樫本大進のベート-ヴェンのヴァイオリンソナタチクルスを聴きに行った。不況なのかHMVの新譜ニュースにベートーヴェンのCDが顔をだすのが気のせいか多く感じる。不況の時にベートーヴェンのコンサートが増えるようだ。
樫本大進は丁度昨年の3.11直後の日本でのコンサート、そしてベルリンでのアルゲリッチとのシューマンの五重奏での支援コンサートと涙がでるほど素晴らしい演奏を聞かせてくれた。そんな思いからも期待を持って出かけた。
今年はじめてのミューズでの有料コンサートだった。
ピアノがK.リフシッツも魅力だったが、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタでは1番好きな7番が演目だったこともあり、ワクワクする気持ちで出かけた。
3階席がクローズなこともあって1-2階ほぼ9割程度の入りは何時も寂しい客入りのミューズとしては上々の入りだった。
プログラムも出だしの2番から正に全開モードで、6-7-8番のアレキサンドルソナタを演奏した。
特筆スべきはK.リフシッツのピアノで、2010/12に同じミューズでバッハのゴールドベルクに感激した時とは別人のように激しい感情をむき出しのベートーヴェンだった。やはり7番の演奏が素晴らしかった。
ベートーベンのピアノソナタで1番好きなのはNo.17のテンペストだが、7番は作品番号 30-2、テンペストは31-2でどちらも1802年の作品だ。両者の共通の魅力は、ベートーヴェンのエネルーギーの全開モードの推進力で突き進む中、突然にロマンテシズムの煌く感性が飛び出すその変化の様が私は好きだ。今日の演奏はその素晴らしさを味合わせてくれた。この1曲を聞けただけでも十分満足したが、最後のアンコールのクライスラーのシンコペーションは素敵なおしゃれな演奏で余韻を楽しませてくれた。
マイコレクションでは、手持ちは少なく、最初に手にしたのは、D.オイストラッフ+L。オボーリンの全集だった。正直何処がいいのかわからない演奏だと思った。これが大家の演奏なのだろう。重心が低く安定した演奏と言えばそれだけだ。
そんな事で、C.ハスキルのピアノが聴きたくてA.グリュミオー+C.ハスキルの全集を購入した。これは正しくハスキルのピアノが素晴らしい。しかし購入目的はモーツァルトの方だった。ベートーヴェンはおまけだった。しかし同じ組み合わせで1959.01.09のアスコーナ音楽祭のLIVE録音は正しく歴史的な素晴らしい演奏でこの1枚だけで7番は必要ないと思った。
今日の演奏もこの演奏に近い素晴らしさだったと思った。
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