とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

雨の日はオペラ デル・モナコ vs ドミンゴ聴き比べ

2015年07月03日 | オペラ

   

  3.11以降、地震の回数が増加した。そのたびにおんぼろで25年経過した木造の我が家は「ミシミシ」という音がするようになった。このBlogでも何度か取り上げたが、単身赴任中にオープンデッキとテープはカミサンに処分されてしまったが、ビデオテープは処分寸前に単身赴任生活が解消され生きながらえた。しかし700本近くのビデオテープの重さは半端ではない。最近では地震の度に身の危険を感じるようになり、処分の仕方を考え始めた。これまでも暇を見つけてはDVDに焼き直しをしていたが、より効果が出るBDすることにした。手始めに年代物から取りかかった。

1955年のイタリア放送による、TV録画?版のアンドレア・シニアをBDにダビングした。画像は経年劣化し、音も決してよい音ではない。しかし何か魅かれるものがある。主役3人がすべてだ。デル・モナコ、A.ステルラ、G.タディ。それ以上は望めないし、このオペラではそれでよいだろう。61年にイタリアオペラとしてデル・モナコが来日し、この演目が録画され後日NHkがDVD化し売り出され、それも見たがこの傷だらけの映像が勝る。主役3人がとにかく上手いし、劇になっている。特筆すべきはデル・モナカは小柄はっきり言ってチビだが映像からは迫力があふれる。

ドミンゴ盤(DVD)だがこれも主役3人は優れている。1981年のウィーンでのLiveだが音楽が素晴らしい。このDVDの素晴らしさはネロ・サンティの音楽作りにあると思う。このDVDは編集なしのTV録画をダイレクト収録だが音声はMono録音が唯一欠点だ。その後正規版が出たのでそちらならばそれこそ「一押し推薦盤」だろう。でも私は1955年のデル・モナコを選ぶ。

 続いて1976.11.7に行われたスカラ座でのLive版のオテロを見た。1981年にこのメンバーで来日した。まさに日本のバブルの象徴的な出来事だった。しかしこの時は転勤で東京を離れ、仕事でTV中継も見れずじまいで、音声のみをオープンデッキで留守録音しておき後日に聴いた。なぜか1976年のスカラ座も1981年の東京公演も正規版が出ないのはなぜだろう。DVD時代になっても正規版が出ないのは何が原因なのだろうか。

 それにしてもこのVTRは凄すぎる。幕開けから終幕まで一気に突き進む。これは劇場では味わえない、途中に休憩がないVTRだから味わえる醍醐味だろう。そしてスカラにつきもののブーイングの嵐にも動じずに、ドライヴのかかったクライバーの音楽が突き進む様はゼッフェルリの演出とシンクロして興奮する。おそらくこれを超えるLiveは今後なしえるのだろうか。 1976年でも1981年でもよいが出来ればNHK技術で1981年版の登場を望むのだが。

 これを見た後ではデル・モナコ版は影が薄くなる。もっとも私の所持するのは1958年のトリオ・セラフィンの指揮するものだがこの後1959年にイタリアオペラ来日公演が行なわれ、DVDでLive版がが売り出されたが、これも主役3人は素晴らしく音楽もエレーデと当時としてはおそらくスカラでも最強メンバーだったこととだろうと思うが、30年の隔たりはクライバー版を越えていないと思う。

 



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