過激(無茶!)過ぎるアクションスタントで
体を張って1980年代の
香港アクション映画の黄金時代を築き上げた
“龍虎武師”と賞される
香港のレジェンドスタントメン(複数形ね)
龍虎武師たちの歴史や系統、光と影を
ダイジェストや貴重なメイキング映像、
関係者たちのインタビューなどで
構成したドキュメンタリー映画。
往年の香港アクション映画通には
説明は不要だけど
そうではない人は
公式サイトをご覧になって下さいね。
https://kungfu-stuntman.com/
1967年2月生まれの俺は、
子供の頃に
ブルース・リーの映画を観て
アクションに目覚め、
1980年代の青春時代に
ジャッキー、サモ・ハン、ユンピョウらの
面白くて過激でエネルギッシュな
香港アクション映画を観て狂喜乱舞した
アクション直撃世代なので
懐かしさや、
知らなかった事実も知ることができ
大変観応えのある映画でした。
ドキュメンタリー映画なので
インタビューシーンが多く、
思っていたよりも
アクションダイジェストが少なかったのが
少し残念ではありますが、
サモ・ハン、ユエン・ウーピン、
チン・カーロッ、ユン・ワー
マースらの若き日の映像と
現在のお顔が見れ
貴重な撮影秘話を聞けたのがよかったです。
前半に
ブルース・リーの映像も多く使われ
いかにブルース・リーが
革新的で偉大であったかが紹介され、
ブルース・リー信者の俺も満足しました。
ジャッキー・チェンの映像も
たくさん出てきますが
ジャッキー本人の
インタビュー映像はありませんでした。
俺も元スタントマンなので(三流でしたが)
アクションシーンを見れば、
どういう風に撮影して
どれくらい難しいのか、
どれくらい危険なのか、
どのくらい無茶をしているのかは
大体わかりますが
ほんまあの頃の
香港アクションは
狂ってます!w
主役に殴られ、蹴とばされ
回転しながら吹っ飛んだり
ガラスを突き破って
マットのない地面に頭から落ちたり
階段からバク宙しながら転げ落ちたり
安全対策も乏しいまま
集団でビルから飛び降りたり・・・
何たる情熱!
呆れるほどのバイタリティ!
しかし光あれば影もあります。
成功もあれば失敗もあります。
映画の中では
あまり触れられてはいませんでしたが
運悪く半身不随になったり
亡くなってしまったスタントマンもいるようです・・・
俺も若気の至りで
見様見真似で
香港映画ばりの
無茶なアクションに挑戦し、
何度も大ケガをしました。
アゴの骨が砕けて
顔の形が変わって
人生が変わってしまったこともあります。
しかし後悔はしていません。
あの頃の香港アクションには
夢と勇気、
ユーモアとバイタリティをもらいました!
1997年香港はイギリスから
中国に返還され
映画製作の現状も変わりました。
世界的にみても
映画のアクションスタントシーンは
製作面や安全性の観点からも
CGとワイヤーが主流になっています。
なのでもうあの頃のような
過激でバイタリティ溢れる
香港アクションは製作されないでしょうが
龍虎武師の魂を受け継ぐ者たちが
これからも素晴らしいアクション映画を
作ってくれるでしょう!
「カンフースタントマン 龍虎武師」
満足度・・・88点
アクションダイジェストがもっとあれば
満点だったのに・・・
最後に俺の
ちょっと自慢話というか
経験談を・・・
俺が現役スタントマンだった
1993年(当時26歳)
「日本vs香港スタント対決!」という
テレビのバラエティ番組で
あの「プロジェクト・イーグル」の
バイクスタントシーンを
再現することができました。
それとは別にその番組内で
俺はベニー・ライと
1体1のアクションをやったことがあるのです!
しかしベニー・ライは
リハと本番とで
ぜんぜん違う動きをしたので
ぜんぜん噛み合いませんでした
その為かテレビ放送では
そのアクションは
カットされていましたw
その時に通訳さんを介して
香港映画の事情を少し聞きましたが
ギャラは凄くイイといっていたのが
羨ましかったです。
日本人スタントマンは
ギャラ安かったのに・・・
ほかにもベニー・ライは
ジャッキーはイイ人だけど
サモ・ハンはひどい人だとも言っていましたw
もう30年前の話ですヨ。
「カンフースタントマン 龍虎武師」の中でも
確かにサモ・ハンはちょっと怖かったですねw
俺も今年で56歳になり
アクション業界を引退してから
18年が過ぎましたが
今でも自己満足と健康維持のために
アクショントレーニングを続けています。
たまにケガもしちゃいますが・・w
アクションスタント万歳!
嗚呼、中年真っ只中~!
いやいや引き出しなんてぜんぜん無いけど
あとは吉本の映画で
フットボールアワーの岩尾さんの吹き替えで
2階から飛び降りスタントをやったことがありますw
ハリウッドスタントはもちろん
日本のJACのスタントも凄かったし
ほんとアクション激熱の時代でした!
ポリスストーリー2のアパアパさんじゃありませんか!
いったいどれだけネタの引き出しがおありなんスか(汗)
((((;゚Д゚))))
俺のアゴが砕けた話は以前このブログに
書いているのでよろしければ読んで下さい。
https://blog.goo.ne.jp/yodobaku1967/e/6a965e440abd84f90fee74aef7ab0b51
海外のスタントチームのことはよくわかりませんが
日本の場合はボディスタントチーム(格闘、殺陣、アクロバット、飛び降り、ワイヤー、トランポリンなど)と
カースタントチーム(カースタント、バイクスタント、牽引など)に分かれています。
それぞれに専門のスぺシャリストがいて
所有している機材も違います。
総合的に全てのスタントを
請け負うチームありますし
少数ですが何でもこなせる凄いスタントマンもいますよ!
俺の場合は
ボディスタントも大好きだったし
「MAD MAX」の影響でバイクスタントにも
強い興味とこだわりを持っていたので
バイクスタントとボディスタントをやっていました。
カースタントチームの手伝いでカースタントを
したこともあります。
あまり大したことはしていませんが・・
いずれにしてもスタントはチームプレイなので
いくら個人の技術が優れていても
信頼できる仲間やチームがなければ、
大したこともできないし事故に繋がります。
あごの骨が砕けたんですか。聞くだけで痛いです。
好きでないとできないお仕事ですね。
ふと思ったんですが、スタントの方って専門とか分かれるんでしょうか?
例えば格闘なら格闘だけ、カースタントならカースタントだけとか。
それとも一人で何でもこなせないといけないんでしょうか?