非才無才の雄叫び

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「太平洋戦争の大嘘」という荒唐無稽38

2020-12-09 06:39:53 | 日記
続きです。

とにかく藤井氏は「反東京裁判史観」の論旨は一貫しているが、記
述は支離滅裂。各項目のタイトルを読む限り大筋異論はないが、詳
細な記述になると論理矛盾ばかりが目に付く。それをピックアップ
して、反論していくほかない。

この「日本は終戦のために水面下で動いていた」の項の後半に
ソ連の仲介を期待していた日本政府はポツダム宣言に対して当初
「黙殺」する方針を取り続けました
」と記述しながら
次の項「無条件降伏の要求が戦争を無駄に長引かせ、より残酷なも
のにした」では逆に「5月のドイツ降伏以降、日本は降伏のチャン
スをずっと待っていた
のであって、そこで撃ち方止めにすれば
よかったのです
」とルーズベルトの責任をあげつらう。

そして、この項の冒頭
・・・5月にはドイツが無条件降伏していました。・・・しかし、
解せないのは、無条件での降伏を日本に対しても求めたことです。
それはルーズベルトの強い個人的な意向だったと言われていま
す。・・無条件降伏の要求に、合理的な理由が特にあるとは思えません。


藤井氏は知っていながら、白々しく、こういう記述をわざと書く。
ドイツの「無条件降伏」と日本の「無条件降伏」が同じだったと。
ドイツの「無条件降伏」はヒトラーの自殺等で消滅した中央政府
に代わって、連合軍に降伏した将軍が降伏調印に臨んでいるので
「完全無条件降伏」といわれている。一方、日本はポツダム宣言を
受諾して、軍部の武装解除を日本政府が自らの手で行ない、日本政
府が降伏調印に臨んだ
ので「条件付無条件降伏」といわれている。
以下がウィキの記事
ルーズベルトの死後、後継となったハリー・S・トルーマンは
無条件降伏原則を維持すると発表したものの、日本に対する降伏要
求ではその方針を修正し、いわゆる「条件付き無条件降伏」の方針
をとることとなった。終戦に伴う日本国軍隊の降伏は無条件降伏
ある。日本国が受諾したポツダム宣言第13条には、日本国軍隊
の無条件降伏(と拒否を言明した場合、全滅に至るまでの攻撃を受
けるであろう事)が定められている。なお、日本国の無条件でない
点は注意を要する
」と明確だ。

「政治ジャーナリスト」ならば、これらの知識を読者に披瀝する
矜持がなくてはなるまい。それを「反東京裁判史観」のためには
なりふり構わず虚言に等しい言辞を弄する。情けない限りだ。

いちいち藤井氏が用いる文言に、反応したくもないが、ルーズベ
ルトのポツダムに臨む経緯と姿勢を調べれば分かることで、それ
を承知の上で藤井氏は「解せないのは」などと持論を展開するた
めに恣意的な記述に終始する。

ウィキの「無条件降伏」の第二次世界大戦の項
アメリカ政府内部での検討では、1942年5月6日に開かれた国務
省の安全保障問題小委員会の中ですでに検討されていた。この委
員会ではドイツと日本に対して無条件降伏を求めるという検討結
果を満場一致で可決した。42年1月1日の連合国共同宣言において
「敵国に対する完全勝利」という表現を用いていたルーズベルト
にとってこの報告は自らの考えに合ったものであり、この報告を
受けたルーズベルトはその結論に賛成するという意向を伝えた。
この背景には第一次世界大戦の終結が降伏という形を取らなかった
ためにドイツ人は敗戦を受け止めず今次の大戦に至ったという考え
と、ソビエト連邦に対独戦を最後まで戦い抜くというメッセージを
伝える目的
によるものであった。ルーズベルトは1943年1月7日
のアメリカ統合参謀会議の席上で、枢軸国に対して無条件降伏を
求める方針を、ソ連のヨシフ・スターリンとイギリスのウィンス
トン・チャーチル首相に伝達する意向を明らかにし、カサブランカ
会談の席上でチャーチルに伝達した。


ルーズベルトの強い個人的な意向だった。・・・無条件降伏の要
求に、合理的な理由が特にあるとは思えません
」と藤井氏は記述
しているが、国務省の小委員会は全会一致で日本・ドイツの「無
条件降伏」の決議を行っており、十分に「合理的な理由」があっ
たとある。
そしてルーズベルトの「無条件降伏」の解釈
ルーズベルトのカサブランカ会談後の説明では、「それ(無条
件降伏)は、ドイツ、イタリア、日本の国民の破滅を意味するので
はなく、他国民の征服と隷属に基礎をおくこれら諸国の哲学の破壊
を意味する
」としている。

またアメリカ国内は
これは当時、アメリカ世論がルーズベルト政権に対して「戦争の
早期終結のため枢軸国勢力と安易に取引するのでは?」と不信感
を抱いており、ルーズベルトはこの疑惑を払拭する何らかの意思
表示をする必要性から無条件降伏の原則を発表した。 ルーズベル
ト政権に疑惑が生じた背景には、その前年の1942年に米英軍が実
施した親ドイツ姿勢のヴィシー・フランスが支配する北アフリカ
への上陸作戦(トーチ作戦)がある。自国内でナチス・ドイツが
行うユダヤ人迫害政策に加担したヴィシー・フランス軍司令官フ
ランソワ・ダルランと、ルーズベルト政府が秘密裏に休戦交渉し
ていたことが露見、アメリカのマスコミに「ルーズベルトはファ
シズム勢力と妥協した」と激しく非難される経緯があった


というのがルーズベルト政権のアメリカ国内の事情。「強い個人
的な意向
」でないことは明らかで、さらに十分な「合理的な理由」
だったことが伺がえる。だが、これらの国内事情がなかったと
しても「個人的な意向」などと言うのは、「国際政治
ジャーナリスト」が一国の大統領の決断に使うものではない。
もし使うとすれば「独断」という文言しかない。

藤井君
虚偽、歪曲、創作と
なんでもありの記述は
生計を立てるために
事実であるかのような
小説を書き
後世の我々に
ぬぐい切れぬ恥辱を与えた
従軍慰安婦問題の
吉田某を
彷彿とさせる
「反東京裁判史観」どころか
禍根だけを残すことになるぞ
ま、それも君は気にしないか
トランプ流だもんな