めったに見ないアオサギが来て、公園の池で魚を獲っていた。
寒くなって池に泳ぐ魚の影も見えなくなったが、野鳥にはちゃんとみえるらしい。
池に入り、周囲に注意を払う。
危険がないか見渡し、安全を確認しているようだ。
抜き足差し足、静かに移動し、首を伸ばしてじっと水中に目を凝らす。
見ているこちらがじれてくるほど、辛抱強くチャンスを待っている。
いきなり頭から水に突っ込む。
捕まえた!
鯉の子供だろうか、20cmぐらいの魚をくわえている。
ごっくん。
飲み込んだ魚が通り過ぎて行く喉元が太くなる。
獲物を狙っているときの鋭い目と異なり、その目は満足げなやさしい目に変わった。
一方が命を繋ぐために一方が命を失う。
今日もまた、野生の世界の一端を見た。