昔々の大昔、学生時代に文化放送が「東急ゴールデンコンサート」と言う放送番組を持ち、無料の公開録音のコンサートを渋谷公会堂を会場に行っていた。無料とはいえ、往復はがきで申し込みをするため、次回のコンサート予定を番組終了後に放送するため、当時はすでに音楽はFM放送が主流だったが、コンサートに行きたいがため、この番組を聴いていた。
コンサートの内容は毎回テーマ的なものがあり其の中では、本日のコンサートのような、比較的親しみやすい曲目も多かった。貧乏学生が生のコンサートを数多く聴くことのできた、ひとつの手段であり、このコンサートで生を始めて聞いた曲も多かった。
前回「気軽にクラシック」のタイトルに「東急ゴールデンコンサート」の思い出がよみがえり、昨年は、親の介護等で聞き逃したが、今年こそはと出かけることができた。
会場に着くとなにやらにぎわしく、バグパイプの演奏が聞こえていた。ミューズの広場はバザーが開かれ、市民文化祭と称して、展覧会も開催されていた。
東京交響楽団のこのコンサートの定例らしく、前回同様に今回もロビーでプレコンサートが開かれた。しかも好きなモーツァルトのK.563のディヴェルティメントだった。なかなか実演で聞けない名曲がダイジェストながら聴けたのはうれしかった。これだけでも今日のコンサートは元が取れたような思いだった。(私の愛聴盤はGRUMIAUX TRIO)
プレトークコンサートのため、指揮者の自己紹介から始まった。正直今回の演奏者は名前は知っていたが、初めて聴く人ばかりだった。東京交響楽団がミューズの杮落コンサートを行いそして今年が20周年記念演奏会を兼ね、プログラムはオープン時の演目マイスタージンガーの前奏曲で始まり、ワグナー&ベルディー生誕200年記念を兼ねた記念公演だった。それに加えバイオリン、テナーが加わりバラエティー豊かなコンサートで、楽しめた。その中の曲目に我が家で初めてステレオ装置を買ったとき、今年の正月に亡くなったオフクロが最初に買ってきた曲が17cmEPレコードのハイフェッツ+RCAビクター交響楽団のチゴイネルワイゼンだった。しかしこれはモノラル録音だったのだが、おふくろは実家にあったSP盤と比較したのだろう、音がいいねーイイネーと言いながら聞いていたことを川久保さんの美しい音色を聴きながら思い出した。
上質の音楽を気楽に安く聴けることは、ありがたいのだが、残念なことがあった。前回同様に、このコンサートを聴きたいと思ったのは地元埼玉芸術高校の生徒さんが演奏に参加することなのだが、学校の行事都合との事で1名しか参加がなかったこと。会場には久しぶりに親子ずれの姿を見たが、親子割引券がなかったこと。P席(ステージ後ろ)にはご老人の姿が多かったが、むしろ芸術高校の学生さんをはじめ市内の音楽部関連生徒の招待でも良いのではと思うのだが、せっかくのミューズ20周年コンサートが7割?の入りではさびしい。
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