とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

DAM45回転LPでPCオーディオに挑戦:カラヤン指揮 P・マスカーニ「我友フリッツ」間奏曲 

2014年04月11日 | LPレコード

最近PCオーディオが話題になっている。新しいもの好きの私はまだPCオーディオなる言葉が定着しない時期に、わけもわからず 2009年にローランドUA-25EXオーディオインターフェースを買い込んだ。当初目的はDAM45回転LPをCD化することだったが、当時は24bit 96KhzをCDで保存するには容量が足りずHDDに保存するにはHDDが高価だったため思うようには進められなかった。しかしここ1-2年でHDDの高容量と低価格化が進ンだことから、改めてUA-25EXの取説を読み返し、手始めにカラヤン晩年のしかもデジタル録音のLPを試しに24bit 98Khzでダビングした。

結果としてはLPの音の広がりの自然さが失われ、音の切れはするどくなり、強弱が強調されて聞こえるようだ。しかしこのLPに関しては市販のCDを所持していないので16bit,44.1kHzとの比較はできていない。なぜかムターのヴァイオリンの音はか細くなり、魅力は死んでしまった。反面オーケストラは、分厚く豊満な音になり、特に私のぼろい安物のアンプでは低音が増強されて響いた。しかしこのLPでは本題の音そのものよりも、演奏された曲とくにピエトロ・マスカーニの「我が友フリッツ」に興味を持った。『カヴァレリア・ルスティカーナ』同様の情緒たっぷりの間奏曲が何とも言えぬ魅力をカラヤンがこれでもかといえる美音をつむぎだして、名演奏なのだ。このLPを聴くまでは全くこの曲の存在すら知らなかったのだ。

 それに対してこのLPに真鍋某なる人がライナーノーツに前段で筋書きを述べ、結論で「書いていてもアホラシクナル程のつまらない筋書。そのためオペラ自体はほとんど演奏されないのだ。」と断言している。そう断言されると素直でない私は疑問を抱いた。CDではアラニャー、ゲオルギューとパバロッティ、フレーニの2組の黄金コンビの演奏があるが、DVD版はない。手持ちには2002年イタリア・リヴォルノ市立歌劇場での公演をSky-Aで放映されたときの録画DVDがある。「ある。」というくらいの私の記憶では、録画して何度も見たものではないが記憶の中にあるオペラで、私にはヴェリズモ・オペラ(verismo opera)とはこんなものだろうという評価はある。終幕がこのオペラがハッピーエンドでカヴァレリア、道化師、トスカ、アンドレアシニア名だたるオペラが殺人、死刑といった死で幕となる「悲劇的幕切れ」の印象だけの相違でこのオペラが「アホラシクなるほどつまらない筋書」とは断言できないだろう。

真鍋某氏の評は 70-80年代は団塊世代の「自由恋愛・同棲時代」の世の中、いまは婚活なる言葉がうまれた非婚化時代、このオペラの復活・復権になるかも?と思うのは私だけだろうか。

考えてみればオペラの題材は起源は神話からだ。神話の筋書きがどれほど高尚なのかは、後世の哲人の講釈によることが多い。私の好きな「魔笛」はいわば漫画=劇画オペラだがこれとて筋書きにどれほどの意味を作曲時Mozartが意識していたかは疑問だ。オペラの評価は筋書きではなく、音楽そのものだろうと思う。この「友人フリッツ」オペラが劣るのは『カヴァレリア・ルスティカーナ』に比べアリアの質と量が歴然だからだ。主役が歌うアリア各1曲でもよければアンドレアシニアぐらいの地位は得たであろうと私は思う。

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