ウ~ウ~ウ~ウ~、遠くで消防車のサイレンが鳴っている。
「あら、どこかで火事かしら?」
私はアパートの外に立ち、作業車で来るであろう人を待っていた。
アパートの敷地から道路を覗き込むも、まだ作業車?は見えない。
ウ~ウ~ウ~ウ~~、サイレンの音がだんだん近づいてきた。
「やだ、この近くかしら?いやね~!」
ウ~ウ~ウ~ウ~~~、 音はさらに大きくなる。
「え、え、え~~~!! まさか、、うち。」
そのまさかが、的中した!!
呆然と立ち尽くす私の前に、けたたましいサイレンとともに
消防自動車が2台、止まった。。
・・・十数分前・・・
東京下町の安アパートの一室で
生後2か月になる長男をあやしていた。
長男はよく飲み、よく寝てくれる手のかからない児だった。
時折見せる笑顔は天使そのもの。なんとも可愛い!
この子の為なら何でも出来ると思った。
ふと通路に面している窓に目をやると、
原付バイクの下が、丸く濡れているように見えた。
よくよく見ると、何か液体のようなものが
ぽと、と落ちるのが分かった。
「もし、ガソリンだったらどうしよう~。」
夫はその日、出張で会社にはいない日だった。
携帯電話など、ない時代である。
他に相談する人もいなかった。
「そうだ、119番に電話して処理の仕方を教えてもらおう!」
緊急でもないのに、119番通報するのは勇気が要った。
が、可愛い我が子に何かあってはいけない。
母は強しである。思い切って、黒電話のダイヤルを回した。
署員 「はい、こちら119番です。事故ですか?火事ですか?」
私 「い、いえ、お忙しいところすみません。実はかくかくしかじかで・・」
署員 「そうですか。事情は良く分かりました。では、誰かそちらに回しますので、
それまで外で待ってていただけますか?」
私 「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。」
・・・ それからしばらくして、、(話は戻ります)
けたたましい音とともに消防車が家の前に2台続けて停車した。
耐熱服に身を固めた消防隊員が、どたどたと私の前に走ってきた。
アパートの裏に住む大家が、血相変えてすっ飛んできた。
「火事はどこだ~~!!」
頭が真っ白になった私は、どんな説明をしたか覚えていない。
気が付くと、周りは黒山の人だかり!!
大した事が無いとわかると、
大家は引き上げ、消防署員は手早く処理をし、
「これはガソリンではないので大丈夫です。」
そう言い残して去っていった。
降って湧いたような野次馬もいつの間にかいなくなり、、
いつもの静寂が戻った。。
あっという間の出来事だった。
30年前の忘れえぬ思い出である。
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昨年の記事ですが、
昨日に続きロールカラーチュニックです。
ニットが違うとイメージも変わりますね。
膨れジャガードのロールカラーチュニック(カットソー生徒作品)いつもブログをご覧頂いて感謝申し上げます。 昨夜は眠いのに眠れず、仕方なく起き出してPCへ。 月に1~2度ですが、こんな事があります......
Ctrlを押しながらクリックして頂くと画面が変わりません