とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

ベートーヴェンのミサ・ソレムニス

2011年07月30日 | LPレコード


ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス 
カール・ベーム指揮
ベルリン・フィル、
聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊
マリア・シュターダー、
マリアンナ・ラデフ、
アントン・デルモータ、
ヨゼフ・グラインドル
1955年録音 モノ録音を擬似ステレオ化

ベートーベンとモーツァルトは良く比較対象にされる。その意味では断然、私はモーツァルト派だ。コンサートも「ベートーベン」を聴きに行くことは少ない。ただ音楽が好きになったきっかけは、中学の時に家にステレオを親父が買い、同時にFM放送の試験放送が始まり、高価なLPを買わなくとも音楽が聞くことができるようになったことからだ。また当時出始めた全集モノで、世界文学全集を親父が買い、その中のロマン・ロランのジャンクリフトフを読みながら、ベートーベンの9つの交響曲を揃えることが音楽にのめり込むスタートだった。
 しかし高校に入学し、マルケビッチの指揮する9番により9曲が揃うといつしかベートーベンは遠ざかりマーラーにのめり込んで行った。 しかし第一志望はおろか滑り止めに受験した大学まで落ちて、落ち込んだ私に高校の卒業祝いとして叔母からプレゼントされたのがカール・ベームの「ベートーヴェンのミサ・ソレムニス」だった。
 このLPはスケールの大きな大伽藍のようなどっしりした、テンポの揺れの少ない演奏でいながら、マリア・シュターダの清涼な声が精神安定剤のように響き、このLPに魅せられた。以来30年間はこの曲はこのLPだけだった。


・ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 op.123
 グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
 クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
 フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
 ヴァルター・ベリー(バス)
 ウィーン楽友協会合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音:1966年2月、ベルリン、イエス・キリスト教会(ステレオ)
 OIBP remastering

・モーツァルト:ミサ曲ハ長調 K.317『戴冠式ミサ』
 アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ)
 アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ)
 ヴェルナー・クレン(テノール)
 ジョゼ・ヴァン・ダム(バス)
 ウィーン楽友協会合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音:1975年9月、ベルリン、フィルハーモニー(ステレオ)
 OIBP remastering

 30年後にこのカラヤンのCDは付録のモーツァルトが聞きたくて購入したが、結果的には出来はモーツアルトの独奏者のオペラ的な度派手な響きより、ベートーベンの調和の撮れた洗練された声楽部分はすばらしかった。でもソプラノはマリア・シュターダーだ。(戴冠式ミサもマルケヴィッチとの彼女の声が素晴らしい。)




荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス) op.123
 エッダ・モーザー(ソプラノ)
 ハンナ・シュヴァルツ(アルト)
 ルネ・コロ(テノール)
 クルト・モル(バス)
 オランダ放送協会合唱団、他
 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 レナード・バーンスタイン(指揮)
 録音:1978年(ライヴ、ステレオ)

 これはアムネスティのための人権擁護支援基金の募金CDとして6枚組セットで売りだされのを買った。中身はL.Bの指揮するベートーベンで、すでにこのうちの3枚は所持していたが募金として寄付のつもりで購入した。だから言うのではないが、収められたCDはどれもL.Bの人間性が全面に出た「熱き思い」が湧き上がる、まさに燃え上がる演奏だ。



・ミサ・ソレムニス ニ長調 op.123
 ヘザー・ハーパー(ソプラノ)
 ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
 ロバート・ティアー(テノール)
 ハンス・ゾーティン(バス)
 ニュー・フィルハーモニア合唱団
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
 録音:1974年(ステレオ)

・ミサ曲ハ長調 op.86
 エリー・アメリング(ソプラノ)
 ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
 テオ・アルトマイアー(テノール)
 マリウス・リンツラー(バス)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
 カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)

 これは秋葉原の石丸電気のバーゲンセールで、廉価版ブリリアントレーベルの3枚組990円で売りだされていたもの。まだ一度も聴いたことがなかったベートーベンの「オリーブ山上のキリスト」が含まれていたことから好奇心で購入したが、本命だった「オリーブ山上のキリスト」はつまらなかったが、ジュリーニのベートーベンは正直拾いものだった。予期しなかったすばらしさに驚いた。音楽がながれ独唱者も合唱もL.Bとは真逆の「祈り」のような穏やかさが自然と流れる演奏だった。 



■ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス Op.123
ヘレン・ドナート(S)
ブリギッテ・ファスベンダー(A)
ペーター・シュライヤー(T)
ジョン・シャーリー=カーク(Bs)
バイエルン放送交響楽団&合唱団
ラファエル・クーベリック(指揮)

1977年 LIVE 録画

 これは今月病院の帰りにイントシケイトのFree Paperが読みたくて偶然池袋のタワレコでDVD990円の値段につられて買ってしまったものだ。ミサ曲を映像で見てどうするんだと言われることもあるが、同じ演奏のCDより安ければ絵が付く分お買い得となる。事実この演奏そのものもすでにお買い得の内容だ。L.Bとジュリーニの中間のような、中庸の演奏だが、両者の演奏が素晴らしいだけに両者のイイトコ獲り的なすばらしさでのある。でも結論的には最初に聴いたベームのマリア・シュターダの声が忘れられない。


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