先日、新宿に出た時、ヨドバシに冷やかし半分でオーディオコーナーを覗いた時に、以前より注目していた、JVCのウッドコーンスピーカーのミニコンポが、安値で展示されていた。おまけの値引きもしてくれ衝動買いをしてしまった。大きさが、ラジカセ並みで、猫部屋で愛猫さくらと過ごすときに音楽を聴くにはちょうど良いサイズで、しかもHiRez音源をUSBに落とし込めば24bit-192kHzまで再生できるとの触れ込みだった。
私自身かなりの量のLpレコードを所持しており、かねてから、レコード針の流通の先行きに不安をいだいていたことから、Roland のAUDIO CREATORと言うソフトを使用して、LPレコードのデジタル化をしてきた。ただし当時は、パソコンの能力とハードディスクの容量が気になり、いまから思えば残念なことに、24bit-96kHzでデジタル化し192kHzではしなかった。それでも一応はHiRez仕様ではある。今後は暇をもてあそぶ身分になったことから、再度Lpのデジタル化を再チャレンジしようかと思っているが、手持ちの買いだめしたレコード針の在庫も乏しくなったことと、自身の聴覚の衰えもあり96kHzと192kHzの聴きわけができるのかの疑問もあり躊躇しているところだ。
今回はとりあえず私の大好きな指揮者イゴール・マルケヴィチで、残念なことに国内版がいまだ発売されずにいる(というよりレコード時代も国内版はなかった?)カール・ニールセンの交響曲をJVCのウッドコーンスピーカ―で聴き比べをした。
自分の部屋では、パイオニアのアンプにTASCAMのコンバーターかまして、レコードプレイヤーとパソコンをつなぎ、5.1チャネルのスピーカーをセットして、デジタル変換したLPレコードを聴いていたのだが、メインのスピーカーB&Wの2wayスピーカーの性能に助けられ、相応の迫力ある音が再現できたのだが、第4交響曲の特徴ともいうべき弦楽器群の中から直線的に鋭く金管が飛び出す音の迫力は、8.5cmの小さなウッドコーンスピーカ―からの音のでは期待する方が無理だった。これは買った時からは感じていたことなので致し方がない。しかし弦楽器の音はそれなりに、むしろ小さなスピーカーながら弦楽器群の厚みは感じられると思った。
このLpは1966年録音で、米国のVoxレコードの廉価版ブランドのTurnerboutレーベルで1980年ごろ?に、山野楽器のバーゲンセールで買ったものだ。”The Inextinguishabble"と作曲者自らが表題(デンマーク語で)を付けたが国内では「不滅」として三省堂のクラシック音楽作品名辞典1987年版では記され、辞典編集者は「第一次世界大戦の苛烈な状況の中で、生命の不滅をうたった曲」としているが、私には英名の意味の「消すことのできない」からすれば「忘れがたきもの」「消し難きもの」として、戦争の非常理を表現したものと解釈したい。「不滅」とはベートーヴェンの「運命」同様に、レコード会社のセールストークとしての命名の気がする。
マルケヴィッチの演奏は私自身がスコアーを読んだことがないのであれこれ言えないが、少なくとも下記の手持ちの演奏と比較すれば、「格の違い」が如実に感じられる。緊張感と迫力が圧倒的な差を示し、起伏の激しい演奏となっている。むしろこの交響曲を世に広めた演奏ではないだろうか。この演奏の影響かどうかはわからぬが、商売が成り立つ曲と思えたのか、カラヤンがこの曲を録音するとともに、マルケヴィッチの弟子でもある、ブロムシュテットが、デンマーク放送交響楽団を率いて全曲録音を行った。私は3&4番を除いて購入した。これもまた素晴らしい演奏だ。
BBC MUSICという英国のBBC放送の音楽番組の解説を含む英国のクラシック音楽業界の動向を扱った月間の音楽雑誌の付録。結構長い間定期購読をしていたが、HMVが取り扱いをやめたことから途絶えた。この雑誌のおかげで日本の音楽雑誌の記事に疑問を持ったが、この雑誌の傾向も「英国人第一主義」が鼻についた。この演奏は「よく頑張りました 花2つ程度の評価」ただ抱き合わせでTakaki Odakaが桂冠指揮者としてニールセンのクラリネット協奏曲は素晴らしい。
だいぶむかしBS Skyの衛星放送が、早朝・深夜に衛星放送の認可基準に従うためか教養番組枠で誰も音楽を楽しむ時間帯ではない時刻にクラシック音楽を放映していた中に、ニールセンの交響曲の全曲が放映され、私はタイマー録画した。Michael,Schowandt&Danish National RSO これは拾い物ものの素晴らしい演奏だった。またBS Skyでは若き日の佐渡 裕がイタリア放送交響楽団を率いてのレオニダス・カバコフとのアルバンベルクのVn Conという超レアものお宝演奏も見られたのだがこれは是非ともDVDで復活してほしいものだ。
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