朝晩は若干過ごしやすくなってきたものの、日中は厳しい残暑が続いています。
はて?
今年の残暑っていつまで続くの?
日本気象協会は、「残暑が長い見込み」と言っておりますが、いつまでは明言を避けています。
でも、○○日までは暑いと明確になったからと言って、残暑が過ぎるまでは避暑地で過ごそう、という訳にもいかず、どうしようもないですが、身体が持たないですよね。
お天気.comによると、立秋(8月7日頃)から秋分(9月23日頃)までの暑さを残暑と言い、立秋(8月7日頃)から秋分(9月23日頃)までの間に気温が「高い」こと、おさまらない暑さを『残暑が厳しい』と言うそうです。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる通り、秋分までは残暑に耐えていきたいです。
そこで気をつけたいのが、残暑を過ぎて過ごしやすくなってからの身体の不調です。夜も寝苦しい猛暑の夏は“夏バテ”を自覚できますが、お彼岸も過ぎて朝晩は過ごしやすくなってきたはずなのに(今は端境期)、体がだるく頭がぼっーとしてすっきりしない、食欲がない、 風邪をひきやすい、寝不足・寝つきが悪い、生理痛がひどい・・・こんな症状があったら、それは“秋バテ”かもしれません。
そもそも”バテる”というのは、「疲れ果てる」の「果てる」から出て、もとスポーツ選手などの間で用いられていた語」(webilioデジタル大辞典)だそうで、動けなくなるほど疲れる状態です。
ではどうして秋バテになってしまうのでしょうか。
まずは、朝晩と日中の寒暖差が大きいことが挙げられます。
9月1日以降の広島市の気温差は9~10℃くらいで推移していますが、最高気温は33℃以下に落ち着くかと思いきや、一昨日から逆戻りして昨日は35℃超えてしまい、やれやれです(広島県の過去のアメダス実況)。
最高気温が35℃を超え、気温差が10℃もあると、暑さと身体が気温の激しい変化に適応しようとして自律神経が乱れる、つまり交感神経と副交感神経のバランスが崩れて不調を感じるようになります。秋は寒暖差が大きいだけでなく、台風や低気圧などで気圧も上下しやすく自律神経が乱れやすくなります。今年は秋分までは耐えて、という訳には行かないようで、夏バテなのか、秋バテなのかよく分からなくなっています。
交感神経は身体を活動的にし、副交感神経はリラックスさせる神経です。交感神経が働くと血管は収縮し(血圧上昇)、胃の動きも弱まります。副交感神経の働きはその逆です。動物の本能として、獲物を捕まえるときに交感神経が働き、獲物を食べた後でリラックスするときに副交感神経が働くと考えると、自律神経のバランスが良く理解できると思いますので気温の変化が激しいと体温調節のために交感神経が働き続け、エネルギーを消耗します。
また、活動的になると身体はエネルギーを使って発生した熱を外へ出そうとして汗をかきますが※、この時、水分と一緒にミネラルや水に溶けやすいビタミンB群(エネルギー源)も一緒に出て行ってしまいます。また、冷たいものを飲むと胃は急激に冷えて血流が悪くなって運動機能が低下して消化不良で栄養不足に陥ります。強い紫外線を浴びることも身体にストレスがかかりエネルギーも失われます。さらに熱帯夜の不眠が拍車を掛けます。体力不足の人は夏バテを自覚したまま秋になってもずるずると引き摺ってしまいます。体力のある人は夏を乗り越えたと自信を持っていても、知らず知らずのうちにミネラル・ビタミン・エネルギー不足になっているので、秋になって燃え尽きてしまうので要注意です。
※ 交感神経はアドレナリンを分泌し、副交感神経はセチルコリンを分泌しますが、汗腺(汗を出すところ)は例外で、交感神経でもアセチルコリンが使われます。
交感神経が活発化は、血流が悪くなったり、尿の排泄が抑制されたりして体内の水分が溜まってしまうことも身体の不調(むくみや倦怠感、頭痛)を招く原因にもなります。俗に言う「気象病」です。
では、秋バテ(夏バテも)対策に何をすれば良いのでしょうか。
まずは寒暖差をできるだけ小さくすること。まだ熱中症警戒アラートが発出されるような日中では、エアコンを使うことが推奨されていますが、部屋の内外の気温差を5℃以内で調節しましょう。公共交通機関や公共施設などでエアコン設定ができないときは、カーディガンなどの衣服で調節可能です。朝晩と日中との寒暖差にも衣服調節で対応します。
また、リラックスするために副交感神経の活性化を補助するには、入浴や運動がお勧めです。気圧の変化は気温変化のように調節ができない場合も良いですね。ただし、激しい運動や熱いお風呂は交感神経を刺激してしまうのでNGです。
失われたビタミンを補うには、ビタミン剤などの医薬品やミネラル補給にはサプリメントで手っ取り早く、というのもありですが、やはり、その他の栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物(糖質、食物繊維))を一緒に摂るためにバランス良い食事とが一番良いと思います。
糖質をエネルギーに変える働きにより疲労回復に役立つビタミンB1 が多く含まれる食品には、豚肉、レバー、紅サケ、ごま、小豆、玄米、豆腐、さつまいも、そば、ほうれん草やグリーンピースなどがあります。タマネギやニンニクと合わせて摂るとビタミンB1の吸収率がアップします。
気をつけたいのは、東洋医学では食材には身体を温める作用のものと冷やす作用のものがあるとされていることです。これは温かい食べ物、冷たい食べ物ものということではありません。例えばコーヒーは身体を冷やす作用があるので、ホットで飲んでも身体を冷やすと言われています(深く焙煎されたものは”温”とする意見もあるようですが)。紅茶は温める作用があるので、アイスで飲んでも温まると言われています。
コーヒーや紅茶、緑茶は利尿作用があるカフェインを含み、水分を体から出してしまうので、熱中症対策にはならないので注意が必要です。水や麦茶が無難でしょう。
一般的に暑い夏に採れる野菜・果実は冷やす、冬野菜・果実は温める、と言われますが、使う際には念のためググってください。
私はこれまで、冷たいものを飲むときは、胃に負担を掛けないように意識して口の中で少し温めて飲んでいましたが、今年の夏は暑すぎて、ゴクゴクと飲んでしまうことが多かったです。秋バテまっしぐらかも。
交感神経のバランスが良ければ、熱中症予防として水分を多く摂っても不必要な水分は出て行くので大丈夫ですが、バランスが崩れてしまうと、東洋医学的には水毒という状態になります。この時は五苓散という漢方薬が良さそうです。お店でパッケージを見て気象病、天気痛のお薬だと思って買ったら、実は五苓散だったということもあります。
なるほど、
4月12日のブログ「生きるために必要なのはバランス~東洋医学を科学する~」にも繋がっているんだ。
最後に、
秋バテが長く続くようであれば、別の病気が隠れているかも知れないので、お医者さんへGoです。
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