とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

カセットテープのPCオーディオ化 ベートーヴェンのピアノ協奏曲5番「皇帝」の演奏あれこれ

2014年06月11日 | クラシックDVD/CD

 月曜日、お天気がいまいちなところから、家にこもった。するとカミサンから「暇なら部屋の整理をしなさいよ」とがみがみ言われ、腰を上げた。これまでに本から始まりVTR,LDと断捨離を進めてきたが、カッセットテープも結構残っていた。其の中にゼルキンのピアノに小澤征爾とボストン交響楽団との皇帝があった。皇帝はコンサートで最初に聴いたピアノ協奏曲だった。中学生の頃に叔母に連れられ、大町陽一郎と東京フィルでピアノは山根 弥生子だったとおぼろげながら記憶しているが、とにかくピアノのボリューム驚いた記憶が今でも残る。その後親父がステレオを買い込んだ時に、早くに買い込んだピアノ協奏曲はモノラル録音のバックハウスとクレメンス・クラウス、ウィーンフィルの皇帝だった。しかし高校、大学とベートーヴェンから離れサラリーマンになり、通勤電車で聞くためにカセットを購入したのが初めてのステレオ録音の皇帝だった。録音を売りにしたメーカーだがワォークマンで聴くには其の良さは判別できず、すぐにCDの時代になりこのカセットはお蔵入りになっていた。

 今回24bit,96kHzでPCオーディオ化してみた。Lpレコードの様なクラックルノイズは発生しないので、音の広がりが得られるかに期待したが、気持ち音が広がりよく聞こえた。

 肝心の演奏も、あまりゼルキンを評価していなかったが、小澤のサポートもよく生気のある演奏だった。むしろゼルキンのゴツゴツした演奏が音の良さに拍車がかかり、ゴチゴチの典型的なベートーヴェン像を引き出していた。この演奏に刺激され、あまり聴くことのなくなったベートーヴェンを連日の雨で外にも行けず、家で聞比べをしてみようと思った。すると自分でもびっくりしたのが数だった。思っていたより数が多かった。これは「皇帝」を聴くためにと言うよりは本命を買った時の抱合せに含まれていたのにすぎないのだが、これまでに聴いた回数も1,2度しかないものがあった。

 我が手持ちリスト

 映像つきで聴く「皇帝」

   

はショパンコンクール優勝から雌伏の期間を得ての衝撃の再デビュー後の記念碑的な演奏の画像だ、皇帝以外に3番とモーツアルト、それにブラームスが加わりどれもが素晴らしいが、指揮がブラームス同様にアバドだったらもっと良かったのにと悔やまれる。カール・ベームの演奏が邪魔に思えるDVD。は2002年サントリーホールでの「ポリーニプロジェクト」と称された一連のコンサートのNHKBSでの放送録画。この皇帝は、シャイーとアムステルダムコンセルトヘボウがバックでの熱演。これはシャイーに煽られての、熱くなったポリーニの演奏が聞ける。 はベルリンフィルのヨーロッパコンサートの1994年マイニンゲンでのLive。すでにNHKで放映されたものを多数含むセットものだが、値段の安さで購入した。しかし韓国製で何故か放送録画より画面が荒く、字幕韓国語が目障り、ただし演奏はアバドのブラームスの2番の交響曲も素晴らしい。バレンボイムは優等生で面白みは無いがオーソドックスな優れた演奏。はDVD10枚セットで其の中にマリア・デーボが弾くモーツアルトのK.466の協奏曲が聴きたくて買ったもので、あとはおまけ。は2008年サントリーホールでのLive、NHKでの放映を録画したもの。美しい女性が男勝りの音で迫り来るギャップがまた素晴らしいが、彼女のブラームスほど成功はしていない。

私のお勧め

⑪  ⑧&⑨

⑫はグルダ+シュタイン+ウィーンフィルの全曲1971-73年の録音 全曲すべてが素晴らしい。演奏はシュタインの指揮もグルダの演奏もまっとうで構成が優れていながら音楽が淀みなく流れる。⑪は反対に好き勝手に弾いていていながら崩れていないところが凄い。だが聴きモノはこのセットではモーッアルトのK.467,595なのだがベートーヴェンでは3大ソナタも抱き合わせで、熱情ソナタは⑫との聴き比べができるなど⑪⑫を合わせると聴く楽しさが広がる

⑧&⑨は音源が同じ。1970年、演奏会直前にミケランジェリのドタキャンでほとんど練習なしでの本番を行ったもののLive。この演奏はカレル・アンチェルの指揮だがほとんどグレン・グールドの主導権で流れている。むしろ彼が指揮しているに等しいが、それがすごい演奏だと思う。私は彼のモーッアルトは受け入れないがベートーヴェンはむしろ彼のバッハよりも評価している。この皇帝はその例示みたいに素晴らしい。

 その他etc

② ⑮   ⑦  ⑤ ⑬

③ はルガーノ音楽祭のLive、聴き者はシューリヒトのモーッアルトの40番のシンホニー、②は音楽を聴き始めた時の先入観で「ベートーヴェンのピアノはバックハウス」で購入したが、今聞くとこんな時代もあったのだ。⑮ミケランジェリが聴きたくて海賊盤あさりをした頃購入したもの。1960年のモノラルの放送録音。音は比較的良好だがこの演奏がとびきり際立つものでは無い。 ⑦ ピアノもオケも重量級これがベートーヴェンの音だといえなくもないが、ベストではない。⑤ サバリシュのベートーベン交響曲集めの際のおまけ。

⑬ミンシュ集めの際の1枚、伝説のピアニストを聞けるがそれだけの価値



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