河野友見 *Y’z diary*

お仕事記録など

ヒトラーは描く、ディズニーの愛らしさを。

2008-02-24 | Art&Books
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イギリスのDaily Telegraphから、びっくりの記事が届きました。

ノルウェーの戦争博物館で発見された、アドルフ・ヒトラー画、ピノキオと白雪姫の小人。

↓これです。


どうです、これ。
ありえない位、愛らしいじゃありませんか。
これが、ホロコーストを起こした大虐殺者の絵なんでしょうか。

まあ、ヒトラーは元々美術学生でしたので、絵が上手くて当然なのですが・・

また彼は建築家をめざしていた時期もありましたから、今ドイツでアウトバーン(高速道路)があれだけ発達し、車大国となっているのも、当時公共事業に力を注いだヒトラーの「善」の部分の功績と言えるでしょう。


そういえば、ヒトラーは映画製作にも携わっています。
レニ・リーフェンシュタールという女流監督の『オリンピア』です。
これは1936年のベルリン・オリンピックの記録映画ですが、ヒトラーによる「ドイツの力の誇示」の為の宣伝作品とも捉えられています。

私も観たことがありますが、「ナチスの宣伝」という部分を除いて観ると、非常にクオリティの高い芸術的作品です。
アスリート達の肉体美、筋肉の躍動というような、まるで現代のCMにでも使われそうな一コマ一コマの映像の綴りは、なかなかの見応えがあります。
今現在では同じような映像をオリンピックで撮影するのは非常に難しいと思うのです・・・今は各国のカメラマンがライン沿いにひしめいていますし。
そういう意味で、この『オリンピア』はヒトラー監修の素晴らしい芸術作品とも言えるのです。

ちなみに、あの黒澤明監督もこの作品を参考にしたそうです。
現代の映画界でも「世界のクロサワ」を参考にする人は多いですが、その「クロサワ」が数々の名作を撮るのに手法の参考にしたというのですから、この作品のハイレベルさが窺えます。

ちなみにこの作品は日本では「美の祭典/民族の祭典」という2部構成でDVD化もされています。

DVD 『オリンピア(美の祭典)』



しかし、何故ヒトラーは、敵国アメリカ産のディズニー・キャラクターなぞ描いたのでしょうね?
多分「芸術は嘘をつかない」ことを知っていたヒトラーは、ディズニーの才能を認めていたんだと思います。
もしかしたら、ドイツへウォルト・ディズニーを招致して、何かアニメ映画の製作をさせたいと考えていたかもしれませんね。

全世界に“世紀の独裁者・大虐殺者”として知られるヒトラー。
その裏の顔に、こんな芸術やディズニーのアニメを愛しむ心があったのかと思うと・・・何だか、残念でなりません。
もし政治家になっていなければ、大変な過ちを犯さずに済んだでしょうし、その分の情熱を全て芸術方面に傾けていれば、“世紀の芸術家”として名を残せたかもしれません。


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