ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

悪の存在理由

2018-03-18 15:57:18 | 日記
修道院のような空気の清浄な世界(といっても、私は行ったことがないけど)
から、久々にこの娑婆の世界へと戻ってくる。するとこの娑婆の世界は、な
んと薄汚く、異常な出来事に満ちあふれているように見えることか。政権の
悪事を知りすぎた男・籠池某は(口封じのためか)異常に長期にわたり、牢
獄に閉じこめられ、公僕であるはずの財務官僚は、政権の僕となって、その
存続のために公文書を改ざんする。一度だけ政権に弓を引いた男・前川某は、
後々までふるまいを監視され、地方の一中学校で行った講演の内容にまで
チェックの手が及ぶ。日本はああ、さながら末世の様相を呈している。

汎在神論(パンエンテイスム)だったか、この世のすべてが神の内にあり、
神の意思の力に支配されているのなら、なぜこれほど理不尽なことばかりが
世にはばかるのか。井上神父なら、この弁神論(神義論)問いにどう答える
だろうか。

「磁石を動かせば、たしかに砂鉄はそれに従って動きます。しかし、泥や砂
は動きません。」そう答えるだろうか。
「この世に悪が存在せず、波風が立たない穏やかな日だけだったら、おそら
くあなたのような人は、物足りなく思い、この世に飽きてしまうでしょう。
悪があるからこそ、善のすばらしさ、穏やかな日々のすばらしさが引き立つの
です。」
こんなふうに答えたのは、ライプニッツの『弁神論』だったか。

我がアベ首相が泥や砂の類(たぐい)なのか、善を引き立たせるスパイスの
類なのか、そんなことは私の知ったことではない。ただ、この人の所業が私
にとって、恰好の暇つぶしのネタになっていることは確かなのだけれど。
コメント
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