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「異常に巨大な天災地変」

2011-10-20 | 日記
東電株を1500株保有する東京都内の男性弁護士が,原子力損害賠償法の免責規定を東電に適用しなかったことで株価を下落させたとして,国に150万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こし,同地裁で20日,口頭弁論が開かれたとのことです。
国側は「東日本大震災は免責規定が適用される『異常に巨大な天災地変』には当たらず,東電が損害賠償責任を負うべきだとした対応は適法だ」とこれまで政府が示してきた見解と同様の主張をし,請求の棄却を求めたようです。

法的に考えれば,東日本大震災は,「異常に巨大な天災地変」に該当すると思います。
これが該当しなければ,およそ該当する事案は想定することができず,免責規定を設けた意味がなくなってしまいます。
被害者への補償は,本来,国が責任を取るべき問題でした。
政治的判断から,法の適用をねじ曲げたと言わざるを得ません。
一連の動きを見て,日本は法治国家とは言えないという印象を受けました。
日本では投資家の地位が低いということも,影響したのかもしれません。

本来の争点は,どちらかというと,「原子力損害賠償法の免責規定を東電に適用しなかった」といえるかどうかの問題ではないでしょうか。
東電は,免責規定の適用を主張できたのに,勝手にしなかっただけだ,国が東電に強制したわけではない,という主張です。
もっとも,国が圧力をかけて,東電に免責規定の適用を主張できないようにしたように見えますから,国は,今さら,そういった主張はできないのかもしれません。

弁護士 藤田 進太郎

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