二十数年前四川省の峨眉山(五大仏教名山の一)の頂点を目指して、成都市と重慶市の観光も加えた大旅行をしました。結果は中途半端でした、理由は登山する前風邪で肺炎まで至って、頂点の夢を放棄し、峨眉山の3分の2の所まで行きましたが撤退しました。その後肺炎治療をするため、重慶に留まって、四川省の美味を満喫しました。
麻辣湯(マーラータン)、紅油水餃(ホンヨウシュイジャオ)、麻婆豆腐(マーポードウフ)、鴛鴦火鍋(ユェンヤンホウゴオ)・・・どっちもアツ~イ、カラ~イ、舌の先にシビレ~で、大変な思いをしました。沢山の美食の中に1つだけ忘れられない味があります。それは町のどこにでもある屋台の「担担麺」(ダンダンメェン)でした。その味はとても素朴で、面に味が浸み込む、スープはほとんどなく、ちょっとしかないひき肉と榨菜(ザーツァイ)のみじん切りをのせて、もちろんアツ~イ、カラーイ、シビレ~、一日三食でも飽きないで沢山食べれました。
いま、なぜこの古い話をしたか、実は最近その懐かしい味が甦ったのです。それは「マルちゃんのやきそば弁当の担担麺」でした。実に昔のあの味と間違いない!懐かしい、美味しい、カラ~イ、シビレ~、堪らなーいで~す。
また私の本業に戻ります。食べ物に四気(四季気候)と五味(酸・苦・甘・辛・塩)があります。日本語の「気味」の意味のとおり、人間の体が感じたことです。必要であれば好む、必要でなければ拒む、これは人間と自然の関係の1つです。生活している環境によって、体が健康を守るため自然と共存する学習ができます、地元の風習や食べ物の好みなどが生まれる、専門用語で「身土不二」、中国語で言うと「一方水土養一方人」(地元の水、食物が一番体に合っている事)。
それが今日の「担担麺」とどの様な関係があるのでしょう?実は四川省の気候は暑い、湿気が多い、彼達の食生活の中唐辛子(カライ)と山椒(シビレ)が欠かさないからです。この二つの薬味は体の熱を発散し、湿気を蒸発させる力があるからです。代表的な名味「麻婆豆腐」(マーポードウフ)はその1つです。本物ですとアツ~イ、カラ~イ、舌先がシビレて、地元の人間じゃないととても受けられる美食とは思いません。食べた後大量の汗をかくことによって、熱さを緩和し、新陳代謝が良くなり、体のだるさ、頭のボーッとする感じもよくなるし、食欲が増進し、便通も良くなって、体がすっきりします。正に夏バテの予防対策の優れた一品です。特に今年の夏、札幌には体験したことがない暑さと湿気がありました、この様な気候の中でやっぱり一番美味しさを感じるのは担担麺やマーポードウフ、または似た様な食べ物の中でカレーライスや食べるラー油など、私達の体が必要とし、健康が守られるので、体が教えてくれたと思いますね。
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