ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

森友文書と火遁の術

2018-03-27 10:23:30 | 日記
ネットから手に入れた豆知識である。「捨て奸(すてがまり)」と呼ばれる
戦法をご存知だろうか。ネット情報によれば、これは、関ヶ原で島津軍が
とった戦法で、「主将が逃げ切るために、追撃してくる敵の前に部下を順番
に残して死ぬまで戦わせ、自分が落ち延びる時間を稼ぐ」といったものであ
る(NEWSポストセブン《安倍氏への引導、首相経験者軍団が官邸乗り込み退
陣勧告検討》)。

この戦法は、思うに、(子供の頃、講談本か何かで知った)忍者の「火遁の
術」を大掛かりにしたものではないだろうか。なにせ子供の頃の話である。
記憶が曖昧なので、ウィキペディアで確かめてみた。「火を利用して敵の注
意をそらす術。藁や薪に火をつける。火薬を用いて火矢や火車剣を飛ばすな
ど。忍者の流派によっては火薬の扱いに長けており、火薬を利用した忍術が
あった」とある。

さて、きょうのテーマは、忍者の話でも、昔の兵法の話でもない。風雲急を
告げる、現代日本の政治情勢の話である。ネタ元のネット記事によれば、
「ちょうど1年前、森友疑惑が最初に噴出したとき、安倍首相はこの戦法
(捨て奸)を成功させた。稲田朋美・元防衛相や「震災が東北でよかった」
の今村雅弘・元復興相ら、失言・スキャンダル大臣を次々に更迭し、自身の
疑惑から逃げ切った」。そして今、安倍首相は再燃した森友疑惑を目前にし
て、この「捨て奸(すてがまり)」の戦法を用いようとしているのだという。

だが、この比喩は必ずしも正鵠を得たものではない。稲田の役や今村の役
は、閣僚自らが招いたものであり、たしかに森友疑惑からの目くらましや煙
幕として機能した(役にたった)が、これらの役それ自体は、安倍首相が意
図して起こしたものではないからである。

ただ、そのことを別にすれば、安倍首相が今、森友疑惑から逃げるために、
「捨て奸(すてがまり)」の戦法を用いようとしているという話は、なるほ
どと納得できる話ではある。というのも、安倍自民党は今、(自衛隊を明記
した)改憲案を提示し、野党や国民を相手に、ことさら改憲論議を巻き起こ
そうとしているからである。

安倍自民党がことさらこのタイミングで持ち出した改憲問題は、はたして森
友疑惑から野党や国民の目を逸らすための煙幕なのかどうかーー。よく考え
れば、この「火遁の術」説は当たっていないようにも思える。森友疑惑が再
燃した今、安倍自民党の支持率はガタガタと急落し、改憲のための国民投票
は勝利できるかどうか、甚だおぼつかないのが現状である。こうしたことを
考えれば、今は改憲を切り出すには最悪のタイミングであり、したがって改
憲問題は、森友問題とは別に、それ独自のスケジュールに沿って動いている
のだ、と見なしたくもなる。

さて、森友疑惑と改憲問題。きょうは話題の人物、佐川某の証人喚問が行わ
れる日で、国民の目はすっかり森友疑惑に注がれている。この疑惑と、もう
一つの大問題、改憲問題との関係は、一体どうなのだろうか。安倍首相は燃
えさかる森友問題を前にして、「火遁の術」を使おうとしているのだろうか。
コメント
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