とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

激安CD

2006年08月31日 | クラシックCD
HMVのホームページを覗いた。チャートトップにMozartの4大オペラCD10枚の値段が1,731円で出ていた。当初はSP盤の焼き直しと継ぎ接ぎとたかをくくっていたが内容を見てびっくり。コシはベーム、フィガロは父クライバー、ドン・ジョバンニはクリップス、そして魔笛はフリチャイ、正に歴史的名盤のセットではないか。Mozart生誕200年の記念盤をまとめてのこの価格。まだ国内盤が1枚1800円の価格で現役で陳列されている。最近は「絵のないオペラは****」ともっぱらCDは買わないと決め込んでDVD以外は手を出さなかったが、この値段の誘惑に負けてカーゴに入れてしまった。このシリーズで「グレートコンダクター」「グレートコンチェルト」が発売されたときはセットに含まれていたCDを単独で何枚かを購入済みであったが、そのときの2枚分の価格で10枚のセットが購入できてしまうのだ。この時はわずか1年半もたたずにこの価格の下落は何だと怒りを覚えたが、冷静に考えればこれこそがデジタル時代その物なのだと悟った。アナログで手間隙かけて作り出したコンテンツも、一旦出来上がればそれをデジタル変換することは訳なく出来てしまう。そしてデジタル化されればそれを多量コピーすることは、コストも設備も掛けずに出来てしまう。それによってコンテッツそのものは限りなく0円に近づいていく。1800円と173円の価格差は説明できなくなる。地図・百科事典・映像・出版とデジタル化してすでに価格破壊は起きている。コンテンツの価値は法律の保護無しでは維持できない世界になるが、それでもコンテンツの価値は下落する。我が仕事はコンテンツをネットで配信するため先行きの不安を感じる。天下のブリタニカが作り上げた歴史はデジタル化の波の速さの防波堤にはなれなかった。



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