材に行って橋を通る。「スーパー防犯灯」という凄いものがある一方その直後に「痴漢多発注意」という矛盾する環境を見て創造。「この橋を通る人間がことごとく痴漢だったらやだな。」と思い、話を創造。

多少婦人の怪優、酒井雅史に基本的には委託。稽古中から女子の顔がゆがんだ作品。

わたしの作品のテーマでもある「恐怖」をよくよく表現した作品。ラストの「ワッショイ」は分かる人には分かる、分からない人には「祭り」に見える二重構造。

ラストのサックスと、人の集まり具合がベストマッチ。

○女-徐 道と氷鬼の話
下敷きには多少婦人で公演した「トケナイ」。氷鬼と人間関係の冷たさをテーマにした物語で、今回もその根底を導入。新浦安→広い道路→鬼ごっこ→氷鬼→あれ、「トケナイ」使えるじゃん→で執筆。

ある意味一番役者に任せた作品。公演の直前まで動きを練る役者たち、頑張った。

主人公が生まれ変わる→思考チェンジのシーンが壮絶。石井の「最後の子!」は多分伝わっていない。

○女-爬 教会と結婚の話
間に素晴らしく気を使った作品。男女の関係は「間」を見れば一目瞭然。

夏目漱石「三四郎」が下敷き。いつの時代も女性が振り回し、男性が振り回され、しかしその関係の方が幸せ…という考えから設定。「ストレイシープ」の対として「シープドック」を創り、犬っぽい男性役者、西澤を配置。

稽古段階で菊地が西澤をフォローし、「会話」の稽古をしているのをみて、わたしは密かに微笑んでいました。

○女-糾 マラソンと復讐の話
まず四角シャボンのライブで「river」を聴いて、感動。歌詞の「走らせろ」から、走る→川→流れ→人の流れ→マラソン→鴨長明「ゆく川の水は~」で話が自然と生まれる。わたし、なんやかんやで鴨長明が好きなんだな。

バンドを使った作品としてお客様の評価が高い作品。

一同のフロアムーブに大苦戦した、ある意味今回を象徴する作品。

主人公が涙するのが心地良い。あれはこの年代の役者しか出来ないだろうなーと密かに思う。

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