年俸制の社員に残業代(割増賃金)を支払う必要はありますか?
労基法上,年俸制社員について残業代(割増賃金)の支払義務を免除する規定はありません。
使用者が,社員との間で,週40時間(特例措置対象事業場では週44時間),1日8時間を超えて労働した場合であっても残業代を支払わない旨の合意をしていたとしても,労基法の強行的直律的効力(労基法13条)により当該合意は無効となり,法定時間外労働時間に対応した労基法37条所定の残業代(割増賃金)の支払義務を負うことになることになりますので,労働契約又は就業規則で,年俸制社員については残業代を支払わない旨規定していたとしても,その支払義務を免れることはできません。
したがって,年俸制の社員についても残業代(割増賃金)を支払う必要があることを前提として,対策を検討する必要があります。