57歳から始めるレンタルカートの世界

唄う物書きアマミヤユキト57歳で人生初のレンタルカートデビュー。

2021 ジュニアカート選手権 西地域第2戦 FP-Jr 決勝

2021年04月22日 | 2020年レース
4月18日(日)に神戸スポーツサーキットで開催されました、
『全日本カート選手権 西地域 第2戦』
今回は、同時開催のジュニアカート選手権を見ていきましょう。

すごいドラマが生まれましたよ❗️❗️

と、その前に……。ここでプチ解説。
僕は今までこのブログの中で、
『全日本ジュニアカート選手権』と、あえて言ってきましたが、
正式な呼び名は『ジュニアカート選手権』
実は、かんむり部分に『全日本』の呼び名がついていないのです。
なんでだろう? と僕は今まで疑問に思ってきました。
というのも、このクラス。
まさに全国トップクラスのジュニアの戦いなのです。
地方の『SLレース』やサーキット主催の選手権シリーズで、優勝経験を持つ選手たち。
あるいはすでに『シリーズチャンピオン』の称号を持つジュニアたちが全国から集結して、その腕を競うのです。
全日本は、まさに特別❗️ そして、独特の緊張した雰囲気があるのです。
ピット風景の動画を撮りましたので、その緊張感が伝われば、と思います。
全日本カート選手権ピット風景

僕はこのブログを
『昨日までカートを知らなかった人たち』
『カートってなんなの?』
という人たちにも、分かりやすいようにと心がけて書いています。
なので、ジュニアカート選手権も、あえて
これは紛れもなく、『全日本なんだよ』と言った方が、一般ピープルにも分かりやすい、と思ったのです。
さて、前置きが長くなりました。
ジュニアカート選手権の『FPジュニアクラス』を見ていきましょう。
参加できる年齢は、今年12歳の誕生日を迎えるジュニアたち。上限は15歳未満です。
僕が注目しているのは、地元、神戸スポーツサーキットの
『チームナガオ』からエントリーしている、佐藤こころちゃん。13歳。
僕は朝のタイムトライアルが終わった頃、佐藤さんパパにご挨拶に伺いました。

チームナガオの青いジャケット姿が、こころちゃんパパですよ。
実は、佐藤さん、僕のブログを見てくれていて、
『もう、体調の方は、大丈夫ですか?』とニコニコしながら僕を気遣ってくれました。
すいません、本当に。
ご心配かけちゃって。🙏 😊😊
さて、全日本の緊張感の中、佐藤さんリラックスしてニコニコ。
というのも、こころちゃん、タイムトライアルは1位通過なのです。おおっ❗️

これは嬉しいよね。
この後、午前中の予選ヒートでは、こころちゃん、3位で車検場に帰ってきました。

ひとセッション終わるごとに車検があり、ここで最低重量の違反がないか、などがチェックされます。
どっこらしょっと、カートを持ち上げ(カートはおとな2人いれば持ち上がります)


ふむふむ、こころちゃん、マシンのフィーリングや挙動をパパに伝えているようです。
ダンロップとエクスジェルのロゴが入ったレーシングスーツ、かっこいいね。
***
FPジュニアクラスのレギュレーションでは、
タイヤはダンロップのワンメイク。
エンジンはお馴染みのYAMAHA空冷2サイクル100cc KT100エンジンの無改造ワンメイク。
なお、エンジンはデリバリー制、と言って、朝一番に主催者から貸し出されるのです。

このため、朝のピットは、エンジンの取り付けやタイヤの取り付けなど、めちゃくちゃ忙しい、修羅場と化すのです。
シャシーについては自由に選べます。
こころちゃんは、『EXPRIT』のシャシーに乗っています。
***
お昼の休憩時間が来ました。
ジュニアの選手たちは、あっけらかんと、お昼ご飯を美味しそうに食べてることが多いです。
しかし、ご両親などは、もう緊張のあまり、食事が喉を通らない、という状況。
午後からは、いよいよ決勝戦。ところが、俄かに雲行きが怪しくなってきました。

ここで佐藤さんファミリーとメカニックチームが、
『動きました!!』
なんと、決勝直前にドライ用スリックタイヤから、レインタイヤに履き替えます。

『これは、大ギャンブルだ!』と、僕は思いました。
まだ雨は降っていないのです。
路面は乾いた状態。
決勝戦は『20LAP』走らなければなりません。
僕はスマホのアプリで雨雲レーダーを見ました。
兵庫県神戸市の西側には、確かに雨雲がぎっしりありました。
これが何分後に神戸スポーツサーキットの真上にやってくるのか?
本当にこれは難しい『しびれる』判断ですね。
ただ、雨が降るのは間違いない、と僕は思いました。
そして……。
2021 ジュニアカート選手権 西地域第2戦 FP-Jr 決勝

こころちゃん、スタート後、頑張ってはいましたが、そこはレインタイヤの悲しさです。
本来、雨の中で使うタイヤをドライ路面で走るのはかなり無理がありました。
どんどん順位が下がります。
とうとう最後尾になってしまいました。
しかし、彼女は決して諦めることなく、冷静に走りました。
やがて運命の雨が降ってきました。
そして奇跡は起きました。
佐藤こころ選手が履くレインタイヤは、まさに『水を得た魚』でした。
面白いように、スイスイと前の車をパッシングしていきます。
レースは激しい雨の中、17周で赤旗、中断。そのまま終了となりました。
佐藤こころ選手。見事優勝をもぎ取りました。
佐藤さんファミリー、チームの皆様、
まさに
『してやったり❗️』の優勝でした。
本当におめでとうございます。
拍手パチパチ👏👏👏👏👏

合わせて、この難しいコンディションの中、
最後までスピンすることなく走り切った、ジュニアの選手たちにも大きな拍手を! パチパチパチ👏👏👏👏👏
***
僕はふと、思いました。
『佐藤こころちゃんて、何回奇跡を起こすんだろう❓❗️』
そうです、昨年の全日本ジュニア西地域第3戦
8月23日。同じく神戸スポーツサーキット。
佐藤こころ選手。予選ヒートでペナルティを受け10秒加算されてしまいました。
決勝は最後尾スタート。
この時の僕のブログ記事はこちら
ここで奇跡が起きたのです。
佐藤こころ選手、ドライコンディションでは、まず、あり得ないだろうという、いわば
『逆転サヨナラホームラン』
をカートレースでやってのけたのです。
そしてジュニアカート選手権史上、初の女性ウィナーとして、日本のカートレース史上に名前を刻みました。
彼女はカート専門誌『ジャパンカート』の表紙も飾りました。

そして、今回、雨の中の大どんでん返し❗️ 逆転優勝❗️❗️
う〜ん、こころちゃんって、『何か持ってるよね』としか言いようがありません。
本当にこんなすごいレースを、間近で目撃できて、ぼくも幸せです。


本文、一部写真の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2021
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