軍拡路線に舵を切った岸田政権の政策転換については、様々な見方があり得る。この政策転換は近隣諸国の軍拡競争を呼び覚まさないだろうか、と懸念する私は、諸手をあげてこれに賛同する氣にはなれない。
これに対して、国防を重視し、軍拡路線を歓迎する極右の立場からすれば、岸田政権のこの政策転換は、「よくぞやった!」と称賛すべきものに映るに違いない。
私は安直にそう考えていた。
ところがである。極右思想の持ち主と思しきある人のブログを見て、私は驚きを禁じ得なかった。この人のブログは、時おり、思ってもみない鋭い見方を提示することがあり、私が刺激を求めて、たまに覗いたりするいわばカンフル剤のようなものなのだが、このブログのある日のタイトルは《岩盤保守を裏切った親中派の岸田首相》というものだった。
「岩盤保守」とは、国防を重視する極右層を指す言葉なのだろうが、このタイトルは、この「岩盤保守」を裏切ったトンデモな政治家として岸田首相を批判のやり玉にあげているのである。
どういうことか。
このブログの筆者は、岸田首相が軍拡路線を押し進めるために、増税の方針をワンセットで打ち出したことをやり玉にあげていた。「軍拡のために大幅増税を!」ということになれば、当然、多数の国民から「増税反対!軍拡反対!」の声が湧きあがる。自民党議員の大方も、次の総選挙に勝利するため、国民多数派の支持を得ようと考えるから、こぞって「増税反対!」の声を上げるだろう。
狡猾な岸田首相は、党内外のこの反対の声を口実にして、軍拡路線を撤回しようとしている。(自分のことしか考えない、浅はかな)国民の多数派を盾にして、(国防の充実を望む)「岩盤保守」を封じ込めようとしているのである。これは、「親中派」の岸田首相が「中国に気を遣っている」からにほかならない。
なるほど。この見方にもたしかに一理はある。けれども私には、岸田首相がそこまで高度な政治的スキルの持ち主だとは思えないのである。(もし岸田氏がそういう高度な政治的スキルを持っていたら、伝統ある宏池会の領袖であるこの男は、もっと早く自民党総裁(=日本国総理)の座を射止めていたに違いない。)
岸田首相を「国士を裏切った狡猾な策士」として捉えるこのブログの筆者と、私は見解を異にする。ま、このブログの筆者の一癖ある見方も、おもしろく、捨て難いのだけれども。
これに対して、国防を重視し、軍拡路線を歓迎する極右の立場からすれば、岸田政権のこの政策転換は、「よくぞやった!」と称賛すべきものに映るに違いない。
私は安直にそう考えていた。
ところがである。極右思想の持ち主と思しきある人のブログを見て、私は驚きを禁じ得なかった。この人のブログは、時おり、思ってもみない鋭い見方を提示することがあり、私が刺激を求めて、たまに覗いたりするいわばカンフル剤のようなものなのだが、このブログのある日のタイトルは《岩盤保守を裏切った親中派の岸田首相》というものだった。
「岩盤保守」とは、国防を重視する極右層を指す言葉なのだろうが、このタイトルは、この「岩盤保守」を裏切ったトンデモな政治家として岸田首相を批判のやり玉にあげているのである。
どういうことか。
このブログの筆者は、岸田首相が軍拡路線を押し進めるために、増税の方針をワンセットで打ち出したことをやり玉にあげていた。「軍拡のために大幅増税を!」ということになれば、当然、多数の国民から「増税反対!軍拡反対!」の声が湧きあがる。自民党議員の大方も、次の総選挙に勝利するため、国民多数派の支持を得ようと考えるから、こぞって「増税反対!」の声を上げるだろう。
狡猾な岸田首相は、党内外のこの反対の声を口実にして、軍拡路線を撤回しようとしている。(自分のことしか考えない、浅はかな)国民の多数派を盾にして、(国防の充実を望む)「岩盤保守」を封じ込めようとしているのである。これは、「親中派」の岸田首相が「中国に気を遣っている」からにほかならない。
なるほど。この見方にもたしかに一理はある。けれども私には、岸田首相がそこまで高度な政治的スキルの持ち主だとは思えないのである。(もし岸田氏がそういう高度な政治的スキルを持っていたら、伝統ある宏池会の領袖であるこの男は、もっと早く自民党総裁(=日本国総理)の座を射止めていたに違いない。)
岸田首相を「国士を裏切った狡猾な策士」として捉えるこのブログの筆者と、私は見解を異にする。ま、このブログの筆者の一癖ある見方も、おもしろく、捨て難いのだけれども。