とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

雨の日はオペラ「ペレアスとメリザンド」

2008年05月31日 | Weblog
昨夜福岡からの出張で遅い帰宅と帰宅となった。半年ぶりの福岡だが、下関の帰りに寄っただけで、北九州か宇部かで迷い慣れている福岡にしただけで下関からの帰りはいつも疲れる。11時過ぎの帰宅で今朝は疲れのせいか8時まで熟睡だったが、外は雨で、たんぼの会での菩提樹池の清掃は中止。
そんなことで、NHK-BsHiを録画したドビッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」を見た。メーテルリンクの兄嫁を愛してしまった弟の悲劇は幾多の作曲家の琴線にふれたのであろう、フォーレ、シェーベルク、シベリウスと名曲を生んでいるが、原作をほぼ忠実に再現したのはドビッシーのオペラであろう。


初めてこの曲を聴いたのはセルジュ、ボド=リヨン歌劇場によるCDだった。しかし絵の無いオペラはたとえ筋がわかっていても、つまらない。特にこのオペラは魅力的なアリアがあるわけでなく、全編がレシタティーヴォで貫かれることから言葉が理解できないと、オペラそのものが理解できない。そんな訳で正直このCDというよりこのオペラそのものが理解できなかった。
その後、1992年にウエールズオペラでのLive盤のLDを入手した。指揮がピエール、ブーレーズであること以外はたの演奏者は知らない名前ばかりで、ラグビーではウエールズは有名だが、オペラハウスがあるとは思えなかった。しかし蓋を開けると出だしから魅力的な旋律が流れ、狭い舞台空間を旨く活かした舞台も魅力に富む、小じんまりとまとまった演出が成功していると思った。特にLDの表紙にもなったメリザンドの長髪の場面は魅力的な演出であった。これで決定とばかり、その後のグラインドボーン盤にも話題を呼んだチューリッヒ=ウエザーメスト盤にも触手は動かなかった。
しかし、NHK-BsHiで2007年6月に上演されたハイティンク=フランス国立管弦楽団、シャンゼリゼ劇場のLiveが放映された。ハイティンクはすでにこのコンビと2003年の上演がCDで発売され評判を呼んだこともありこの放映は期待していた。
正直期待が大きかっただけに、すこし?が残った。舞台が暗すぎで、光の見えない底なしの絶望感が際立って見終えたあとの疲労感が残った。あとカメラワークがなぜハイティンクをクローズアップするのか疑問を感じる。でも消去法でみれば上出来と言える。しかしインパクトには欠ける優等生の出来だ。
結論から言えば、ブーレーズが総合的にはこのオペラをワグナーオペラの対極に明確に位置付けした演奏で優れていると思う。


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