知的成長戦略論-クールに生きる

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表現の自由のまとめ 2(ヘイトスピーチ)

2019年09月12日 | スキルアップ
ヘイトスピーチについて考える上で、
 憲法の考え方を知っておく
と役立ちます。

憲法は、
 国家権力を制限する
というものなので、
 個人対個人の場合は想定していない
ということです。

人権は、
 国家権力が国民の権利を保障しますよ
というものです。

よく、
 憲法に国民の義務の規定が少ない
と言っている人がいますが、
 立憲主義の憲法の考え方を知らない
わけです。


表現の自由は、
 国家(公権力)が国民の表現の自由を保障しますよ
ということです。

では、表現の自由は、個人間では全く保障されていないのか?というと、
 そうではない。

それが、
 憲法の私人間効力
という問題です。

 私的自治ないし契約自由の原則などへの配慮から、
 公序良俗違反(民法第90条)などの解釈・適用において、憲法の趣旨を考慮する。
これが、
 間接的効力説
という考え方です。

どういうことかというと、
 人権侵害にあたるような契約は公序良俗違反で無効だ
とすることで、
 憲法の趣旨を私人間に、間接的に取り込んでいく
ということです。

憲法の保障する人権は、
 私人間の場合には、一般条項を通じて、間接的に反映させる
ということです。



ヘイトスピーチをすることも、表現をすることである以上、
 表現の自由で認められています。

 誰かを傷つけてもいいのか!
 差別をしてもいいのか!
そんな批判がありそうです。

道徳的には、差別的は発言は、批判されることになりますが、
 道徳的問題と法的問題
を分けて、分析的に考察する必要があります。

国家が、
 その表現は、ヘイトスピーチだ
 だから、処罰する
ということになると、
 何が、「ヘイトスピーチ」かを明記していない
と、
 怖くて発言できなくなります。

これが、表現の萎縮的効果というものです。

戦前の日本の治安維持法下での取締りが、まさにそうです。

そのため、
 表現内容について、国家が判断し、規制する
ということは、
 憲法21条に反し認められない。

規定の仕方で合憲となりうるかもしれませんが、
 ハードルはかなり高い
と思います。

条例で、踏み込もうとしている自治体もありますが、
 違憲のリスク
という爆弾を抱えることになります。

ただ、日本の場合、付随的審査制といって、
 権利を侵害された人しか、
 違憲の判断を求めることができない
ので、
 具体的に審理される時期がいつになるか分かりません。

ヘイトスピーチをして、罰金を言い渡された人が、
 罰金の根拠となる条例が、表現の自由に違反して違憲であり、無効だ
 条例が無効である以上、無罪だ
という流れでしか、争えないのです。

 不利益を受けていない人が、この条例は違憲だから、憲法違反で訴える
ということはできないというわけです。


表現の自由市場という考え方や、
規制は少ない方がよいというリバタリアン的発想からすると、
 国家や公権力は、なるべく国民の表現活動の是非に立ち入らない方がよい
ということになります。

でも、それにより、
 傷ついた人はどうするの?

私人間では、
 表現する自由

 傷つく表現を聞きたくない自由
が対立します。

この対立を、公序良俗や不法行為など他の法律で調整するわけです。

ヘイトスピーチが特定の個人に向けられた場合には、
 名誉毀損罪、侮辱罪
など刑法の適用によって、
 ヘイトスピーチをする自由という表現の自由が制限されることを認める。

また、精神的な損害を受けたとして、
 不法行為(民法709条)
を構成する場合は、損害賠償請求が認められるということになります。


特定の個人に向けられたものではない場合には、
 法律の対応は難しくなる
わけです。

そうなると、
 こういう差別的表現をした
という表現で対応するということになります。
(社会的制裁)

最近は、ネットで社会的制裁、炎上が増えています。

しかし、匿名性などの問題から、ネットは制裁が過激になってしまいます。

過激になると、
 ネットへの規制の声が上がる
ので、
 中国のように、特定ワードが閲覧されないとか
 勝手に削除されるとか
といった介入を国家が行うようになるリスクもあります。


結局は、
 ルールを自分たちで作り上げていく
というのが理想です。

何でもかんでも法律やら条例で定めて、
 罰則付きでコントロールする
というのは、
 息苦しくなる
からです。


 冷静で大人の対応
が重要というわけです。

もちろん、
 冷静で大人の対応

 言いなりになる
ということは異なります。

相手がおかしな行動を取ったら、
 きちんと異議を唱える。

異議を唱えてもだめなら、
 制裁を加える。

今、日本は、少しずつですが、
 韓国との付き合い方を変えている
ようです。


ただ、
 差別したり、侮辱したりする
ことがよくないことは明らかです。

差別や侮辱は、
 どの人種に対しても行ってはならない
わけです。

問題は、韓国が反日政策をとることにより、
 問題を複雑化している
ということです。
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