ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

100年の歩み

2010-07-12 18:00:00 | 弦楽器

久々にブラジリアンギターの話になります。

サンバタウンが事実上の日本総輸入元となっているブラジルの老舗ギターメーカー・Di Giorgio(以下DG)社が、2008年で創業100周年目を迎えられました(おごそかにパチパチ)。
そこでDG社は記念事業として、100台限定生産のトップシリーズにあたるヴィオローン(以下ヴィオラゥン)の製作販売、そして原則その限定モデルのオーナーにだけ手渡される「Violão Di Giorgio - Os Primeiros Cem Anos(Di Giorgioギター はじめの100年)」という超豪華本を発刊したそうです。

昨年その情報に触れながらも、いつものように「ふーん」という感じで他人事のように捉えていたサンバタウン店主でしたが、先日の正午前(ブラジルだと真夜中だね)に、なんとDG社の三代目社長・ヘイナウドJr.からいきなり「ゼジーニョと話したいのだが・・・」と国際電話がかかってきまして、いやあ、ワタシびっくらこきましたですよ。

用件は何かというと、上述の100周年記念限定モデル"Cent`Anni(チェント・アンニ)"のプロモーション。チェント・アンニとはイタリア語で100年を意味します。
そう、創業者ロメオ・ディ・ジョルジオはイタリアからの移民(ロメオの父と幼少時代に渡伯)だったんですね。

「それと本来は、このCent`Anniをお買い上げいただいたオーナーにだけ進呈するこの本を、君に贈りたい。そして我が社の100年の歴史を日本のお客さん達に是非伝えてほしい」

「あ、はあ、そうですか。わかりました。ありがとうございます三代目」

という感じのやり取りを経て送ってもらったこの100周年記念本。
封を開けてぶっとびました。
監修がミリアン・タウブキンじゃありませんか奥さん!(誰が奥さんや)

ミリアン・タウブキンといえば、ブラジル音楽、とりわけブラジル楽器フェチらが入荷時に先を争って買い求め、常に瞬時で品切れとなるあのマニアック書籍&DVDシリーズ「Violões do Brasil」「Sanfona do Brasil」「Violeiros do Brasil」を編纂した才女。
そう聞けばムムと食指の動く方も日本中で10人くらいはいらっしゃるんではないかと思います。少なっ!
そのミリアン女史のもとで刊行された190ページにわたるこの豪華本、ショボかろうはずがありません。
素晴らしすぎます。

まずは特別にページ抜粋でご紹介をば。


(この重厚な感覚に溢れた楽器の写真こそまさにミリアン女史の真骨頂です)


(限定モデル"Cent`Anni"のお買い上げ客だけに添えられる冒頭ページのオーナー証書見本。
 ワタシはオーナーではないので当然名前は入ってません。これあくまでサンプルコピーね)


("Ao nosso amigo e parceiro, Zezinho com um forte abraço Reinaldo 07/2010"と書かれた三代目社長ヘイナウドJr.の署名)


(見よこの錚々たるMPB界の巨人達の御尊顔を。セルメンはおいといてホジーニャ・ヂ・ヴァレンサ、ジョルジ・ベン、ペリー・ヒベイロ、ヴィニシウス、バーデン、そしてドリヴァル・カイミ翁!これがDi Giorgioの歴史なのだ)


(日本でも局地的に熱烈な信奉者のいるゼー・メネーゼス翁も未だにDGヴィンテージの愛用者であります)


(ギター製作工程。左はMASTER、右はバインディング仕上げの様子)


(こういった往年の名品の写真もふんだんに紹介されております。マニア大喜び)


(弦楽器フェチよりもむしろ職人さんの血が騒ぎそうな各章のトップページ。美しすぎる写真)

圧巻の構成とともに、Di Giorgio社創業100年の歴史が鮮やかに語られておりますです。
もちろん言うまでもなくジョアン・ジルベルトやバーデン・パウエルにまつわるエピソードも収められています。
非売品なのが本当に残念です(←すごくイヤな性格の店主)。

では肝心の100周年記念限定生産モデルのチェント・アンニは果たしていかなるものかというと、

・トップ:セレクテッドカナディアンスプルース単板
・サイド&バック:ブラックハカランダ(合板とヘイナウド社長は電話口で言っておりましたが)
・指板:セレクテッドエボニー
・ペグ:18金モノ(メーカー名未確認)
・ライン工程から完全独立、三代目ヘイナウドも製作に携わったルチエール仕立て
・販売価格:推定55~60万円


というくらいの情報くらいしか手元に入ってきておりません。
ましてや現物も確認できてない状態ですので、サンバタウンとしてもおいそれとは怖くて輸入などできねえっす。
というわけで、今秋にもまたブラジル出張行ってまいりますので、そん時にDG社を訪問して実物を手にとってから判断してこようかと思うちょります。
そん時にはもう売り切れてたらごめんね、ガハハ!(破顔一笑)

「なんか急に欲しくなってきたぞ、それまで待てない!」と何かに衝き動かされやすい方、最近宝くじに当たった方とか、
こっそりいかがでしょうか?

しかし、それにしても、100年。
サンバタウンなんか今年でようやっと7年でっせ。
仮に100年続けるにはこれをあと14セット繰り返さんといかん(ボーゼン)。
歴史の重みを感じつつ、ブラジルの方角を向いて最敬礼!であります。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヨーコ)
2010-07-22 09:56:55
ご無沙汰してます。メールの返事、かけなくてごめんなさい!

秋にいらっしゃるんですね。今度はギターのケースが壊れないようにお祈りします。いや、55万のギターでしたら祈祷もしたほうがいいでしょうか?
返信する

コメントを投稿