長く座ったままでいるのは身体に良くないから動きなさい、というのは分かっているけど、高齢者にはどんな影響があるの?座る代わりに何をしたら良いの? 中国で行われた研究がヒントになりそうです。
中国温州医科大学が先月、6月11日にJAMA Network Openという科学専門誌に「Sedentary Behaviors, Light-Intensity Physical Activity, and Healthy Aging」というタイトルで研究成果を発表しています。
論文によると、慢性疾患(癌、糖尿病、心筋梗塞、うっ血性心不全、脳卒中、腎不全、慢性閉塞性肺疾患、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症など)のない50歳以上を対象にして、70歳になるまで最長20年間70歳を過ぎても健康だった人の調査で、座る代わりになるものとして、軽い強度の運動と、睡眠時間が短い人では睡眠も効果があるかも、らしいです。
健康的な加齢具合(主観的記憶障害、身体機能障害、精神的健康に問題がない)について、座っている時間(SB座ってテレビを視聴する、SB-W座って仕事する、SB-Hテレビ以外の目的で家で座っている)状態と、軽い運動(LPA-H自宅で立っているか歩く、LPA-W仕事で立っているか歩くいている)、中強度の運動(MVPA)や睡眠時間と比較しています。
SBが1週間に1時間以下の女性を基準と比較して、時間が長くなるほど健康的ではなくなり、SBが41時間以上では、オッズ比が0.55(つまり、健康具合が55%に減ったということは45%悪くなったということ)でした。SB-WやSB-Hでも同様の傾向があった、つまり、仕事であっても、テレビ以外であっても座りっぱなしというのは老化が進んでしまう、ということです。
一方で、LPA-Hでは、LPA-Hが1週間に1時間未満の人を基準とすると、LPA-Hが41時間以上の人はオッズ比は1.59(つまり、健康具合が59%増えたということは59%良くなった)でした。
1時間のテレビ視聴(SB)をLPA-Hに置き換えると、健康具合がオッズ比で1.08になり、LPA-Wならば1.10になり、さらにMVPAなら1.28で、運動が強くなるほど健康的になる、ということですね。
逆にMVPAを他と置き換えた場合には、全てにおいて健康的なオッズ比は有意な低下、つまり健康的ではなくなったということです。
睡眠については、睡眠時間が1日に7時間以下の人は、1時間のテレビ視聴時間(SB)をに睡眠に置き換えることで、健康的なオッズ比が1.11に増加、つまり11%健康度が上がったという結果だったようです。
以上をザックリまとめると、テレビを視て座っているくらいなら寝た方が良い、それよりも軽い運動、できれば自宅ではなく仕事で動く、さらには中強度の運動が健康的に老化できる、ということになります。
スマートウォッチを付けていれば、1時間くらい座りっぱなしにしている「立ち上がりなさい」と警告がでます。
梅雨時期は歩くのが億劫になるし、梅雨が明ければ猛暑、酷暑で家の中で涼しくということで億劫になるし、それを言い訳にしないで、熱中症に気をつけて身体を動かすように心掛けましょう。
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