くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(1)【1章 予感】

2022-02-09 20:25:36 | 「狼おとこ」
         1 予感
 町はどことなくざわめいていた。
 普段ならいそがしく小走りな奥さん連中も、今日に限っては軒下で顔をつきあわせ、真剣な面持ちで話しに熱中していた。
 年に数えるほどしかやってこない吟遊詩人が去って行ったあとは、いつも町のあちらこちらでこんな光景が見られた。首都から遠く離れ、周囲も山々で囲まれているちっぽけな町では、各地を旅して歩く吟遊詩人のみやげ話が、それこそ最新の情報源だった。
 おとといまで、時季はずれに訪れていた詩人の話は、町の住人に不安の種を撒くようなものだった。祭りや、新年のはじまりなど、人々が心から祝い、楽しむ限られた日時にしかやってこない彼らが、余り歓待されないのを承知でこの町にやって来たのには、理由があった。
 彼らの見せ物は、屋外で行われる小さな演劇と、昔語りだった。それはごく普通の、みんながおとぎ話として見知っているものがすべてだった。たいして目新しくもない芸は、しかし不気味な影を模した登場人物を、新たに加えていた。
 物語に登場する妖精や魔女、そして魔術を持った人間までもが、黒い影に次々と消されていった。黒い影は、物語の中で最強なはずのドラゴンまでをも、目の前に十字架を突きつけるだけで打ち倒してしまった。勇敢な戦士が見得を切って終わるはずが、不敵な笑いを発するその影の呪いの言葉で、幕になってしまった。
 英雄的な物語に大喜びしたのは、年端も行かない子供ばかりだった。人々は表情を硬くし、感情的な物言いをするようになった。すべては、詩人達の芸が原因だった。

「町長さん。あんた、あの吟遊詩人の話をどう思うね」

「審問官の連中がこの町にやって来たら、この前のように多くの命が失われるかもしれんな――」

 グリフォン亭という名の宿屋の前でも、男達が町長を前に集まっていた。
「ただのうわさ話に決まってるさ。あんな詩人の話なんて、あてになるもんかよ」ちぇっ――。
 と、面白くなさそうに舌打ちする若者を制して、町長が言った。
「いや、どうも本当のことらしいんだ。うちの宿に泊まっているあいだ、よく話を聞いてみたんだが、大司教の命を受けた審問官が直々に各地を周り、異端者を裁判にかけているそうだ」
「で、もし噂が本当だとして、わしらはどうすればいいんじゃ」と、フランクじいさんが顔を紅潮させながら言った。
「相手が審問官では、こちらから出て行け、ということはできない。何事もないよう、今から町の住人に注意を呼びかけるのが精一杯だろう――」
「貴様、それでも町長か!」
 うなだれている男達を押しのけて、フランクじいさんが杖を手に町長へ詰め寄った。
 とっさに何人かが止めに入ったが、フランクじいさんは激しく杖で打ちかかり、羽交い締めにされてもなを、さらに一撃を加えようと男達を手間取らせた。
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後でも先でも

2022-02-09 20:23:38 | 「狼おとこ」

やれやれ、感染症でまたぞろお家時間が増えたせいか、

昔書いた手書きの原稿のこと思い出して、

仕事終わりの空いた時間で、コツコツ手を加えてみた。

タブレットとかパソコンとか、

身近にワープロがあれば、思いついた文章をすぐに書き残しておけるんだろうけど、

それ以前ならノートを持ち歩いて、メモを取るのが精一杯でしょ。

そのメモだって長文じゃないから、

ポイントになる単語をぽつぽつ書き残してるだけなんで、

罫紙を前にすると、何のことだか考えるのもたびたびだった。。

やっと文章にできたとして、読み返すと何だか気にくわなくて、

いまなら削除した文面もそれごと別に保存できるけど、

手書きだと、捨てればもう戻ってこないし、

二重線を引いて見え消しで残しておかないと、

前に書いた文章は二度と取り返せない。

はぁ。これ以上書いたら愚痴になっちゃう。

自分の文章だけど、ワープロソフトに入力するの大変だったんだわ。

Aとっくと1タローは最高の仲間だった。

だいたい全部で90コマくらいになるけど、お楽しみあれ。。


― 嵐「 Monster 」を聞きながら。
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よもよも

2022-02-09 06:14:54 | Weblog
やれほれ。

ニュース見ると札幌の大雪の話題ばっかだったけど、

遠く離れた東京にも、

とうとう木曜日くらいに雪が降りそうだって、

注意喚起してるみたいだね。

この冬ももうそろそろ終わりに近づいてるけど、

オリンピックは相も変わらず

誤審だ不審だって声が上がってるし、

ヨーロッパじゃ兵隊ぞろぞろ集めて鼻息荒くしてるみたいだし、

ここに来ておかしな事が続いてる気がしない??

新型感染症はまだ治まってないけどさ、

人間じゃないから、

世の中の人達は世界中一枚岩になってなんとか戦おうとするけど、

人間同士だと、そうはいかないんみたいだわ。

互いの下心が吹き出して、人間同士ぶつかり合おうとするんだわ。。

はぁ。ちゃんと春はくるんだろうか。

悲しみに染まった桜なんか見たくもないし、

ひょっとしたら、

桜も見られないほど、切羽詰まってるかもしれないぞXXX

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