![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/c3/9d4f27f77613f17a22b5af2de1ba6049.jpg?1720263037)
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先日、鞄のベルトフックの金属のサビを取るために、金属サビ取り剤を100均で買ってきました。
早速使ってみると、
なるほど!
良く落ちます(左がサビ取り前。右がサビ取り後、写真だとよく分かんねぇー)。
お手頃になりましたね。かつてサビ取り剤は、ホームセンターで数百円していた記憶があります。
材質は結晶性シリカと記載されています。つまり研磨剤です。ステンレスに酸素が結合してできた酸化皮膜を削り落としている訳です。
さて、最近TVのCMで、「サビを取って疲労感軽減」というサプリ(機能性表示食品)をよく見かけます。
サビを取るって、結晶性シリカなの?
エッ、まさか!
成分は、セサミン類とアスタキサンチンのようです。
パッケージや広告に記載されている届出表示(機能性の簡単な説明)には「抗酸化作用を持つセサミン類、細胞の抗酸化作用を持つアスタキサンチン・・・、疲労感を軽減する機能」とされています。
抗酸化というと酸化を防ぐと言うことだけど、「サビを取る」は酸化されたものを除去することではないかい?、ちょっと違うんでねぇ?
と言うわけで、真相究明すべく、機能性表示食品なので、早速、消費者庁のデータベースで、エビデンス調査です。
うーん、抗酸化作用についてはセサミン類、アスタキサンチンの作用、疲労感軽減についてはエネルギーを産生するミトコンドリアの機能低下作用について詳しく説明されています。ミトコンドリアの機能低下は酸化ストレスによるもので、酸化ストレスを低減することで機能回復(疲労感軽減)することのようです。
でも、サビを取るって、どこにも書かれてないよ-!
はて?
そもそも身体のサビって何?
体のサビは、金属が酸素と結合して変化(酸化皮膜形成)するのと同じく、細胞も酸素と結合して変化(酸化)した状態です。
細胞が酸化されるというのは、化学的にみれば、細胞を作っているタンパク質、もっと言えば、タンパク質を作っているアミノ酸が酸化されるということです。
タンパク質が酸化されると形が変化するので、細胞の働きが弱くなります。ミトコンドリアも細胞の中に存在する細胞小器官で、タンパク質(アミノ酸)の塊なので、酸化されるとエネルギーを作ってくれなくなる、つまり疲れる訳です。
どうして、身体の中で酸化がおきるの?
ミトコンドリアがエネルギーを作る時に酸素を使います。息を吸うのは酸素が必要だからです。この酸素のうち、0.1から2%は活性酸素種になると言われています。
活性酸素種というのは、その名の通り、反応性の高い酸素で、本来は身体に入ってきた病原菌をやっつける働きをするのですが、一部は身体の細胞にも攻撃をしてしまいます。
ミトコンドリアは自分で活性酸素種を作っておきながら、自分自身を傷つけてしまうのです。
ただ、身体の中にある活性酸素種を消すビタミンEなどの抗酸化物質が酸化-抗酸化のバランスを守ってくれています。ストレス(酸化ストレス)が強くなるなど様々な原因で酸化-抗酸化のバランスが崩れると酸化が進んでしまうわけです、
細胞が酸化されてしまうとどうなるのか?
以前にもブログで紹介したように、身体にはオートファジーとかユビキチン-プロテアソーム系などの機能があって、酸化された細胞やタンパク質を分解・除去してくれます。生命を維持(エントロピーに抗う)するために進化の過程で得られた素晴らしいシステムです。
このシステムが「サビを取る」ことだと思います。
機能性表示食品の資料では、セサミン類にはオートファジー活性化作用がある、との記載があります。確かに多くの論文があります(ユビキチン-プロテアソーム系との関係はなさそうです)。アスタキサンチンのオートファジー活性化についての記載はありませんが、文献検索してみると活性化するようです。
エビデンスはあるので「サビを取る」ということは間違いではないことは分かりましたが、セサミン類、アスタキサンチンのオートファジー活性化作用で疲労感軽減する、との説明はありません。
機能性表示食品のパッケージ表示や広告は、消費者庁へ届出された範囲内で、というのが原則なので、「サビを取る」という表現は、範囲を越えているように思えるわけで、説明不足なのはとても残念です。
広告宣伝は売れるため、です。が、誤解を招かないように、頭のサビを取って、考え直して欲しいですね。
僕みたいに難癖つける変人はそうはいないと思いますけど・・・。
何はともあれ、抗酸化、そしてオートファジー活性化は、健康長寿であるためのキーワードのようです。食事で摂ることができます。
ストレスを控え、バランス良い食事で120歳を目指しましょう。
昨日は、ギターの練習が認知機能維持に良いかについて書きました。
老化に伴う認知機能低下を防ぐことは健康長寿を全うする上で重要なことですが、ロコモやサルコペニア、フレイル(身体的、精神的、社会的)なども含めて俯瞰的に見て、ギターを弾くことが健康長寿の四原則(食事・運動・睡眠・笑顔)との関わりがどうなのか気になるところです。
今回は四原則のうち、食事と運動(ギターを弾くと栄養や筋肉がつくとか)は、直接は関係なさそうなので、睡眠について調べてみました。
結論から言えば、認知機能と同じく、ギターとの関連があるエビデンス(科学的根拠)を見つけることはできませんでした。
はて?
どうしてエビデンスにこだわるのか?
ブログという公の場で、ウソやゴマカシがあってはならないし、自分自身が120歳まで生きるためのモチベーションになるからです。
なるほど!
ヒトのエビデンスは、細胞を取ってどんな成分が影響していたか、なんて調べることは難しく、動物実験で細胞を取るとしても、運動ならトレッドミル(いわゆるウォーキングマシン)で走らせた影響なら調べることができますが、ネスミに“楽器を演奏させて”なんて無理。
なので、例えば、fNMRで脳のどこに変化があったかとか、電気の流れがどう変わったかなど機能的変化を調べるのが精一杯。それだけでも、根拠も無く○○が良いと言ってるよりはマシ。
そんな中で、まず、運動するとよく眠れると言うけど「ホンマでっか」、ということで、運動が睡眠に良いというエビデンスを一つ。
アイスランドの大学の研究、「習慣的な運動によって、最適な睡眠時間を確保し、不眠症の症状を軽減する」と、今年3月に論文発表しました。(BMJ Open 2024,14,e067197)
これは39~67歳の成人4,339人(男性48.1%)を対象に10年間の追跡調査で明らかになったもので、運動習慣は、週に2日以上、計1時間以上の運動をしていると回答した場合に「活動的」と定義しています。
具体的には、10年間常に活動的だった群は通常の睡眠時間(6~9時間)であることが有意に多く、短時間睡眠(6時間以下)や長時間睡眠(9時間以上)は有意に少なかったそうです。
有意に、というのは簡単に言えば「統計的に差がある」という意味です。
では、ギター演奏をもっと広く解釈して、音楽を聴くと高齢者の睡眠に影響するのか。当たり前のようですが、「就寝時に6本の45分間の鎮静音楽テープ(西洋音楽は5種類、中国音楽は1種類)の中から好きなものを選んで3週間聴いた結果、高齢者の睡眠の質の向上、睡眠時間の延長、睡眠効率の向上、睡眠潜時の短縮、睡眠障害の減少、日中の機能障害の減少という有意な改善をもたらす」という論文がちゃんとあります。「Music improves sleep quality in older adults:Journal of Advanced Nursing Research 19 January 2005」
高校の頃、琴のテープを聴きながら就寝していましたが、良かったのかな。今は、テープはどこかへ行ってしまった。
次に、音楽を“聴く”から“演奏する”に絞ると、高齢者がピアノトレーニング(楽譜を読む、演奏する)と他の余暇活動の認知機能、気分、QOL (生活の質)に対する効果を比較すると、ピアノのレッスンを毎日4ヶ月間受けると、ピアノトレーニンググループで有意な改善が見られた、という論文がありました。
やっぱり、ピアノが良いのか、というか、ギターレッスンの調査はないのか?
残念! そう言えば、ギター侍って言う人がいたな・・・。
話はずれますが、効率的にピアノのレッスンを受けるにはを、脳機能的解釈した解説が、「ピアニストのための脳と身体の教科書」が参考になります。
うん、楽器と睡眠の関係を調べていたら、科学的なレッスン法にも巡り逢えたぞ。
まず、レム睡眠(浅い眠り)が楽器演奏の記憶定着に良いそうです。一晩ぐっすり眠ってしまうより、ちょっと昼寝が良いのかも。
「Memory consolidation and reconsolidation: what is the role of sleep?:Trends Neurosci 28(8):408-415」
まあ、寝る前にジャンジャカできる人は、部屋の構造とか、楽器とかに限りがあるでしょうし、そもそも楽器演奏していたら交感神経が活発になって眠れなくなりそう(運動も同じ)。
それから、楽器演奏による筋肉への影響も研究されています。筋電図という装置を使って、筋肉の疲労しやすさを間接的に評価した結果、ピアニストは、速筋よりも遅筋の方が発達していることが分かった、というものです。遅筋は持久力に関わるので、手指の持久力を鍛えるには良いのかも知れません。ただし、健康長寿に関わるような筋トレにはなりませんね。
「EMG power spectrum analysis of first dorsal interosseous muscle in pianists. (Med Sci Sports Exerc 31(12):1834-1838)
一方、「指をどの順番で動かすか」を記憶するにつれて、運動野(運動に関連する脳の部位)の活動が強くなるそうです。脳トレにも良いようです。
「The acquisition of skilled motor performance: fast and slow experience-driven changes in primary motor cortex: Proc Natl Acad Sci U S A. 95(3):861-868」
また、Aパートを練習した直後にBパートを練習すると、Aパートの記憶が定着しないそうです。
僕は、ある曲を練習していて、上手く行かないと別の曲に移ってしまう、という癖があるので、これは良くないのだな、と思います。こまめに休憩を取りながら、一つの曲、パートに集中します。
「Reorganization and plasticity in the adult brain during learning of motor skills.: Curr Opin Neurobiol 15(2):161-167」
楽器演奏だけではなく、他の芸術もいろいろなことにに興味を持つこと、それによって社会と関わることができて、精神的、社会的フレイルの予防に繋がります。
僕の先輩方にも、元気に様々な行事に参加されていらっしゃる方がいます。とても心豊かな老い方(失礼!)だと思い、マネをしたいです。
目指せ!元気で心豊かな高齢者!
少し痛みは残っているので少し膝を休めた方が良いと健康長寿の神様のお告げなのかも知れません。
こんな時は室内でできる筋トレだけでも、と思い、スクワットは控えめにして上半身(上腕筋や大胸筋、と腹筋)の筋トレを続けています。
サルコペニア(筋肉の減少)予防には、大腿筋を鍛えるためにウォーキングだけでなく、筋トレを組み合わせることが効果的と言われているのですが、それは認知症予防でも同じです。
ウォーキングは血流を良くして脳へ酸素と栄養をしっかり届けることで認知機能の維持と向上の効果が期待できます。
筋トレで筋肉を刺激すると、新しい情報を一時的に記憶する海馬という脳の一部を活発化する脳由来神経栄養因子(BDNF)というタンパク質の分泌を促したり(Mol Med Rep. 2019, 19(2) 1074–1082)、脳のシナプスを保護し、記憶力を守ることが論文で報告されています(Nature Medicine, 2019, 25, 165–175)。
ウォーキングとスクワットを控えた分の穴埋めになるかなと、趣味と脳トレを兼ねて10数年振りに弾き始めたギターですが、初心者がつまづくと言われるセーハで止まってます。
セーハというのはフレット全部を人差し指で押さえるもので、押さえる力が足りないのか、手首が硬いのか、はたまた指が短くなった?のか。
セーハを制覇しなければ先へ進めないのであれば、脳トレにならないじゃないか、って思っていたら、楽器演奏が脳トレに良いって話は聞くけど、ギター演奏は本当に効果あるの?
はて?
そもそも続ける意味あるの?って早くも挫折の念が押し寄せてきてしまい、動機づけになるかとギター演奏と認知機能との関係にエビデンス(科学的根拠)があるのかを調べてみました。
・・・・・って、ないじゃん! 厳密に言えば、「Google Scolarで検索しても見つけることができかった!」
いや、楽器演奏というカテゴリーで言えば、鍵盤ハーモニカ(僕が子供の頃はピアニカと呼んでいた)が高齢者の認知機能を向上することを京都大学のグループが報告しています(Hum Brain Mapp. 2021 Apr 1; 42(5): 1359–1375.)。
平均年齢 73 歳の健常高齢者 66 人を対象にして、鍵盤ハーモニカのレッスンを4ヶ月受けたグループと受けなかったグループを比較すると、レッスンを受けた方で言語記憶が向上し、fMRI(脳機能を調べることができるMRI)で、脳活動に 神経処理効率化がみられた、というものです。
その他に、40歳以上を対象にした脳の老化や認知症発症との関連を調査したものでは、楽器演奏(特にピアノ)が、作業記憶と実行機能に良い結果をもたらした、ということが今年の1月に報告されています(International Journal of Geriatric PsychiatryVolume 39, Issue 2 e6061)。
ここで注意したいのは、「ギターで認知症予防」で検索すると、ギターレッスンスクールなどの案内ホームページがヒットしますが、これらはキーボードなどのギター以外の楽器演奏による効果の論文を引用しているだけです。
上記で紹介した2つの論文以外の、Google Scholarでヒットした論文も引用されていました。
これには僕も意外でした。
ギターが認知症予防に良い、というエビデンスがあるものだと思っていました。
正しいエビデンスとして、誰かギターの効果を検証してくれないかな、と願いつつ、右手と左手が違う動きをするのだから、キーボードの効果と同じだと思うことにします(結局はギターレッスンスクールと同じインチキを肯定します)。
何はともあれ、モチベーションにして練習に励みます。
問題は、セーハです。
押尾コータローさんのNHK「趣味Do楽」テキストには、弾きづらい場合は「エクストラ・ライトゲージ」という細い弦を使ってみるのも良い、と書かれています。
今はライトゲージという1ランク上のものを使っています。
友人から借りているエレキギターでは、セーハできるので、エクストラを使ってみるのもありか、と思うのですが、ギターがちゃんと弾けていた頃は、弦の太さはミディアムに拘っていました。
弦を押さえると、弦ダコができます。
弦ダコがしっかりできれば、セーハできると信じて、できる限りミディアムに近いライトゲージで頑張ろうと思っています。どうしても無理なら、エクストラにするしかないですね。
但し、弦はマーチンに拘りたい。ギター本体はモーリスでも、チューニングペグ(弦を巻くもの)はYAMAHA製で、弦はマーチンと拘ってきたので。
ちなみに、腸内環境の乱れが認知症と関係があるそうなので(Scientific Reports 2019, 9, 1008)、マイキンソーの結果も参考にして、120歳まで生きる脳を育てたいと思います。
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