ハフポストの記事がアップされるのを待っている。その記事とは、《北朝鮮
「平昌平和攻勢」の舞台裏(5)鍵は「スウェーデン」と「韓成烈」という男》
の完結編である。その概要はきのう本ブログで紹介したが、この記事はまだ完
結しておらず、続編がある。その続編を首を長くして待っているのだが、なか
なかアップされる気配がない。
しかし、これまでのところからも、国際政治の現状に関して、重要な事実を知
ることができた。一般化して言えば、ある国が大きな政治的方針を打ち出す場
合、その方針は国家のトップによって(上から下へと)一方的に下されるので
はないということである。その方針が打ち出されるまでには、(外交官のよう
な)下部組織の当事者がその実現可能性を調べたり、実現すべく関係国のカウ
ンターパートと折衝したりする、さまざまな紆余曲折の動きが必要となる。そ
の動きが情報として上層部に上げられ、この(下から上への)情報が、先の
(上から下への)指示と何度か突き合わされた後に、当初の方針は(ほとんど
決まったものとして)やっと国際政治の表舞台に登場することになるのである。
米朝交渉の場合も同様である。「アメリカとの対話の扉を開く」という方針
も、「北朝鮮との対話の扉を開く」という方針も、金正恩やトランプの一存で
うち出されたものではない。うち出されるまでには、それぞれの国の外交担当
者の情報収集や、カウンターパートとの折衝の紆余曲折があったに違いない。
そこにスウェーデンの外交筋が密接にからんでいたというのは、私には思って
もみない新鮮な情報だった。
さて、ハフポストの記事の続編の代わりに、次のような情報を入手した。
防衛省は、ロシア軍の爆撃機が日本列島に沿ってほぼ一周したため、自衛隊機
を緊急発進させました。
ロシア軍の爆撃機「TU-95」が3機、24日午後に樺太付近から日本海を飛行し
ました。その後、そのうちの2機が対馬海峡から東シナ海を経て沖縄本島と宮古
島の間を通過し、太平洋側に出ました。さらに、ロシア軍機は日本列島に沿う
形で太平洋側を飛行し、オホーツク海から日本海側へ抜けました。防衛省は自
衛隊機を緊急発進させて対応にあたりましたが、領空侵犯はありませんでした。
ロシア軍機が日本列島をほぼ一周する長距離飛行を行ったのは1年ぶりで、防衛
省は警戒監視を一層、強める方針です。
(テレ朝ニュース 1月25日)
軍事と政治を同一視することはできない。軍事には機密がからむから、情報伝
達は「上から下へ」の一方通行であることが多いだろう。それにしても、この
時期のロシア軍爆撃機の動きは何を意味しているのか。言うまでもなくロシア
は、南北朝鮮統一計画の黒幕である。米朝直接対話の実現可能性がゼロに近く
なり、南北統一計画が挫折しつつある今、ロシアは何を考え、どう動こうとし
ているのか。爆撃機を日本近海に飛ばすことによって、ロシアは何をアピール
しようとしているのだろうか。謎であり、不気味である。
「平昌平和攻勢」の舞台裏(5)鍵は「スウェーデン」と「韓成烈」という男》
の完結編である。その概要はきのう本ブログで紹介したが、この記事はまだ完
結しておらず、続編がある。その続編を首を長くして待っているのだが、なか
なかアップされる気配がない。
しかし、これまでのところからも、国際政治の現状に関して、重要な事実を知
ることができた。一般化して言えば、ある国が大きな政治的方針を打ち出す場
合、その方針は国家のトップによって(上から下へと)一方的に下されるので
はないということである。その方針が打ち出されるまでには、(外交官のよう
な)下部組織の当事者がその実現可能性を調べたり、実現すべく関係国のカウ
ンターパートと折衝したりする、さまざまな紆余曲折の動きが必要となる。そ
の動きが情報として上層部に上げられ、この(下から上への)情報が、先の
(上から下への)指示と何度か突き合わされた後に、当初の方針は(ほとんど
決まったものとして)やっと国際政治の表舞台に登場することになるのである。
米朝交渉の場合も同様である。「アメリカとの対話の扉を開く」という方針
も、「北朝鮮との対話の扉を開く」という方針も、金正恩やトランプの一存で
うち出されたものではない。うち出されるまでには、それぞれの国の外交担当
者の情報収集や、カウンターパートとの折衝の紆余曲折があったに違いない。
そこにスウェーデンの外交筋が密接にからんでいたというのは、私には思って
もみない新鮮な情報だった。
さて、ハフポストの記事の続編の代わりに、次のような情報を入手した。
防衛省は、ロシア軍の爆撃機が日本列島に沿ってほぼ一周したため、自衛隊機
を緊急発進させました。
ロシア軍の爆撃機「TU-95」が3機、24日午後に樺太付近から日本海を飛行し
ました。その後、そのうちの2機が対馬海峡から東シナ海を経て沖縄本島と宮古
島の間を通過し、太平洋側に出ました。さらに、ロシア軍機は日本列島に沿う
形で太平洋側を飛行し、オホーツク海から日本海側へ抜けました。防衛省は自
衛隊機を緊急発進させて対応にあたりましたが、領空侵犯はありませんでした。
ロシア軍機が日本列島をほぼ一周する長距離飛行を行ったのは1年ぶりで、防衛
省は警戒監視を一層、強める方針です。
(テレ朝ニュース 1月25日)
軍事と政治を同一視することはできない。軍事には機密がからむから、情報伝
達は「上から下へ」の一方通行であることが多いだろう。それにしても、この
時期のロシア軍爆撃機の動きは何を意味しているのか。言うまでもなくロシア
は、南北朝鮮統一計画の黒幕である。米朝直接対話の実現可能性がゼロに近く
なり、南北統一計画が挫折しつつある今、ロシアは何を考え、どう動こうとし
ているのか。爆撃機を日本近海に飛ばすことによって、ロシアは何をアピール
しようとしているのだろうか。謎であり、不気味である。