正直暑さは苦手だ。新宿の街をあるく気はしない。とりあえず、池袋演芸場開演までは、時間つぶしは、勝手知ったる池袋がよかろうと、すぐにJRで向かった。新宿ニコンプラザで待ち時間に見た雑誌「フォトコン 9月号」=あなたの写真はなぜダメなのか=が気にかかり、池袋駅ですぐに東武デパートの本屋:旭屋で買い求めた。そして昼食に、このところ定番となっている「立ち食い蕎麦:いわもと」に向かった。、いつもはてんぷらセットそばだが、今日は冷やし天蕎麦海老2本540円ですまし、コンビニでお茶とポカリを購入し池袋演芸場に向かった。この日は、台風接近が報じられていたこともあってか、柳家三三がでるにもかかわらず、開場前の行列は少なく、10分ほど最後尾について入場した。100席足らずの演芸場だが、空席があった。
池袋演芸場の下席は、上・中席の時間に比べ1時間短く、老人割引なしの2000円だが、聞く方の私にとっては、芸人さんの数と時間はちょうどいい分量と思うのだ。特に今日は主任を務める三三が目当てだけに、その間の時間が短くてなおよかった。
このところ、寄席へは三三目当てで出かけることが多くなった。前半の最後が林家正蔵だった。もう何年たったのだろう、正蔵襲名披露公演を上野鈴本に聴きに出かけた。その時はネズミだった。正直、当時の正蔵は、これまでタレントとして売れっ子だった。これまでの名声をなげうって0からの落語家をスタートした。その時は気迫を感じたが正直落語家としての実力は「正蔵」を名乗れぬほどにはほど遠かった。
この日の正蔵は、久しぶりに、それこそ、馬風になんだかんだ揶揄されながらもの今では「落語」を語れない場風をとっくに超えた実力を身に着けていた。私の隣のご婦人三人連れは正蔵が終わるや帰ってしまった。三三目当ての私にはこれも驚いた。いま落語家が増加しているそうだ、寄席に出られぬ若手が増えているとのこと。極論かもしれないが寄席にも定年制を導入してはどうだろうか。65歳にもなればそれなりの実力がある芸人さんであれば、固定客もつくだろうし、お座敷もかかるであろう。かからぬものはそれだけの実力、サラリーマンの定年と同じだろう。大御所といわれる芸人さんであればあるほど、引き際が肝心と、正蔵と三三の落語を聞いて思った。今日の三三の「金明竹」は素晴らしかった。正直いまでは小言念仏しか聞けなくなった大御所を超えていた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます