とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

音楽のお勉強 ラトル先生の講義で20世紀の音楽について学ぶ

2017年06月30日 | クラシックDVD

  6月20日の病院帰りに、池袋のHMVに寄ったら、サイモン.ラトルが、1997年に母国英国のTV番組で20世紀の音楽を解説しながら、当時常任指揮者をしていた バーミンガム市交響楽団と演奏した、20世紀の音楽史を解説したBD3枚組がBOXに入れられ3000円で売り出されていた。買うつもりで取り出したら、異常に重いのでこれから夏物のアウトドアーウェアー探しをするのに無理だとあきらめた。

 その日はたまたま欲しかった、ミレーのシャツが30%offのバーゲンでゲットできて家に帰ったが、ラトルのBDが気になった。帰宅してすぐにNetのHMVを検索すると、同じものが掲載され、異常に重かった原因も同梱されている解説書ということがわかり、即購入のクリックを押した。注文翌日にとどき、しかも値段は2970円と同じHMVなのに、店舗よりNet方が配送料込みで安いのは変な気持ちになった。

 正直日本語の字幕付きはありがたかった。ただし解説本は英・仏・独の三か国だけだった。それにしてもこの解説本はハードカバーで内容もありこれだけでも原価を考えれば、コスト的には3000円するだろうと思った。BDのほうは、1997年のTV番組ゆえに、サイズは16:9ではなく4:3の旧タイプの画面だが、画像はなぜかきれいな仕上げになっている。

 TV放映は日本でも行われようだが、私は見ていなかった。3枚組のBDに361分の映像が7つのテーマで時代を追って編集されている。そしてそのテーマに基づいて、7つの20世紀音楽のテーマに基づき、テーマの意図と意味合いをラトルが語り、そのテーマに合った作品をラトルとバーミンガム市交響楽団が演奏する形で進んでいく。私は6時間の講義を2日かけて聴講した形だが、結構しんどいものだったが、バーンスタインの796分にわたる「答えのない質問=ハーバード大学での講義」よりは、説明が具体的で、バーンスタインの難解な抽象的な説明よりは遥かにわかりやすかった。

 ただ演奏された音楽は、果たしてこの選曲、作曲家が20世紀の音楽を代表するものかは、意見が分かれるだろう。第二次大戦前の作品については評価はほぼ定まっていると思うが、大戦後の、東西対立時代、ソ連崩壊後の時代の音楽については疑問が残るし、「20世紀の音楽」と題されているからこそ、いわゆる東側の作曲家についての作品にはまだ時間が要することであろう。ただ、ラトルが名を挙げた英国の作曲家はブリテンを除きほとんど曲自体を聴いたことのない人だった。半面、ダルッピコラ、ペンデレツキー、アルボ・ポルトといった作曲家については全く無視されていたのはなぜか疑問が残った。

 しかし3000円でこの授業が聴けて音楽も鑑賞できるのだから、安い買い物と言える。

 



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