健康長寿の窓口 (タロー8の脳腫瘍闘病記改め)

2009年に乏突起神経膠腫の手術を受け15年が経過したことを機にブログをリニューアル、健康長寿の情報を発信していきます。

アンメット~抗てんかん薬の予防投与 その2: 障害と就業

2024-05-22 18:52:49 | 日記

 抗てんかん薬投与についての投稿の続きです。

 ドラマで、てんかん患者が働いている会社の上司から、「夜勤を控えるという特別扱いはできない、しばらく休んだ方が良いのでは」と言われ、ミヤビが院長の付き添いので会社へ説明に行った、というシーンがありました(原作では、ミヤビが三瓶に付き添う)。院長が(原作ではミヤビが)、「抗てんかん薬投与で発作が抑えられていること、障害のある人は特別扱いして欲しいのではなく、周囲が正しく理解して欲しい」ということを訴えました。「正しく理解」という言葉にジーンと来ました。同僚達はむしろ、才能のある人の復帰を歓迎していて、そこでまたジーンと。

”正しく理解する”ことは、てんかんに限ったことではないと思います。私の場合、職場復帰後、しばらくは抗がん剤治療を続けていましたが、当時の周りの方々にご理解いただくことができて感謝です。

 

さて、脳腫瘍の手術後に、痙攣発作がなくても抗けいれん薬を飲み続ける必要があるかどうかについて少し調べてみました。

脳腫瘍って、どんな種類で、どのくらいの大きさで、どのくらい進行しているか、はもちろんですが、脳のどの位置にあるのかで人それぞれです。ので、てんかん発作の症状、薬の効果も様々のようです。私は、乏突起神経膠腫(オリゴデンドログリオーマ)おりごでんd、右前頭葉に4cmくらいのグレード2でした。主に、さわむら脳神経クリニックの澤村先生のホームページを参考に簡単にまとめてみました(主治医に質問するときの参考にもなるので)。

 長期的な予防投与は正当化されていない。予防的な投与が必要な場合、催奇形性リスクの少ない薬剤を選択し、適切な用量調整を行うことが重要。

  • 悪性度の高い腫瘍ほどてんかんを生じる確率が高い。
  • 低悪性度グリオーマ(乏突起神経膠腫グレード2が該当する)では6割以上,膠芽腫では5割程度の患者さんがてんかん発作を生じるといわれている。グリオーマの中でも特に乏突起膠腫はてんかん発作のリスクが高い。
  • 放射線治療で腫瘍が縮小や消失した時にもてんかん発作が改善することがある。
  • 乏突起膠腫ではテモゾロマイド化学療法で腫瘍が縮小するとてんかん発作が抑制される。
  • てんかん発作のない患者さんに対する脳腫瘍開頭手術前の予防的な抗てんかん薬投与は利点がないとされている。
  • てんかんのない脳腫瘍の患者に、てんかんの薬を予防的投与は原則的にはしない。
  • 運転免許をなくすと仕事ができなくなる患者さんには予防的投与をすることがある。
  • 腫瘍が治ってから薬を止められるかについては、学術的な結論は出ていない。
  • てんかんリスクが低い、長い間てんかんがない場合は、主治医と話し合って決める。
  • てんかんと車の運転免許の関係が問題。

う~ん、結局、ひとそれぞれか・・・。

 なお、抗てんかん薬の中で、現在服用しているラミクタール(ラモトリギン)が推奨されています。薬価が高いとされていますが、安価なジェネリックにしています。



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