あなたから一番遠いブログ

自分が生きている世界に違和感を感じている。誰にも言えない本音を、世界の片隅になすりつけるように書きつけよう。

ラウンドアバウトについて

2014年09月01日 18時53分36秒 | Weblog
 今日はひとことだけ。
 ラウンドアバウトという形式の交差点の運用が全国で始まった。信号のない丸い道を時計回りに通行する形で、報道によると「停電の影響を受けず、災害時の交通整理も不要」「米国では事故が約8割減った」などと言われている。
 しかし、これは全く自動車のことだけを考えたアイデアで、歩行者にとっては全く不自由としか言いようがない。
 環状道路の各方面に車道の出入り口があり、そこに横断歩道が設置されているが、そもそも日本のドライバーの大半は信号のない横断歩道で停車することがない。それ自体が噴飯ものだが、とりわけ新しい形式の交差点ではドライバーは出入りに気を取られ、歩行者に目が向かない可能性が高い。
 さらに言えば、これまでの交差点では歩行者が対面に渡る場合スクランブル交差点でない限り、いったん道路の反対側に出てさらにその反対側に渡ることになる。この場合、道路を渡ってたどり着いた点と次の横断点は同じところだから、そのまま信号が変わるのを待っていればよいのだが、ラウンドアバウト形式だと横断歩道を渡った後、さらにかなりの距離を歩いて行かなくてはならない。通常のスクエア交差点と比べて歩行者の負担は相当に大きくなるのだ。若くて元気な人なら別になんと言うこともないが、足の悪い人、高齢者にとってはそれはかなり重いものになる。
 日本の道路は実は基本的に車道である。人間が歩くためのものではなくなってしまった。それが本来おかしいのだが、今回のラウンドアバウトはそれを更にひどくするものだとしか思えない。
 本質的な問題解決は、自動車を総量規制してクルマ社会から脱するしかない。そのことを多くの人がしっかり認識して欲しいと思うのだ。
コメント (6)
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