昨日、正確には前々日の夜だ。エアコンをつけっぱなしで寝てしまい、風邪を引いてしまった。天気予報も昨日は雨を告げ、そんな事から、これまでNHKのプレミアムシアターを録画してきたものの中からボリス・ゴドノフのオペラを見ることにした。
このオペラもTVの印象を強くうけている。初めてこのオペラを知ったのは1965年東京オリンピックの終わった翌年に「スラブオペラ」と銘打って、東京文化会館でエフゲニー・オネーギンなどとともに、ベオグラード歌劇場、ソフイア歌劇場の有力歌手を集め、幾つかの舞台が演じられた。
その中で当時のNHK教育TVの白黒画面の我が家の14インチの四隅のかけたブラウン管から、このオペラが現れた。他にも中継されたのだろうが、私には、ボリス・ゴドノフを演じたミロスラヴ・チャンガロヴィチの声量と演技に圧倒され、ロブロ・フォン・マタッチのグイグイ引き込んでいく音楽に魅了されたのを覚えている。このオペラをみたことと、同時期に観たソ連版の映画ハムレットでのロシア語の響きに感動し、大学に行ったらロシア語を学ぼうと思った程だ。しかしロシア語は大学に入学して直ぐに挫折した。
東京文化会館のアーカイブから当時の出演者をさがした。
日時1965年09月17日(金)
会場東京文化会館大ホール
ムソルグスキー : ボリス・ゴドノフ
出演
【ボリス・ゴドノフ】 ミロスラヴ・チャンガロヴィチ
【フョードル(ボリスの息子)】 マイダ・ラディッチ, ルージャ・ポスピシュ
【クセニヤ(ボリスの娘)】 ミルカ・クラリッチ, ネヴェンカ・ペトゥコヴィチ
【クセニヤのうば】 バデマ・ソロコヴィチ
【シュイスキー公爵】 フラーニョ・パウリック
【シチェルカーロフ(書記官長)】 マリヤン・ブヤニッチ
【ピーメン(僧、年代記編さん者)】 ニコラ・ギュゼレフ, トミスラヴ・ネラリッチ
【グリゴリー(いつわりのディミートリーとなる。ピーメンが養育中)】
リュボミール・ボドゥロフ, ズヴォニミール・プレルチェッツ
【指揮】 ロヴロ・フォン・マタチッチ
【演出】 ヴラドー・ハブネック
【美術】 ボシュコ・ラシツァ
【合唱指揮】 ミロ・ベラマリッチ
【プロンプター】 アルトゥール・ゲルブ
【振付】 ネヴェンカ・ビジン
【衣装】 ヴァンダ・パヴェリッチ
【演出助手】 スタンコ・ガシュパロヴィチ
【管弦楽】 NHK交響楽団
【合唱】 ザグレブ国立歌劇場合唱団
【バレエ】 ザグレブ国立歌劇場バレエ団

Christoff, Boris (Bass), Alexieva, Ana (Mezzo Soprano), Georgieva, Ekaterina (Soprano),
• 指揮者 : Cluytens, Andre, Cluytens, Andre
• 楽団 : Orchestre de la Societe du Conservatoire Paris, Sofia National Opera Chorus
直ぐにレコードが欲しくなったが、当時の全曲盤はとても高校生の小遣いでおいそれと買えるシロモノではなかった。当時神田神保町の交差点近くにあった、ミューズ社で輸入盤の中古のハイライト盤を見つけたときは嬉しくて翌日有り金を持ち出し購入した。確か1500円だったと思う。
このLPは録音だからこそ成し得た、ボリス、クリストフが主役ゴドノフのほかピーメン、ワラームの三役を演じハイライト盤のLPはその名場面を収録したものだった。

・ムソルグスキー:歌劇『ボリス・ゴドゥノフ』ハイライト
ボリス:ニコライ・ギャウロフ(Bs)
ピーメン:マルッティ・タルヴェラ(Bs)
ワルラーム:アントン・ディアコフ(Bs)
マリーナ:ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(S)
シェイスキー公:アレクセイ・マースレンニコフ(T)
フョードル:オリヴェラ・ミリャコヴィツ(Ms)
クセニヤ:ナジェイダ・ドブリアーノヴァ(S)
ニキーティキ:グレゴリー・ラデフ(Bs)
ミチューハ:レオ・ヘッペ(Br)、他
ウィーン少年合唱団
ソフィア放送合唱団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1970年11月、ウィーン(ステレオ)
就職して札幌勤務になった時にかねてから欲しかったカラヤンとウィーンフィルの組み合わせのボリスのハイライト盤が1千円シリーズとして売りだされすぐに飛びついた。しかしこのLPはあまりにも美しく、ムソルグスキーのもつ荒々しさがそがれ、音楽も、歌もきれいに流れ、白黒TVで感動したものはなかった。このLP以後正直ボリス・ゴドノフはロシア語同様我が身から遠ざかり現代音楽とモーツアルトへの比重を加速していった。

歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」(抜粋)(ドイツ語歌唱)
Boris Godunov (excerpts) (Sung in German)
テオ・アダム - Theo Adam (バス)
Roswitha Trexler (ソプラノ)
Karl Friedrich Holzke (テノール)
ジークフリート・フォーゲル - Siegfried Vogel (バス)
Martin Ritzmann (テノール)
Hannelore Kuhse (ソプラノ)
Wilfried Schaal (バス)
ペーター・シュライアー - Peter Schreier (テノール)
ライプツィヒ放送合唱団 - Leipzig Radio Chorus
シュターツカペレ・ドレスデン - Dresden Staatskapelle
ヘルベルト・ケーゲル - Herbert Kegel (指揮者)
この作品のURL
1980年代後半は日本のバブル経済のながれで、円高が進み輸入CDが安く大量に入ってきた。そんな中で東ドイツのCDがドイツ語でスラブオペラを演じたセットがあった。この内容は正に1965年に来日スラブ歌劇場の演目が網羅されていたが、いずれもハイライト盤だった。1972年録音のテオ・アダムの歌うホリスがあった。テオ・アダムもさることながらこのCDはヘルベルト・ケーゲルの指揮するドレスデンのゼンパーオパーが吠えまくるオーケストレーションがまるで交響詩のように唸りまくっているのが今でも凄さをかんじている。

ボリショイ劇場1978年
・ムソルグスキー:歌劇『ボリス・ゴドゥノフ』全曲
エフゲニー・ネステレンコ(ボリス・ゴドゥノフ)バス
ウラディスラフ・ビアフコ(グレゴリー、偽ディミトリ)テノール
イリーナ・アルヒーポワ(マリーナ)メゾ・ソプラノ
ガリーナ・カリニーナ(クセーニャ)、他
ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団
ミハイル・ハイキン(指揮)
オリジナル製作:レオニード・バラトフ
収録:1978年、ボリショイ劇場(ライヴ)
収録時間:170分
画面:カラー、4:3
音声:ドルビー・デジタル・ステレオ
結局ボリス・ゴドノフ全曲を聞けたのは、最初にFBI Warningと赤い表示の出てくる、ボリショイオペラが最初だった。明らかにVTRからのダビングでDVDとはいえ画像は荒く音声表示は5・1Chになっているがひきこもり、演奏当時のソ連国家の技術水準の低さがモロにでている。
しかし最大の欠点は字幕がなくロシア語だけの点だ。ただ2000年初頭にはこれしか全曲盤のDVDはなかったはずだ。

ボリス:オルリン・アナスタソフ
クセーニャ:アレッサンドラ・マリアネッリ
フョードル:パヴェル・ズボフ
グリゴリー(偽ドミトリー):イアン・ストーリー
ピーメン:ウラディーミル・ヴァネーエフ
シュイスキー公爵:ピーター・ブロンダー
アンドレイ・シチェルカーロフ:ヴァシリー・ラデュク
ヴァルラーム:ウラディーミル・マトーリン
ミサイール:ルカ・カサリン
トリノ王立劇場管弦楽団&合唱団
ジャナンドレア・ノセダ(指揮)
演出:アンドレイ・コンチャロフスキー
収録時期:2010年10月7日、10日、13日
収録場所:トリノ王立劇場(ライヴ)
先般NHKのプレミアムシアターで放映されたボリスは期待を裏切る見事な出来栄えだった。演出もオーソドックスで、ボリス役のアナスタソフも表情・動きともに素晴らしかった。ノセダの指揮も適度の緊張感で重くならずに快適なテンポで進み、正攻法のオペラを久しぶりに味わった。
このオペラもTVの印象を強くうけている。初めてこのオペラを知ったのは1965年東京オリンピックの終わった翌年に「スラブオペラ」と銘打って、東京文化会館でエフゲニー・オネーギンなどとともに、ベオグラード歌劇場、ソフイア歌劇場の有力歌手を集め、幾つかの舞台が演じられた。
その中で当時のNHK教育TVの白黒画面の我が家の14インチの四隅のかけたブラウン管から、このオペラが現れた。他にも中継されたのだろうが、私には、ボリス・ゴドノフを演じたミロスラヴ・チャンガロヴィチの声量と演技に圧倒され、ロブロ・フォン・マタッチのグイグイ引き込んでいく音楽に魅了されたのを覚えている。このオペラをみたことと、同時期に観たソ連版の映画ハムレットでのロシア語の響きに感動し、大学に行ったらロシア語を学ぼうと思った程だ。しかしロシア語は大学に入学して直ぐに挫折した。
東京文化会館のアーカイブから当時の出演者をさがした。
日時1965年09月17日(金)
会場東京文化会館大ホール
ムソルグスキー : ボリス・ゴドノフ
出演
【ボリス・ゴドノフ】 ミロスラヴ・チャンガロヴィチ
【フョードル(ボリスの息子)】 マイダ・ラディッチ, ルージャ・ポスピシュ
【クセニヤ(ボリスの娘)】 ミルカ・クラリッチ, ネヴェンカ・ペトゥコヴィチ
【クセニヤのうば】 バデマ・ソロコヴィチ
【シュイスキー公爵】 フラーニョ・パウリック
【シチェルカーロフ(書記官長)】 マリヤン・ブヤニッチ
【ピーメン(僧、年代記編さん者)】 ニコラ・ギュゼレフ, トミスラヴ・ネラリッチ
【グリゴリー(いつわりのディミートリーとなる。ピーメンが養育中)】
リュボミール・ボドゥロフ, ズヴォニミール・プレルチェッツ
【指揮】 ロヴロ・フォン・マタチッチ
【演出】 ヴラドー・ハブネック
【美術】 ボシュコ・ラシツァ
【合唱指揮】 ミロ・ベラマリッチ
【プロンプター】 アルトゥール・ゲルブ
【振付】 ネヴェンカ・ビジン
【衣装】 ヴァンダ・パヴェリッチ
【演出助手】 スタンコ・ガシュパロヴィチ
【管弦楽】 NHK交響楽団
【合唱】 ザグレブ国立歌劇場合唱団
【バレエ】 ザグレブ国立歌劇場バレエ団

Christoff, Boris (Bass), Alexieva, Ana (Mezzo Soprano), Georgieva, Ekaterina (Soprano),
• 指揮者 : Cluytens, Andre, Cluytens, Andre
• 楽団 : Orchestre de la Societe du Conservatoire Paris, Sofia National Opera Chorus
直ぐにレコードが欲しくなったが、当時の全曲盤はとても高校生の小遣いでおいそれと買えるシロモノではなかった。当時神田神保町の交差点近くにあった、ミューズ社で輸入盤の中古のハイライト盤を見つけたときは嬉しくて翌日有り金を持ち出し購入した。確か1500円だったと思う。
このLPは録音だからこそ成し得た、ボリス、クリストフが主役ゴドノフのほかピーメン、ワラームの三役を演じハイライト盤のLPはその名場面を収録したものだった。

・ムソルグスキー:歌劇『ボリス・ゴドゥノフ』ハイライト
ボリス:ニコライ・ギャウロフ(Bs)
ピーメン:マルッティ・タルヴェラ(Bs)
ワルラーム:アントン・ディアコフ(Bs)
マリーナ:ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(S)
シェイスキー公:アレクセイ・マースレンニコフ(T)
フョードル:オリヴェラ・ミリャコヴィツ(Ms)
クセニヤ:ナジェイダ・ドブリアーノヴァ(S)
ニキーティキ:グレゴリー・ラデフ(Bs)
ミチューハ:レオ・ヘッペ(Br)、他
ウィーン少年合唱団
ソフィア放送合唱団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1970年11月、ウィーン(ステレオ)
就職して札幌勤務になった時にかねてから欲しかったカラヤンとウィーンフィルの組み合わせのボリスのハイライト盤が1千円シリーズとして売りだされすぐに飛びついた。しかしこのLPはあまりにも美しく、ムソルグスキーのもつ荒々しさがそがれ、音楽も、歌もきれいに流れ、白黒TVで感動したものはなかった。このLP以後正直ボリス・ゴドノフはロシア語同様我が身から遠ざかり現代音楽とモーツアルトへの比重を加速していった。

歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」(抜粋)(ドイツ語歌唱)
Boris Godunov (excerpts) (Sung in German)
テオ・アダム - Theo Adam (バス)
Roswitha Trexler (ソプラノ)
Karl Friedrich Holzke (テノール)
ジークフリート・フォーゲル - Siegfried Vogel (バス)
Martin Ritzmann (テノール)
Hannelore Kuhse (ソプラノ)
Wilfried Schaal (バス)
ペーター・シュライアー - Peter Schreier (テノール)
ライプツィヒ放送合唱団 - Leipzig Radio Chorus
シュターツカペレ・ドレスデン - Dresden Staatskapelle
ヘルベルト・ケーゲル - Herbert Kegel (指揮者)
この作品のURL
1980年代後半は日本のバブル経済のながれで、円高が進み輸入CDが安く大量に入ってきた。そんな中で東ドイツのCDがドイツ語でスラブオペラを演じたセットがあった。この内容は正に1965年に来日スラブ歌劇場の演目が網羅されていたが、いずれもハイライト盤だった。1972年録音のテオ・アダムの歌うホリスがあった。テオ・アダムもさることながらこのCDはヘルベルト・ケーゲルの指揮するドレスデンのゼンパーオパーが吠えまくるオーケストレーションがまるで交響詩のように唸りまくっているのが今でも凄さをかんじている。

ボリショイ劇場1978年
・ムソルグスキー:歌劇『ボリス・ゴドゥノフ』全曲
エフゲニー・ネステレンコ(ボリス・ゴドゥノフ)バス
ウラディスラフ・ビアフコ(グレゴリー、偽ディミトリ)テノール
イリーナ・アルヒーポワ(マリーナ)メゾ・ソプラノ
ガリーナ・カリニーナ(クセーニャ)、他
ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団
ミハイル・ハイキン(指揮)
オリジナル製作:レオニード・バラトフ
収録:1978年、ボリショイ劇場(ライヴ)
収録時間:170分
画面:カラー、4:3
音声:ドルビー・デジタル・ステレオ
結局ボリス・ゴドノフ全曲を聞けたのは、最初にFBI Warningと赤い表示の出てくる、ボリショイオペラが最初だった。明らかにVTRからのダビングでDVDとはいえ画像は荒く音声表示は5・1Chになっているがひきこもり、演奏当時のソ連国家の技術水準の低さがモロにでている。
しかし最大の欠点は字幕がなくロシア語だけの点だ。ただ2000年初頭にはこれしか全曲盤のDVDはなかったはずだ。

ボリス:オルリン・アナスタソフ
クセーニャ:アレッサンドラ・マリアネッリ
フョードル:パヴェル・ズボフ
グリゴリー(偽ドミトリー):イアン・ストーリー
ピーメン:ウラディーミル・ヴァネーエフ
シュイスキー公爵:ピーター・ブロンダー
アンドレイ・シチェルカーロフ:ヴァシリー・ラデュク
ヴァルラーム:ウラディーミル・マトーリン
ミサイール:ルカ・カサリン
トリノ王立劇場管弦楽団&合唱団
ジャナンドレア・ノセダ(指揮)
演出:アンドレイ・コンチャロフスキー
収録時期:2010年10月7日、10日、13日
収録場所:トリノ王立劇場(ライヴ)
先般NHKのプレミアムシアターで放映されたボリスは期待を裏切る見事な出来栄えだった。演出もオーソドックスで、ボリス役のアナスタソフも表情・動きともに素晴らしかった。ノセダの指揮も適度の緊張感で重くならずに快適なテンポで進み、正攻法のオペラを久しぶりに味わった。
偽りのディミートリーを歌うリュボミール・ボドゥノフのスピントな美声と美貌、そして若々しいメゾ、多分当時22歳ぐらいでしょうか、ルージャ・ポスピシュの豊麗な声にも魅せられました。
しかし、ボドゥロフは慈善演奏会で見て、唖然、禿げていたのです。髪の毛はほんの少し・・・当時の女性ファンは「100年の恋もさめた」感じと言う雰囲気だったそうです。でもこのテノールの声は素晴らしかった!
メゾのポスピシュはその後イタリア人と結婚、バルダーニという名前で有名になりました。
これは映像は発売されていません。最近再放送があったことも知りませんでした。
イタリアオペラがDVDになったし、これもDVDで発売を期待したいです。私もgooで「ベッラ・カンタービレ」というブログを書いています。
今日はスラブオペラを検索していて、偶然貴ブログにオジャマしました。うれしかったです。