映画「火花」を観てきました。
いつか“売れる”ことを夢見ながら
“笑い”に賭ける若者たちの青春映画。
笑いのシーンは
あまり笑えなかったけど感動しました!
切なくも清々しいというか
刺さる映画でした。
ただ、この映画は
万人受けする映画ではありません。
上京して芸人を目指している人や、
役者を目指している人など
芸能界を本気で目指したことのある人には
共感できる部分も多く感動できると思います。
そういう経験が無い人には
ちょっと共感できないかも・・・
ちなみに一緒に観にいったハニーは
「ぜんぜんおもろなかったわ~」
「よかったのは最後の歌だけやー」だってw
俺の場合はお笑い芸人ではなく
若い頃、上京して
スタントマンとして、
アクションの世界で
必死に夢を追い続けました。
結果として挫折した訳ですが
この映画は俺自身の青春時代と重なる、
共感できるシーンや
セリフがたくさんでてきました。
上京してボロアパートに住む・・・
アルバイトをしながら夢を追う・・・
破滅型の無茶な先輩に憧れる・・・
先輩の彼女に憧れる・・・
オーディションに落ちまくる・・・
ライバルが先に売れる・・・
仲間とケンカ別れする・・・
挫折する・・・
この映画の主人公・徳永(菅田将暉)も
結局、挫折して
お笑い業界から引退してしまうのですが
ラストシーンで
「生きている限り、BAD ENDは無い、
僕たちはまだ途中だ。」と力強く語ります。
永く壮大な人生の中で
大きな“花火”を打ち上げることはできなくても
たった一瞬でも
激しく“火花”を散らし生きたことは
その後の人生の糧になる
というふうにタイトルである“火花”の意味を
俺なりに解釈しました。
客観的に映画を評価してみると・・・
お笑いのシーンが弱かったです。
異端の天才肌の芸人・神谷(桐谷健太)が
ぜんぜん笑えなかった。
冒頭の砂浜のシーンや
営業で「地獄!地獄!」と連呼するとこや
公園で太鼓のお兄さんと絡むところも
豊胸も
シュール過ぎるというか
意味不明というか
ぜんぜん笑えなかった。
桐谷健太の演技が悪いのではなく
脚本、演出の責任だと思います。
余談というか
俺の自慢話ですが
俺は十数年前、
「パッチギ!」(井筒和幸監督・2005年公開)
の撮影で桐谷健太と一緒に仕事をしたことがあります。
アクションシーンの指導を少しだけしたことがあるのですが
当時から桐谷健太はバイタリティとユーモアに溢れ
「こいつは絶対売れる!」と思っていました。
菅田将暉の熱演は素晴らしかったです!
漫才のラストステージのシーン、
涙を流しながらの熱演は
観ていて思わずもらい泣きしそうになりました。
板尾創路監督の
画づくりは非常に素晴らしく
構図、カメラワーク、
陰影、ピント送りなど、
ワンカット、ワンカットが
非情に丁寧に撮られていて
監督の情熱とこだわりを感じました。
圧巻はエンドロールで流れる
ビートたけしの名曲「浅草キッド」
ソウルフルな桐谷健太&菅田将暉の歌声に
激しく感動しました!
いろいろ長々と書いてしまいましたが
興味のある人は是非、劇場へ!
予告をどうぞ!
映画『火花』予告2