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当社の所定労働時間は7時間45分です。残業時間を計算をする際に注意すべきことはありますか?

2016-10-14 | 日記

当社の所定労働時間は7時間45分です。残業時間を計算をする際に注意すべきことはありますか?

 

 就業規則上の所定労働時間が7時間45分の企業において,7時間45分を超えて残業させた場合,8時間までの15分は法内時間外労働時間(以下法内残業)であり,8時間を超えた部分は法定時間外労働時間(以下法外残業)になります。

 具体的な法内残業時間及び法外残業時間の計算は次のとおりです。

 

例1)月曜日から金曜日までの実労働時間が10時間,土曜日の実労働時間が9時間の場合の法内残業及び法外残業(所定休日:土日,1週間の起算:月曜日)

月 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

火 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

水 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

木 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

金 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

土 実労働時間 9時間 → 法内残業  0,法外残業9時間

日 休日

 土曜日は,実労働時間全てが労基法上の法定労働時間1週40時間を超えているため,9時間が法外残業時間となり,割増賃金(残業代)の支払い義務を負うことになります。

 

例2)月曜日から木曜日までの実労働時間が10時間,金曜日の実労働時間が3時間,土曜日の実労働時間が9時間の場合の法内残業及び法外残業(所定休日:土日,1週間の起算:月曜日)

月 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

火 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

水 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

木 実労働時間10時間 → 法内残業15分,法外残業2時間

金 実労働時間 3時間 → 法内残業  0,法外残業時間0

土 実労働時間 9時間 → 法内残業  0,法外残業4時間

日 休日

 週40時間を超えている時間は法外残業時間,ただし1日8時間を超えている部分については週40時間超の計算では除外するということから,週40時間超の計算は次のとおりになります。

① 月~土の実労働時間=10時間+10時間+10時間+10時間+3時間+9時間=52時間

② 月~金の1日8時間超の法外残業時間=2時間+2時間+2時間+2時間=8時間

③ ①52時間-②8時間=44時間

④ 週40時間超=③44時間-40時間=法外残業時間4時間

 したがって,土曜日の法外残業時間は4時間になります。

 なお,誤った計算方法として,所定労働時間を基準に計算すると,(1日の所定内労働時間7時間45分×4日)+金曜日3時間+土曜日9時間=43時間 → 週40時間超=43時間-40時間=法外残業時間3時間となるため,注意が必要です。

 

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