日曜日の朝、10:37電話が鳴った。
親父の血圧が下がり、重篤な状態だとの事だった。
今月の15日、いとこからLINEがあり、親父がガンで余命1ヶ月だと知らされた。
もう親父とは長い間会っていない。
上野あたりで浮浪者をした後、某区役所にお世話になり、生活保護を受けながらガンとアルコール依存性の治療をしているという事は知っていた。
親父がアパートで苦しんでいたところを発見され、その時のガンの摘出手術をするため、親族の許可が欲しいと主治医の先生からの電話を受けたのが1999年と2002年。
様々な紆余曲折がありその後の連絡は取っていなかった。
その前から会っていないとなると少なくとも16年だ。
18日に某区役所の民生員の方と病院のケースワーカーの方とそれぞれ電話で話し、
今後、本人に余命告知をした上で、本人が会いたいと願えば会うという事で話をしておいた。
その矢先、の事であった。
夕方もう一度電話があった時には「今医師によって死亡確認している」という事だった。
月曜日の今日、電車で行く事も考えたが、バイクで行く事にした。
病院はとても広く綺麗で、緑も多く鳥もさえずり、敷地内にいると都内である事が信じられない。
通された病室で整理してもらいたいという「遺品」は着替えを入れても小さめのスポーツバッグに入りきった。
貴重品と言われた指輪や時計、手帳や障害者手帳、バスの定期券など以外のほとんどの物は処分してもらう事にした。
霊安室に横たわる親父は黄疸のせいか、なにか人でないような感じがした。
魂が抜けた「身体」という容れ物はこうゆうものなのかと冷静に考えている自分がいた。
葬儀等も役所にお任せするという事を決めていたので、役所が手配してくれた葬儀社の方が来るまで親父に話しかけた。
二人でいれる時間は30分なかった。
真白い布に包まれて「仏様」になった親父が霊柩車に乗せられていく。
今生の別れはあまりにあっけなく、
霊柩車がすぐ角を曲がって見えなくなった。
手帳に書いた「家族」の住所には北海道の叔父二人と都内に住む叔母の名前があった。
おいらの名前の表記はどこにもなかった。
現実はドラマみたいに優しくはないよな、と思った。
2015.5.24 16:06 享年65歳
66歳の誕生日を一週間後に控えての永眠。
いい親父じゃなかったなぁ。
反面教師な事しかしないでさ。
おいらもいい息子じゃなかったなぁ。
親父の葬式も出さねえでさ。
親不孝な息子でゴメン。
せめて安らかに眠ってくれや。
親父の血圧が下がり、重篤な状態だとの事だった。
今月の15日、いとこからLINEがあり、親父がガンで余命1ヶ月だと知らされた。
もう親父とは長い間会っていない。
上野あたりで浮浪者をした後、某区役所にお世話になり、生活保護を受けながらガンとアルコール依存性の治療をしているという事は知っていた。
親父がアパートで苦しんでいたところを発見され、その時のガンの摘出手術をするため、親族の許可が欲しいと主治医の先生からの電話を受けたのが1999年と2002年。
様々な紆余曲折がありその後の連絡は取っていなかった。
その前から会っていないとなると少なくとも16年だ。
18日に某区役所の民生員の方と病院のケースワーカーの方とそれぞれ電話で話し、
今後、本人に余命告知をした上で、本人が会いたいと願えば会うという事で話をしておいた。
その矢先、の事であった。
夕方もう一度電話があった時には「今医師によって死亡確認している」という事だった。
月曜日の今日、電車で行く事も考えたが、バイクで行く事にした。
病院はとても広く綺麗で、緑も多く鳥もさえずり、敷地内にいると都内である事が信じられない。
通された病室で整理してもらいたいという「遺品」は着替えを入れても小さめのスポーツバッグに入りきった。
貴重品と言われた指輪や時計、手帳や障害者手帳、バスの定期券など以外のほとんどの物は処分してもらう事にした。
霊安室に横たわる親父は黄疸のせいか、なにか人でないような感じがした。
魂が抜けた「身体」という容れ物はこうゆうものなのかと冷静に考えている自分がいた。
葬儀等も役所にお任せするという事を決めていたので、役所が手配してくれた葬儀社の方が来るまで親父に話しかけた。
二人でいれる時間は30分なかった。
真白い布に包まれて「仏様」になった親父が霊柩車に乗せられていく。
今生の別れはあまりにあっけなく、
霊柩車がすぐ角を曲がって見えなくなった。
手帳に書いた「家族」の住所には北海道の叔父二人と都内に住む叔母の名前があった。
おいらの名前の表記はどこにもなかった。
現実はドラマみたいに優しくはないよな、と思った。
2015.5.24 16:06 享年65歳
66歳の誕生日を一週間後に控えての永眠。
いい親父じゃなかったなぁ。
反面教師な事しかしないでさ。
おいらもいい息子じゃなかったなぁ。
親父の葬式も出さねえでさ。
親不孝な息子でゴメン。
せめて安らかに眠ってくれや。