弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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問題社員FAQ

2023-10-06 | 日記

問題社員対応の話に入る前に会社経営者が考えなければならないこと

 会社経営者の皆様、こんにちは。弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、問題社員の対応等の労働問題を中心業務としている弁護士で、毎日のように、会社経営者の皆様から、問題社員対応の相談を受けています。
 問題社員対応の具体的な話に入る前に、会社経営者の皆様に考えていただきたいことがあります。
 どうして、問題社員に対処しなければならないのでしょうか?
 「問題社員に対処しなければならない状況だから相談しているのに、この弁護士は何を言ってるんだ?」
そう思うのが普通ですよね。
 しかし、弁護士のところに相談に来る会社経営者の悩みは、問題社員にどう対処したらいいか分からない、といった方法論的なものばかりではありません。問題社員とはいえ、自社の社員であることに変わりはない、本来であれば温かく成長を見守ってあげたい、それなのに厳しく注意指導したり、懲戒処分を行ったりしていいものだろうか、それでやる気をなくしてしまったらどうしよう、そんなことをしたくて会社を作ったのではない、それでもやはり自分が対処しなければならないのだろうか。そういった悩みを抱えている会社経営者は数多く存在します。こういった心理的抵抗を乗り越えないことには、問題社員の対処法をいくら学んでも、実際の行動に移すことはできません。
 会社経営者の多くは、「良い経営者」でありたいと考えています。それ自体は、とても大事なことです。しかし、「良い経営者」であろうとしたことが、問題社員対応を躊躇することにつながってしまうことは、珍しくありません。その結果、会社のために一生懸命誠実に働いてくれている大事な社員が大きな被害を被ってしまうことがあるのです。会社経営者は、自分の判断が本当に社員たちのためになっているのか、大事な社員たちを見殺しにする結果となっていないか、自己満足に終わっていないかなどについて、絶えず考え続けなければならないのだと思います。
 どうして、問題社員に対処しなければならないのでしょうか?
 その答えは、会社経営者一人一人が、違っていることと思います。
 弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎の答えは、次のものです。
 「会社のために一生懸命誠実に働いてくれている大事な社員たちを守るためにも、問題社員に対処しなければならない」
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎は、このような考えに基づいて、問題社員対応を行っています。

問題社員対応の具体的進め方

 では具体的に、問題社員に対しどのように対処すればいいのでしょうか?
 問題社員FAQには、問題社員の解雇、退職勧奨、残業代、労働審判、団体交渉等の対応に関する会社経営者の労働相談においてよくある質問に対する一般的な回答を掲載してあります。2023年10月6日時点の問題社員FAQは、内容が古くなっていて改訂が必要なものもありますが、2023年10月から改訂作業を進め、2024年前半には改訂作業を終える予定ですので、ぜひ本ページをブックマークしていただき、ご利用いただければと思います。また、2023-24年の改訂作業と並行して、YouTube「会社経営者のための労働問題対策講座」でも各FAQについて動画解説していく予定ですので、そちらもご利用ください。
 もっとも、問題社員の中には、本当に手強い者も存在します。問題社員はどの勤務先でもトラブルを起こすことが多いせいか、仕事を覚えること以上に会社との戦い方の勉強に熱心な者が多く、会社経営者よりも労働問題に関する知識が豊富なことは珍しくありません。弁護士や合同労組に依頼して転職前の会社と戦ったことがあるなど、経験が豊富な者もいます。悪質な問題社員になると、会話を無断録音しながら会社経営者を挑発して解雇させ、労働審判や団体交渉等で不当解雇であるなどと主張して、金銭を取得しようとする者も存在します。もしかしたら、会社経営者が問題社員FAQを読んで実践的知識を学んだだけでは、対処しきれないかもしれません。
 また、どれだけ優秀な会社経営者であっても、労働問題のストレスがかかると頭が正常に働かず判断を誤りやすくなります。問題社員対応には、専門的知識や細やかな配慮が要求されるものが多いこともあり、会社経営者が、本来の能力を発揮しにくい状況の中で、自力で手強い問題社員に対処することはお勧めできません。
 弁護士法人四谷麹町法律事務所は、会社経営者側専門の法律事務所として、日常的に問題社員の対応に当たっています。代表弁護士藤田進太郎が実際に取り扱っている業務のほとんどは労働問題(会社経営者側)ですが、労働問題の中でも、問題社員対応のコンサルティングが最も高い割合を占めており、しかも、問題社員対応のコンサルティングが業務に占める割合は上昇傾向にあります。会社経営者を悩ます問題社員の対応は、弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士藤田進太郎にご相談下さい。顧問先企業以外についても、会社経営者のための経営労働相談を実施しています。
 なお、弁護士法人四谷麴町法律事務所は、Zoomなどのオンライン相談にも対応していますので、弁護士藤田進太郎に相談するために東京千代田区麹町のオフィスに出向く必要はありません。顧問先企業の会社経営者との間では、Zoom、Teamsなどを用いたオンライン打合せをすることで、東京近辺に限らず、日本全国各地の問題社員対応に当たっています。Zoomの利用に抵抗感がない会社経営者の皆様には、Zoom経営相談の利用をお勧めします。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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医療法人社団新拓会事件,一般社団法人あんしん財団事件

2023-06-27 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が年間重要判例検討会で検討した裁判例「医療法人社団新拓会事件」,「一般社団法人あんしん財団事件」が「経営法曹」第216号に掲載されました。(経営法曹会議)

 

 

 

・医療法人社団新拓会事件(東京地裁令和3年12月21日判決)
 シフト制勤務医との間で固定した勤務日数及び勤務時間を合意したかどうかなどが争われた事案です。近時,シフト制に関する合意内容や従来よりも勤務時間が減った場合の賃金請求の可否などが争われることが増えているため,シフト制を適切に運用するための留意点やシフト制に関する紛争の訴訟対応を検討しました。

 

・一般社団法人あんしん財団事件(東京高裁令和4年11月29日判決)
 地裁判決が業務災害支給処分の取消訴訟における特定事業主の原告適格を否定したのに対し,控訴審判決が特定事業主の原告適格を肯定した例です。特定事業主の不服の取扱いについては,令和4年12月13日に厚生労働省が検討会報告書を公表するなど,近時議論の対象となることが増えているため,本事件を取り上げました。裁判例登載時期との関係で,当初は地裁判決を検討する予定でしたが,控訴審判決の存在が判明したため,最新情報を提供する趣旨で,控訴審判決を中心に検討しました。

 

 

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講演 「ジョブ型雇用」の歴史・導入事例

2023-03-30 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が、第一東京弁護士会100周年記念シンポジウムにおいて「『ジョブ型雇用』の歴史・導入事例」を解説しました。

第一東京弁護士会 100周年記念シンポジウム
「労働条件の変更法理の全体的考察」

主催:労働法制委員会
日時:2023年3月24日(金)10:00~16:00
対象:第一東京弁護士会会員
内容(藤田担当部分)
1 「ジョブ型雇用」とは
2 「ジョブ型雇用」の歴史
 (1) 中世~近世の欧州の状況
 (2) 江戸期における日本の状況
 (3) 日清・日露戦争後の時期における日本の状況
 (4) アジア太平洋戦争の統制期における日本の状況
 (5) 戦後における日本の状況
 (6) 2009年7月 濱口桂一郎『新しい労働社会―雇用システムの再構築へ』
 (7) 2020年1月 経団連『2020年版 経営労働政策特別委員会報告』
 (8) 2021年版以降の経団連『経営労働政策特別委員会報告』
 (9) 2023年1月23日 岸田文雄首相の衆院本会議での施政方針演説
3 「ジョブ型雇用」の導入事例 ~富士通株式会社~
 (1) ジョブ型人事制度導入の背景と経緯
 (2) ジョブ型人事制度の概要
 (3) 事業部門起点の人材リソースマネジメント
 (4) 自律的な学び/成長の支援
 (5) 一般社員への「ジョブ型人材マネジメント」導入

 

 

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ジョブ型雇用とは,どのようなものですか?

2023-02-27 | 日記

1 ジョブ型雇用とは

 ジョブ型雇用とは,職務(ジョブ)に対応する形で労働者を採用し,契約で定められた職務(ジョブ)の労働に従事させる雇用のあり方です。濱口桂一郎氏が,2009年7月出版の『新しい労働社会』で,日本型雇用システムにおける雇用(メンバーシップ型雇用)と対比する形で紹介し,2020年1月出版の経団連『2020年版 経営労働政策特別委員会報告』がジョブ型雇用を紹介しつつ日本型雇用システムが転換期を迎えているとの認識を示したことなどから,マスコミでも広く取り上げられるようになりました。
 ジョブ型雇用最大の特徴は,職務(ジョブ)が先にあって,その職務(ジョブ)に必要な人員を採用するという発想にあります。会社で働くメンバーが先にいて,どの職務に配置するかはその都度決めるという日本型雇用システムにおける雇用(メンバーシップ型雇用)の発想と,方向性が逆です。このような基本的発想の違いから,雇用の様々な場面で,ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用とでは,違いが生じることになります。

(1) 採用

 ジョブ型雇用では,労働者を必要とする都度,職務(ジョブ)を特定してその職務に必要な人員を採用します。職務の特定には,職務記述書(ジョブディスクリプション)が用いられます。採否の決定には,当該職務を遂行するスキルの有無や程度が重視されます。採用権限は,労働力を必要とする現場の管理者にあります。
 メンバーシップ型雇用では,新卒一括採用で職務を特定せずに採用します。特定の職務を遂行するスキルの有無や程度よりも,社内に存在する様々な職務に対応できるようになる見込みの程度(ポテンシャル)を重視して採否が決定される傾向にあるため,採用後の集合研修やオンザジョブトレーニングなど,会社主導の教育の重要性が高くなります。新卒一括採用以外の採用は「中途採用」と呼ばれ,補充的な位置づけとされています。メンバーシップ型雇用では,長期的なメンバーシップの付与を判断しなければならないため,採用権限は,本社の人事部にあります。

(2) 賃金

 ジョブ型雇用では,外部労働市場における職種(ジョブ)の市場価値を基準に,職務の賃金額が決まります。職務が同じであれば,誰が従事しても,賃金額は大きく変わらないのが,ジョブ型雇用の原則的な考え方です(同一労働同一賃金の原則)。昇給額や賞与額は,会社から示された金額の枠内で,現場の管理者が個別に決定します。団体交渉では,企業の枠を超えて,職種・技能水準ごとの労働力価格が協議決定されます。
 メンバーシップ型雇用では,職務の市場価値ではなく,会社が定めた職能資格や役割により,賃金額が決まります。同じ職能資格の労働者であれば,市場価値が異なる職務に従事しても、賃金額は大きく変わらないのが,メンバーシップ型雇用の原則的な考え方です。従事する職務が同じであっても,労働者の職能資格が異なれば賃金額にも差が生じることを予定していますので,同一労働同一賃金の原則をメンバーシップ型雇用にそのまま適用することはできません。メンバーシップ型雇用では,家族手当のような職務と関係のない生活給が支払われることも,珍しくありません。昇給額や賞与額は,現場の管理者ではなく,会社が決定します。団体交渉では、会社と企業内組合との間で,自社のベースアップなどが協議決定されます。

(3) 異動

 ジョブ型雇用では,特定の職務(ジョブ)に従事してもらうために職務(ジョブ)を特定してその職務に必要な人員を採用するため,会社には,労働者を契約で特定されている職務以外の職務に異動させる人事権がありません。別の職務への異動は,社内公募に労働者が応募して行われるやり方が中心です。会社には別の職務に異動させる人事権がありませんので,社内公募に応募していない労働者に異動してもらいたい場合は,本人の同意を得る必要があります。契約で特定されている職務(ジョブ)の消滅は,退職勧奨や整理解雇の有力な理由となります。ジョブ型雇用特有の解雇回避措置としては,当該労働者が応募する可能性のある職務に関する社内公募の情報を提供することなどが考えられます。
 メンバーシップ型雇用では,会社に広範な人事権があります。会社主導の異動が中心で,ローテーション人事が広く行われています。会社には労働者を他の職務に異動させる人事権がありますので,労働者が担当していた職務が消滅したとしても,他の職務に異動させて雇用を維持するのが原則的な対応となります。

2 日本におけるジョブ型雇用

(1) メンバーシップ型雇用の対象労働者

 日本型雇用システムにおける雇用(メンバーシップ型雇用)の対象は,大企業の正社員が中心です。
 中小企業の正社員となると,メンバーシップ型雇用の特徴の一部は当てはまるものの,小規模な企業になればなるほど,メンバーシップ型雇用的要素は希薄となる傾向にあります。例えば,従事する職務を特定せずに採用してはいるものの,新卒一括採用ではなく経験者採用が中心であったり,雇用の流動性が高かったり,従事する職務について高いスキルを持った社員の賃金が他の社員よりも高い賃金で雇用され,長年にわたって同じ職務に従事し続けていて実際には異動がなかったり,企業内組合が存在しなかったりということは,珍しくありません。
 さらに,パート,アルバイト,契約社員,派遣労働者となると,市場価値に基づいて賃金額が決められ,特定の職務についてのみ従事し,本人の同意なく異動が行われることがなく,雇用の流動性も高いといった,ジョブ型雇用的要素を大幅に取り入れた雇用となっているものが多いように見えます。日本の雇用社会において,ジョブ型雇用に最も近いところにいるのは,非正規労働者かもしれません。

(2) ジョブ型雇用採用のための検討事項

 最近では,日本でもジョブ型雇用を採用する企業が話題に上るようになってきました。世界における通常の雇用の在り方であるジョブ型雇用を採用することは,高度人材・海外人材を採用しやすくなるなど,企業にとって一定のメリットがあるものと考えられます。しかし,日本企業がジョブ型雇用を採用するには,例えば,次のようなハードルがあります。
 ・新卒一括採用が日本社会に深く根付いているため,大企業や中堅企業が新卒一括採用を止める社会的インパクトが大き過ぎて,全面的に新卒一括採用を止めることは現実的ではない。
 ・日本では,ジョブ型雇用の前提となる職種とその待遇などに関する社会的基準が十分に形成されていないなど,外部労働市場の発達が不十分。
 ・配置転換などに関する人事権を手放す会社が,近い将来,日本で多数派になるとは考え難い。
 ・既存の社員について,ジョブ型雇用への転換を進めることは,労働条件の不利益変更を伴うため,慎重な配慮が必要になる。
 このような問題があるため,正社員についてジョブ型雇用を全面的に採用する企業は,当面は一部にとどまり,ジョブ型雇用的要素の中で,自社にメリットがある部分を選んで取り入れていくといった対応をする企業が多数を占めることが予想されます。ハイブリッド型雇用としては,採用後しばらくは職能主義的なマネジメントを行い,一定のグレード以上にジョブ型マネジメントを行うとか,専門性の高い職務についてジョブ型雇用を行うといったものが,多くなっています。
 パート,アルバイト,契約社員,派遣労働者といった非正規社員の多くが,現在でもジョブ型雇用的要素を大幅に取り入れた雇用となっていることは,既に述べたとおりです。非正規社員についてジョブ型雇用を適用することはハードルが低く,日本企業にとっても実施しやすいのではないかと思います。ただし,非正規雇用にジョブ型雇用を適用することは,現状を微修正するにとどまる施策ですので,ジョブ型雇用を採用することによるプラスの効果も小さなものにとどまることが予想されます。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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ジョブ型雇用とは,どのようなものですか? (y-klaw.com)

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三会労働問題研修会 ~使用者側弁護士業務のポイントを語る~

2023-01-19 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が「三会労働問題研修会 ~使用者側弁護士業務のポイントを語る~」と題する講演を行いました。

主催:東京法律相談連絡協議会
日時:2023年1月18日(水)18:00~20:00
Zoomウェビナーによるオンライン開催
対象:弁護士のみ

 

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DVD「社労士のための書式を上手に使って行う問題社員への実務対応」

2022-12-07 | 日記

代表弁護士藤田進太郎のDVD「社労士のための書式を上手に使って行う問題社員への実務対応」が発売されました。

 

 

 毎日のように問題社員対応のコンサルティングを行っている会社経営者側弁護士。コンサルティングの範囲は、法律や判例の情報提供にとどまらず、日本語指導や対応手順の提案にまで及ぶ。ZoomやTeamsを活用して、短めの打合せをこまめに実施することが多い。打合せでは、顧問先名義で、電子メール、回答書、厳重注意書、懲戒処分通知書等の案文を作成し、顧問先にデータを提供している。

 

日本法令(2022年12月6日発売)

[主な目次]
第1章 社労士が「問題社員対応のための書式の上手な使い方」を学ばなければならない理由
第2章 「問題社員対応のための書式」を上手に使うための3つのポイント
第3章 書面の交付方法
第4章 よくある事例における問題社員対応書式使用例の解説
(事例1) 勤務態度が悪く会社や上司を繰り返し誹謗中傷して指導に従わない
(事例2) 注意指導するとパワハラだと言って指導に従わない
(事例3) 担当業務や勤務地の変更等の人事異動に応じない
(事例4) 退職勧奨したところ退職届を提出しないまま出社しない
(事例5) 「復職可」と書かれた主治医の診断書を提出して復職したのに満足に働けない

[収録時間]
約120分

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問題社員の具体的対処法

2022-11-21 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が「問題社員の具体的対処法」と題する講演を行いました。

 

日時:2022年11月18日(金)14:00~16:00
内容
第1章 なぜ問題社員の対処法を学ぶ必要があるのか 
第2章 パワハラ防止法への対応だけでは不十分な理由
第3章 問題社員の具体例と対処法
 1.会社の指示に従わない
 2.遅刻欠勤を繰り返す
 3.不正行為を繰り返す
 4.能力が極端に低い
 5.メンタルが不安定
 6.ダラダラ残業して残業代を請求する
第4章 事前質問への回答

 

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整理解雇に先立つ真摯な対応の重要性

2022-10-21 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が執筆した時言「整理解雇に先立つ真摯な対応の重要性」が日本経済団体連合会の「労働経済判例速報」2022年10月20日号に掲載されました。

 

 

 

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「裁量労働制 好事例セミナー」経団連タイムスNo.3559掲載

2022-09-27 | 日記

2022年8月5日(金)に代表弁護士藤田進太郎が解説した経団連の「裁量労働制 好事例セミナー」が,経団連タイムスNo.3559に掲載されました。(日本経済団体連合会)

 

 

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「裁量労働制 好事例セミナー」経団連タイムスNo.3558掲載

2022-09-14 | 日記

2022年8月5日(金)に代表弁護士藤田進太郎が解説した経団連の「裁量労働制 好事例セミナー」が,経団連タイムスNo.3558に掲載されました。(日本経済団体連合会)

 

 

 

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裁量労働制 好事例セミナー

2022-08-08 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が「裁量労働制 好事例セミナー」と題する講演を行いました。(日本経済団体連合会)

主催:日本経済団体連合会
日時:2022年8月5日(金)10:00~12:00
場所:東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館
内容
1.講演
 裁量労働制における課題
 ~厚労省「これからの労働時間制度に関する検討会報告書」を踏まえて~
2.パネルディスカッション 司会

 

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経団連タイムス掲載のお知らせ

2022-06-17 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が経団連の重要労働判例説明会で解説した「東リ事件大阪高裁判決の解説 ~偽装請負を理由とした労働契約申込みみなし制度適用への対応~」が,経団連タイムスNo.3548に掲載されました。(日本経済団体連合会)

 

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週刊 経団連タイムス 2022年6月16日 No.3548 重要労働判例説明会

東リ事件大阪高裁令和3年11月4日判決は,
 ① 労働契約申込みみなし制度の適用を認めた初めての裁判例
 ② 原審の神戸地裁判決が偽装請負等の状態にあったこと自体を否定しているにもかかわらず,偽装請負等の目的があったと推認した裁判例
であり,検討する必要性が高い。
2022年5月26日(木)に開催された重要労働判例説明会における解説の概要が,経団連タイムス No.3548に掲載された。

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著作「これって,パワハラですか?」

2022-06-14 | 日記

代表弁護士藤田進太郎が執筆した遊筆「これって,パワハラですか?」が「労働判例」1263号に掲載されました。(産労総合研究所)

  

【要旨】
 「パワハラかどうか」を議論することに,どれだけの意味があるのかとも思う。「パワハラかどうか」を心配することは,学校のテストでいえば,「赤点かどうか」を心配するようなものではないか。赤点でさえなければ,100人中95番の成績でもいいのだろうか?いや,そんなことはないはずだ。自信があるのであれば上位を目指すべきだし,そうでなくても,真ん中くらいの順位を目指してもいいのではないか。
 部下に注意指導したところパワハラだと言われた事例で,企業にとって重要なことは,「効果的で適切な注意指導ができているかどうか」であろう。であれば,企業は,この点にフォーカスして,対応を議論すべきではないか。
 情報を一方的に伝えるトップダウン型の研修や教育指導だけでは,十分に対応することが難しい。ワークショップなどのボトムアップ型の研修や継続的なカウンセリング等と組み合わせることにより,一人一人が対話の中で自分なりの答えを探り自分を高めていくことができるよう,研修等をデザインしていくべきであろう。

 

「労働判例」1263号,2022年6月15日発行,産労総合研究所

 

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注意するとパワハラだなどと言って,上司の指導を聞こうとしない社員の対処法

2022-06-13 | 日記

注意するとパワハラだなどと言って,上司の指導を聞こうとしない。

 

1 パワハラとは
 パワーハラスメントは法律上の用語ではなく,統一的な定義はありません。
 平成22年1月8日付け人事院の通知では,パワーハラスメントは,一般に「職権などのパワーを背景にして,本来の業務の範疇を超えて,継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い,それを受けた就業者の働く環境を悪化させ,あるいは雇用について不安を与えること」を指すとされています。
 『職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告』(平成24年1月30日)は,「職場のパワーハラスメントとは,同じ職場で働く者に対して,職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に,業務の適正な範囲を超えて,精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」としています。

2 パワハラの行為類型
 「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」では,以下のようなものを挙げています。
 ① 暴行・傷害(身体的な攻撃)
 ② 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
 ③ 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
 ④ 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制,仕事の妨害(過大な要求)
 ⑤ 業務上の合理性なく,能力や経験とかけ離れた仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
 ⑥ 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

3 パワハラを巡る紛争の実態
 パワハラを不満に思い,公的機関などに相談している労働者の数は多いが,パワハラを理由とした損害賠償請求がメインの訴訟,労働審判はあまり多くなく,解雇無効を理由とした地位確認請求,残業代請求等に付随して,損害賠償請求がなされることが多いです。解雇無効を理由とした地位確認請求,残業代請求等に付随して,パワハラを理由とする損害賠償請求がなされた場合は,業務指導に必要のない不合理な言動をしているような場合でない限り請求棄却になりやすく,仮に不法行為責任等が認められたとしても慰謝料の金額は低額になりやすい傾向にあります。

4 適法性と適切性
 パワハラが問題とされる言動には,
 ① 違法な言動
 ② 適法だが不適切な言動
 ③ 適切な言動
の3段階があります。
 ②適法だが不適切な言動は数多く見られますが,①違法な言動とまで評価される言動はごく一部に過ぎません。「パワハラかどうか?」という問題設定がなされることが多いですが,程度の問題として考えた方が実態を正確にイメージすることができます。不適切な言動であっても違法と評価されるとは限りませんが,違法と評価されなかったからといって直ちに適切な言動というわけではありません。

5 違法性の判断基準
(1) 違法なパワハラに該当するかどうかの一般的な判断基準
 「行為のなされた状況,行為者の意図・目的,行為の態様,侵害された権利・利益の内容,程度,行為者の職務上の地位,権限,両者のそれまでの関係,反復・継続性の有無,程度等の要素を総合考慮し,社会通念上,許容される範囲を超えているかどうか」により,不法行為法上違法と評価されるかどうかを検討するのが通常です。
 単純化して説明すると,
 ① 業務遂行上必要な言動か(目的)
 ② 社会通念上,許容される範囲を超える言動か(程度)
を検討することになります。
 ①指導教育目的等の業務遂行上必要な言動であれば,やり過ぎない限り,②社会通念上,許容される範囲を超えていないと評価されることになります。他方,①業務上必要のない言動の場合は,②社会通念上,許容される範囲を超えると評価されやすくなります。
 セクハラの対象となる性的言動は業務を遂行する上で不要なものであるのに対し,パワハラの対象となる指導教育,業務命令等は業務を遂行する上で必要なものであるため,業務を遂行する上で必要のない性的言動と比較して,違法とまでは評価されにくい傾向にありますが,業務遂行上必要のない言動については,違法と評価されやすくなります。
(2) 参考裁判例
 ア ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル(自然退職)事件東京地裁平成24年3月9日判決
 「この点,世上一般にいわれるパワーハラスメントは極めて抽象的な概念で,内包外延とも明確ではない。そうだとするとパワーハラスメントといわれるものが不法行為を構成するためには,質的にも量的にも一定の違法性を具備していることが必要である。したがって,パワーハラスメントを行った者とされた者の人間関係,当該行為の動機・目的,時間・場所,態様等を総合考慮の上,『企業組織もしくは職務上の指揮命令関係にある上司等が,職務を遂行する過程において,部下に対して,職務上の地位・権限を逸脱・濫用し,社会通念に照らし客観的な見地からみて,通常人が許容し得る範囲を著しく超えるような有形・無形の圧力を加える行為』をしたと評価される場合に限り,被害者の人格権を侵害するものとして民法709条所定の不法行為を構成するものと解するのが相当である。」
 イ 海上自衛隊事件福岡高裁平成20年8月25日判決
 「一般に,人に疲労や心理的負荷等が過度に蓄積した場合には,心身の健康を損なう危険があると考えられるから,他人に心理的負荷を過度に蓄積させるような行為は,原則として違法であるというべきであり,国家公務員が,職務上,そのような行為を行った場合には,原則として国家賠償法上違法であり,例外的に,その行為が合理的理由に基づいて,一般的に妥当な方法と程度で行われた場合には,正当な職務行為として,違法性が阻却される場合があるものというべきである。」
(3) 労災認定において心理的負荷が強いとされている言動
 パワハラとの関係では,以下のようなものについて,客観的に対象疾病を発病させるおそれのある強い心理的負荷であるとされています。
 ① 部下に対する上司の言動が,業務指導の範囲を逸脱しており,その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ,かつ,これが執拗に行われた
 ② 同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた
 ③ 治療を要する程度の暴行を受けた
 ④ 業務をめぐる方針等において,周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が上司との間に生じ,その後の業務に大きな支障を来した
 ⑤ 業務をめぐる方針等において,周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が多数の同僚との間に生じ,その後の業務に大きな支障を来した
 ⑥ 業務をめぐる方針等において,周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が多数の部下との間に生じ,その後の業務に大きな支障を来した
 ⑦ 業務に関連し,重大な違法行為(人の生命に関わる違法行為,発覚した場合に会社の信用を著しく傷つける違法行為)を命じられた
 ⑧ 業務に関連し,反対したにもかかわらず,違法行為を執拗に命じられ,やむなくそれに従った
 ⑨ 業務に関連し,重大な違法行為を命じられ,何度もそれに従った
 ⑩ 業務に関連し,強要された違法行為が発覚し,事後対応に多大な労力を費やした(重いペナルティを課された等を含む)
 ⑪ 客観的に,相当な努力があっても達成困難なノルマが課され,達成できない場合には重いペナルティがあると予告された
 ⑫ 退職の意思のないことを表明しているにもかかわらず,執拗に退職を求められた
 ⑬ 恐怖感を抱かせる方法を用いて退職勧奨された
 ⑭ 突然解雇の通告を受け,何ら理由が説明されることなく,説明を求めても応じられず,撤回されることもなかった
 ⑮ 非正規社員であるとの理由等により仕事上の差別,不利益取扱いを受け,仕事上の差別,不利益取扱いの程度が著しく大きく,人格を否定するようなものであって,かつこれが継続した

6 業務指導の重要性
 近年では,上司の言動が気にくわないと,何でも「パワハラ」だと言い出す社員が増えています。そのような社員は,勤務態度等に問題があることが多く,むしろ,注意,指導,教育の必要性が高いことが多い印象です。部下にとって不快な上司の言動が何でもパワハラに該当するわけではありません。上司の部下に対する注意,指導,教育は必要不可欠なものであり,上司に部下の人材育成を放棄されても困ります。パワハラにならないよう神経質になるあまり,上司が部下に対して何も指導できないようなことがあっては本末転倒です。
 『職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告』は,
 「個人の受け取り方によっては,業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも,これらが業務上の適正な範囲で行われている場合には,パワーハラスメントには当たらないものとなる。」
 「なお,取組を始めるにあたって留意すべきことは,職場のパワーハラスメント対策が上司の適正な指導を妨げるものにならないようにするということである。上司は自らの職位・職能に応じて権限を発揮し,上司としての役割を遂行することが求められる。」
としています。

7 コミュニケーションの重要性
 パワハラ紛争の原因には様々なものがありますが,コミュニケーション不足又はコミュニケーションの取り方が下手なことが主な原因となっているものが多い印象です。コミュニケーションが不足していたり,コミュニケーションの取り方が下手だったりすると,パワハラだと受け取られやすくなります。コミュニケーション能力を向上させるとともに,十分なコミュニケーションを取ることができるよう努力して下さい。
 コミュニケーション能力が不足しているためにパワハラだと言われてしまう場合は,懲戒処分を行うよりも,研修,降職,配置転換等により対処した方が有効な場合もあります。

8 無断録音
 パワハラの状況は,部下により無断録音されて,証拠として提出されることが多いです。訴訟では,無断録音したものが証拠として認められてしまうのが通常です。
 部下が上司をわざと挑発して,不相当な発言を引き出そうとすることもあります。無断録音されていても問題が生じないよう指導の仕方に気をつけて下さい。

9 違法なパワハラと評価されないための心構え
 自分の言動が録音されていて,社長,上司,裁判官等に聞かれても問題ないような言動を心がければ,通常は違法なパワハラと判断されるようなことはしないのが通常です。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

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注意するとパワハラだなどと言って,上司の指導を聞こうとしない。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
会社経営者のための残業代請求対応
会社経営者のための労働審判対応


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勤務態度が悪い社員の対処法

2022-06-10 | 日記

勤務態度が悪い。

1 注意指導
  勤務態度が悪い社員は,注意指導してそのような勤務態度は許されないのだということを理解させる必要があります。訴訟や労働審判になって弁護士に相談するような事例では,当然行うべき注意指導がなされていないことが多い印象があります。
 勤務態度が悪い社員を放置することにより,他の社員のやる気がそがれたり,新入社員がいじめられたり,仕事を十分に教えてもらえなかったりして,退職してしまったりすることがありますし,金品の横領,手当等の不正受給の温床にもなります。
 上司が,勤務態度が悪い社員に対して注意指導した場合,反発を買うことは珍しくなく,トラブルになることもあるせいか,注意指導を怠る上司が散見されます。当然行うべき注意指導を行うことができる上司は,注意指導できない上司よりも高く評価する必要があります。勤務態度が悪い社員が注意指導に従わない場合には,直属の上司1人に任せきりにせず組織として対応して下さい。当然行うべき注意指導を行って勤務態度が悪い社員の反発を買うよりも,勤務態度が悪い社員を放置したままにしておいて異動を待った方がマイナス評価がつかず得だと考える上司が出てこないようにする必要があります。
 長年にわたって勤務態度の悪い社員を放置してきた職場において,新任の上司があるべき勤務態度に是正しようとして反発を買い,トラブルになることが多いところです。勤務態度が悪くても長年放置され,態度の悪さが年々悪化してきた社員の態度を改めさせるのは難易度が高く,解雇・退職の問題に発展することも多いですので,勤務態度の悪さが悪化する前に,対処する必要があります。こういった社員は,時間をかけて根気強く注意指導していく必要があり,注意指導しても従おうとしないからといって,放置してはいけません。 
 口頭で注意指導しても勤務態度の悪さが改まらない場合は,将来の懲戒処分,退職勧奨,解雇,訴訟活動を見据えて,書面で注意指導します。書面で注意指導することにより,本人の改善をより強く促すことになりますし,訴訟や労働審判になった場合,勤務態度の悪さを改めるよう注意指導した証拠を確保することもできます。
 当事務所に相談にいらっしゃった会社経営者から「自分の勤務態度が悪いことや何度も注意指導されてきたことは,本人が一番よく分かっているはずです。」との説明を受けることが多いですが,訴訟や労働審判では,労働者側から,自分の勤務態度は悪くないし,注意指導を受けたことは(ほとんど)ないと主張がなされるのがむしろ通常です。口頭で注意指導しただけで,書面等の客観的な証拠が残っていない場合,当該社員の勤務態度の悪さが甚だしいことや十分に注意指導してきたことを立証するのが困難となってしまいます。
 「上司も,部下も,同僚も,取引先もみんな,彼(女)の勤務態度が悪いことを知っていますし,法廷で証言してくれると言っています。」という話をお聞きすることも多いですが,一般的には,紛争が表面化してから作成された上司・同僚・部下の陳述書や法廷での証言はあまり証拠価値が高くありません。取引先の社員に訴訟で証人になるよう頼むことは,それ自体ハードルが高いことが多いです。「彼(女)の勤務態度が悪い。」という点では関係者の意見が一致していたとしても,何月何日の何時頃,どこで何をどのようにしたから勤務態度が悪いと評価することができるのかといった具体的事実を聞いても,具体的日時場所等を説明できないことは珍しくありません。勤務態度が悪いことを基礎付ける具体的事実を説明できないと証拠価値が高く評価されにくくなります。
 電子メールを送信して改善を促しつつ注意指導した証拠を確保することも考えられますが,メールでの注意指導は,口頭での注意指導を十分に行うことが前提です。面と向かっては何も言わずにメールだけで注意指導した場合,コミュニケーションが不足して誤解が生じやすいため注意指導の効果が上がらず,かえってパワハラであるなどと反発を受けることも珍しくありません。

2 懲戒処分
 書面で注意指導しても勤務態度の悪さが改まらない場合は,懲戒処分を検討することになります。まずは,譴責,減給といった軽い懲戒処分を行い,それでも改善しない場合には,出勤停止,降格処分と次第に重い処分をしていきます。
 懲戒処分に処すると職場の雰囲気が悪くなるなどと言って,懲戒処分を行わずに辞めてもらおうとする会社経営者もいますが,懲戒処分もせずにいきなり解雇したのではよほど悪質な事情がある場合でない限り,解雇は無効となってしまうリスクが高いところです。そもそも,勤務態度が悪い社員に対して注意指導や懲戒処分ができないようでは,組織として十分に機能しているとはいえません。必要な注意指導や懲戒処分を行い,職場の秩序を維持するのは,会社経営者の責任です。

3 退職勧奨
 勤務態度の悪さの程度が甚だしく,十分に注意指導し,懲戒処分に処しても勤務態度の悪さが改まらず,改善の見込みが乏しい場合には,会社を辞めてもらうほかありませんので,退職勧奨や解雇を検討することになります。十分に注意指導し,繰り返し懲戒処分を行っており,解雇が有効となりそうな事案では,解雇するまでもなく,退職勧奨に応じてもらえることが多いところです。
 他方,勤務態度の悪さの程度がそれほどでもなく,十分な注意指導や懲戒処分がなされていない等の理由から解雇が有効とはなりそうもない事案,誠実に勤務する意欲が低かったり能力が低い等の理由から転職が容易ではない社員の事案,本人の実力に見合わない適正水準を超えた金額の賃金が支給されていて転職すればほぼ間違いなく当該社員の収入が減ることが予想される事案等では,退職届を提出させる難易度が高く,退職に同意してもらうために支払う割増退職金等の金額も高くなりがちです。

4 解雇
 勤務態度の悪さの程度が甚だしく,十分に注意指導し,懲戒処分に処しても勤務態度の悪さが改まらず,改善の見込みが低い場合には,退職勧奨と平行して普通解雇や懲戒解雇を検討することになります。
 普通解雇(狭義)とは,能力不足,勤務態度不良,業務命令違反等,労働者に責任のある事由による解雇のことをいい,懲戒解雇とは,使用者が有する懲戒権の発動により,一種の制裁罰として,企業秩序に違反した労働者に対し行われる解雇のことをいいます。
 普通解雇や懲戒解雇が有効となるかどうかを判断するにあたっては,
 ① 就業規則の普通解雇事由,懲戒解雇事由に該当するか
 ② 解雇権濫用(労契法16条)や懲戒権濫用(労契法15条)に当たらないか
 ③ 解雇予告義務(労基法20条)を遵守しているか
 ④ 解雇が法律上制限されている場合に該当しないか
等を検討する必要があります。
 普通解雇や懲戒解雇が有効となるためには,単に①就業規則の普通解雇事由や懲戒解雇事由に該当するだけでなく,②解雇権濫用や懲戒権濫用に当たらないことも必要となります。②解雇権濫用や懲戒権濫用に当たらないというためには,普通解雇や懲戒解雇に客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当なものである必要があります。
  普通解雇や懲戒解雇に「客観的に」合理的な理由があるというためには,「裁判官」が,労働契約を終了させなければならないほど社員の勤務態度の悪さの程度が甚だしく,業務の遂行や企業秩序の維持に重大な支障が生じていると判断するに値する「証拠」が必要です。会社経営者,上司,同僚,部下,取引先などが,主観的に普通解雇や懲戒解雇に値すると考えただけでは足りません。
 勤務態度が悪い社員の普通解雇や懲戒解雇が②解雇権濫用や懲戒権濫用に当たらないかを判断するにあたっては,勤務態度の悪さが業務に与える悪影響の程度,態様,頻度,過失によるものか悪意・故意によるものか,勤務態度が悪い理由,謝罪・反省の有無,勤務態度の悪さを是正するために会社が講じていた措置の有無・内容,平素の勤務成績,他の社員に対する処分内容・過去の事例との均衡等が考慮されます。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

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勤務態度が悪い。 (y-klaw.com)

弁護士法人四谷麹町法律事務所
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