自民党の改憲案はうまくまとめられている。きのうの本ブログで、私はそ
う書いたが、ホントにそう言えるかどうか、もう一度検討してみよう。
自民党の憲法改正推進本部が提出した案は、基本的に安倍首相案に沿い、第
9条の第1項(戦争放棄)と第2項(戦力の不保持)を維持しようとするも
のであった。ただ、このままでは自衛隊違憲論との衝突が避けられない。
「自衛隊は、保持できないはずの『戦力』に当たり、これを保持することは
憲法違反になるのではないか」という異論に対処する必要が生じてくる。
そこで、自民党は、こうした異論に対処すべく、以下の文言を付け加えるの
である。
「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つため
に必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律
の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者と
する自衛隊を保持する。」
つまり、自民党の改憲案は、第9条の第2項で「戦力の不保持」をうたいな
がら、同時に「国家の平和と独立」および「国民の安全」を不可侵の自然権(当然の権利)として主張し、これを守るための「実力組織」として、自衛
隊を憲法上に位置づけるのである。
う〜む、やはりよく考えられているではないか。戦後、日本が堅持してきた
専守防衛の理念だが、自民党の改憲案は、これをパラフレーズして、憲法の
条文に書き込んだと言ってよい。
安倍首相は1年ほど前、憲法改正に関するメッセージを公にして、次のよう
に述べている。
「自衛隊は違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ」
というのは、あまりにも無責任です。
(日本経済新聞1917年3月15日)
首相が目論む憲法改正は、自衛隊違憲論を退けることに主眼をおいている。
今回の自民党改憲案は、その眼目をクリアできているだろうか。今後は、こ
の点をめぐって、ああでもない、こうでもないと、喧々諤々の議論が戦わさ
れることだろう。私は、今回の自民党案は大筋で間違っていないのではない
かと見ている。むしろ議論に精力を費やすべきは、「国家の平和と独立」や
「国民の安全」を守るために、ではどこまでの武力行使が許されるのか、と
いったことではないだろうか。
う書いたが、ホントにそう言えるかどうか、もう一度検討してみよう。
自民党の憲法改正推進本部が提出した案は、基本的に安倍首相案に沿い、第
9条の第1項(戦争放棄)と第2項(戦力の不保持)を維持しようとするも
のであった。ただ、このままでは自衛隊違憲論との衝突が避けられない。
「自衛隊は、保持できないはずの『戦力』に当たり、これを保持することは
憲法違反になるのではないか」という異論に対処する必要が生じてくる。
そこで、自民党は、こうした異論に対処すべく、以下の文言を付け加えるの
である。
「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つため
に必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律
の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者と
する自衛隊を保持する。」
つまり、自民党の改憲案は、第9条の第2項で「戦力の不保持」をうたいな
がら、同時に「国家の平和と独立」および「国民の安全」を不可侵の自然権(当然の権利)として主張し、これを守るための「実力組織」として、自衛
隊を憲法上に位置づけるのである。
う〜む、やはりよく考えられているではないか。戦後、日本が堅持してきた
専守防衛の理念だが、自民党の改憲案は、これをパラフレーズして、憲法の
条文に書き込んだと言ってよい。
安倍首相は1年ほど前、憲法改正に関するメッセージを公にして、次のよう
に述べている。
「自衛隊は違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ」
というのは、あまりにも無責任です。
(日本経済新聞1917年3月15日)
首相が目論む憲法改正は、自衛隊違憲論を退けることに主眼をおいている。
今回の自民党改憲案は、その眼目をクリアできているだろうか。今後は、こ
の点をめぐって、ああでもない、こうでもないと、喧々諤々の議論が戦わさ
れることだろう。私は、今回の自民党案は大筋で間違っていないのではない
かと見ている。むしろ議論に精力を費やすべきは、「国家の平和と独立」や
「国民の安全」を守るために、ではどこまでの武力行使が許されるのか、と
いったことではないだろうか。