価値

夕方のお散歩をしながら

ふと空を見ると

東の上空を

雲が真っ二つに切り裂いてた、ように見えた

あまりにも珍しいので

全体がどうなってるのかを見たくなり

おにいちゃん犬を少し誘導しつつ

東に向かっていくけど

こんな田舎町でも

建物は増え続けて

どこまで行っても

その全体像はわからない

昔はただ空を見ただけで

遠くの山まで見渡せたのに

今ではこんなに空が切り取られて

都会とそんなに変わらない気がした

あの小さくていびつで

真夜中まで真っ白な空が苦手で

田舎暮らしを選んだけれど

結局どこも同じになっていく


むかしまだ物が十分になかったころは

きっと何もかもが欲しいとがんばって

時間と労力とお金を費やした

そして今は

「なにもない」場所を求めて

私たちは時間と労力とお金を費やす

所詮ないものねだり

私たちはいつだって

希少価値を追い求める

そして

ちょっとばかり行き過ぎる

きっとバランスが大切なんだろうけど

そこは欲に目がくらんでしまって

ちょうどよさがわからない

そうして

もっと大切な何かを

失っていく

永遠に


まっすぐな雲が教えてくれたことは

ちょっとばかり奥が深そう

でも

忘れてはならないこと

この先の

未来のために・・・



遊びに来てくださって、ありがとうございました