空には蒼い月。
濡れ縁には酒で満たされた一つの小瓶と、揃いの杯が二つ。
そこに座するのは、一人の小さな影。
チェギョンは月を見上げて小さく息を吐いたのだった。
「待たせたな」
その言葉と共に現れたのは、長身の影。
チェギョンの大切な夫君イ・シンだ。
「シン君はいつも待たせた過ぎよ」
出逢った頃と変わらない可愛らしい笑顔でそう言うチェギョンに、シンもその頬に緩やかな笑みを浮かべた。
「ハハハ、悪かった」
そう言いながら小瓶を挟んでチェギョンと対になる位置に、腰を据えたのだった。シンが器に手を伸ばすと、チェギョンがすかさず波々とその杯を満たした。
「おぉ。貸せ」
そう言うとシンはチェギョンから小瓶を受け取った。チェギョンが両手で包むように杯を持つと、今度はシンが酒を波々と注いだのだった。
「では、乾杯」
シンは一息で干すと、リラックスした、ため息をはいた。
一方、チェギョンは舐める程度におさめたのだった。
「今日は、どうした?」
「ん?」
"たしなむ程度"のチェギョンのペースが悪いことを、シンは指摘した。
「久しぶりだから」
「そうか」
シンはそう言うと、チェギョンの横顔を眩しそうに眺めたのだった。
濡れ縁には酒で満たされた一つの小瓶と、揃いの杯が二つ。
そこに座するのは、一人の小さな影。
チェギョンは月を見上げて小さく息を吐いたのだった。
「待たせたな」
その言葉と共に現れたのは、長身の影。
チェギョンの大切な夫君イ・シンだ。
「シン君はいつも待たせた過ぎよ」
出逢った頃と変わらない可愛らしい笑顔でそう言うチェギョンに、シンもその頬に緩やかな笑みを浮かべた。
「ハハハ、悪かった」
そう言いながら小瓶を挟んでチェギョンと対になる位置に、腰を据えたのだった。シンが器に手を伸ばすと、チェギョンがすかさず波々とその杯を満たした。
「おぉ。貸せ」
そう言うとシンはチェギョンから小瓶を受け取った。チェギョンが両手で包むように杯を持つと、今度はシンが酒を波々と注いだのだった。
「では、乾杯」
シンは一息で干すと、リラックスした、ため息をはいた。
一方、チェギョンは舐める程度におさめたのだった。
「今日は、どうした?」
「ん?」
"たしなむ程度"のチェギョンのペースが悪いことを、シンは指摘した。
「久しぶりだから」
「そうか」
シンはそう言うと、チェギョンの横顔を眩しそうに眺めたのだった。