当たり前の毎日

朝、隣の部屋から聞こえる携帯の目覚まし。


嫁さんが階段を寝ぼけながら降りていく音。

台所のドアが閉まる。

もう一眠り…

子供達の目覚ましの音、降りていく足跡。

「こっちゃーん！早く降りてきなー！」
また今日もこっちゃんは二度寝したらしい。

おいらも身体を起こす。

おいらの部屋のドアの外には今日もネネが待ってて、
ニャーニャー言いながら付いてくる。

「おはよう」
「おはよう」
「ニャー」
「はいはい、ネネもおはよぅ」

おいらは着替えを取りに台所を通り過ぎて居間に行く。


「ほらぁ、こっちゃんはいいから、早く食べちゃいなさい」
「はぁーい」
またムクれてら…

用意されたお弁当と水筒を持って
「んじゃ行ってきます」
玄関まで付いてくる嫁さん。

「たぶん帰り早いから学童迎えいくよ」

「うん、行ってらっしゃい」


今日も続く朝の風景、音、匂い……


これが来月には無くなってしまう……

「指先からこぼれていく砂のよう」

そんな古臭いフレーズがしっくりくるような毎日に、

まだまだ慣れることはできません。

男は弱いねえ……