広島県の城跡を巡る旅は一日目に福山城を観た後、次の予定地「郡山城」(安芸高田市)の近くに泊った。
広島県の北部、安芸高田は既に紅葉がきれいな時期になっている。
「神楽門前湯治村」は、なつかしさを感じる一昔前の温泉場の雰囲気を再現した温泉・宿泊施設である。
この地の伝統芸能「ひろしま安芸高田神楽」の観覧施設も備わっていて、土日を中心に行われる公演は人気があるようだ。
ここが入口になる。
建物の並ぶ裏山は既に紅葉が見ごろを迎えている。
温泉施設(天然ラドン温泉)
宿泊客は無料で利用できる。
灯かりの点いた夜の街並み。
宿泊棟(旅籠)、食事処、土産物屋、蕎麦屋などが並ぶ。
通りには、浴衣にはんてんを羽織った客が鳴らす下駄の音が、カランコロンと聞こえてくる。
神楽の観覧施設「神楽ドーム」
現在、市内には22もの神楽団があるようである。
ひと風呂浴びた後は、食事処で会席料理の夕食となる。
まずは、冷えたビールで乾杯。
食前酒の一杯の梅酒が食欲を増す。
並べられた前菜や刺身、煮物などをつまんでいるうちに、広島の「牡蠣」の入った鍋も煮えてくる。
続いて「本日の御献立」に従って、次々料理が運ばれてくが、焼き物の出るころ日本酒に替える。
お酒のリストを見ると地酒の銘柄がいろいろ載っているなかで、選んだのは賀茂泉酒造の「朱泉」。
「炭素ろ過をしていないので、うすい黄金色をしている」、といわれても私には理解不可能。
確かに、わずかに黄金色をしている。
ご飯に赤だし、香の物が運ばれてくるころ、既に「腹いっぱい」の状態である。
なんとそのあとのデザートは、あの「もみじ饅頭」が出てきた。
さすがこれには手が出ず、部屋にかえってお茶でも飲みながら・・・ということにした。
施設(旅籠)の周りには、歓楽街があるわけでもなく、もちろん輝くネオンなど見えるはずもない。
一歩出れば山が迫り、他には何もない。
部屋、食事など、いずれも贅沢なものではないにしても、温泉に浸かり一杯やり、思い切り手足を伸ばしてゆったりした時間を過ごすことができたのは何よりであった。
二日目の郡山登山(毛利元就の居城跡)に十分な英気を養うことができた。