ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

サンパウロと私

2009-05-28 19:57:26 | CD

今週に入ってようやく6月のブラジル出張の準備に取り掛かれるようになりまして、あれやこれやと各方面への連絡やら手配やらで落ち着かない今日この頃です。

中でもアタマをひねるのが、宿。ナントカの歩き方って旅行ガイドブックも'08~'09年版を買い直してみたはいいものの、14年前とさして変わらぬ内容でがっかりもいいとこです。表記もデタラメだらけ。リベルタージって何やそれ。これのおかげでliverdadeをリベルタージって頑なに読み続けている人間をワタシは知ってるぞ。あとラッパって(笑)。いや確かにそうなんだけどさあ。まあいいや、話戻って宿情報の件。この本、紹介軒数があまりに少ない上、載っているのがR$300以上の超高級ホテルとか、R$30あたりの安宿の両極端で、例えばリオやサンパウロのセントロあたりのR$50~R$60(今だったら2,500~3,000円程度)レベルの中庸路線なんかもうほとんど情報がありません。ふん。

現地にコネがある人や、口コミに敏感な方などはそちらの情報に乗っかってしまう方がラクかと思いますが、ワタシはあえてそういう道を選びません。もう懲りました。ことブラジルに関しては、他力本願の手配事項に良い思い出が何一つとしてないからです。ナーダ。名古屋風に言うとにゃあだってところでしょうか(とはいえ今回もリオにまつわるところだけは現地のツテに甘えてしまいましたが)。

そんなわけで、今回ワタシはサンパウロ滞在に関しては失敗してもいいから自分の力で手配すべく奮闘中。昔は旅行会社にお願いするしかなかったのに、今やネットでホテルに直接予約を申し込めるのはもちろん、Googleマップで現地の状況が克明に把握できるという、いやまあものすごい時代になったものであります。といささか感動しつつ、なんとかセントロ(ヘプブリカ周辺)にある小ぎれいで(一見)無難そうなホテルを予約。自分で押さえた事柄に関してはちゃんと自分で責任が持てるというものです。でもこの写真、絶対リフォーム直後の一番キレイな状態のを使ってるよなあ。いざ行ってみて、写真と現状とのギャップにガクゼンとするのもまた楽しからずや、であります。


(絶対ありえへんでこんなん)

前置きが長くなりましたが、ワタシはどういうわけか、サンパウロと相性が良いようです。
ていうか、むしろリオと相性が良くないと言えます。なんでやと訊かれると答えに詰まるのですが、とにかく過去の実績からすると、そう結論付けざるを得ないのです。

前回の旅行に端を発すると、サンパウロではほとんど毎日が快晴。旅の内容も充実そのもの。メシも旨かった。飛び込みで入った楽器卸倉庫でのゲリラショッピングの戦果も上々でした。

一方リオデジャネイロはというと、大晦日にレシーフェから到着、ガレアゥン空港(当時の名称)からコパビーチのHotel California Othon(なにがカリフォルニアなんだか)にタクシーで向かうと、当然ながら海岸周辺はとてつもない人の群れ。タクシーの運ちゃんに大通りで「これ以上は無理だからオマエここから降りてホテルまで歩いてけ」と強制下車の憂き目に遭い、重い荷物を引きずりながらようやく宿に辿り着いたら、今度はフロントの兄ちゃんにそのような予約は受けておりませんとか涼しい顔で言われるし。大晦日の夜にコパビーチでホテルに泊まれずロビーに半泣きでへたり込む日本人、約一名。トホホです。トホホすぎます。あれに匹敵するトホホな経験を我が半生の中から挙げよと言われても、ちょっと思い出すのが難しいですね(結局べらぼうな料金を払ってツインの空き部屋になんとか泊めてもらうことができましたが・・・)。

リオで過ごした年末年始はずっと雨でした。腹具合は相変わらずよろしくないし、そもそもリオでの行動計画を何ら立てていなかったので時間を持て余すばかり。小雨に濡れながらバスに乗って気まぐれで向かったのがPão de açucar。ロープウェイで上まで昇って見下ろせば、雲しか見えませんでしたとさ。カネカゥンとかでライヴを観に行ったわけでもなく、ホントおれ一体リオに何しに行ったんだろ。

上記の旅行のみにあらず、サンバタウン開業後もリオとの取引にあたっては(最近は絶好調ですが)、特に楽器において散々な目に遭い続けています。何だろうなあ、カリオカの職人ってパウリスタに比べて、どうよ?って感じです。ま、多くは申しませんが、ことリオの工房との間では(直接・間接要因すべて含めれば)トラブル発生率はほぼ100%に近いという、なかなかに恐るべき世界であるというのが厳然たる事実なのです。その点サンパウロからの仕入れはというと、不思議と何かにつけ問題に発展しないんだなあこれがまた(トラブルはあってもピンチがチャンスに転じたりと幸運な結果に終始したり)。ワタシはこれまでの経験上、「これはきっと相性なのだ」と己に言い聞かせることしかできずにいますが、そんなリオコンプレックスを払拭すべく、今回も短期決戦型ではありますが、色々見てこようと思います。


(リオで撮ってもらった唯一の楽しげな写真)

いやいやまだ前置きなんですよこれ。長すぎだっちゅうの。

そんな感謝すべきサンパウロ発の音源。Carlos Careqa(カルロス・カレカ)という知る人ぞ知る曲者ミュージシャンの新作です。バックにはこれまた曲者のマリオ・マンガとかが全面サポートしてて、都会派ならではのイヤらしさが充満しております。
以前どこかの媒体で、誰が書いたか「リオだのサンパウロだのつべこべ言わずに聴け」みたいなレビューを目にした覚えがありますが、まあ確かにそう言われればそうかもしれないんですけど、このアルバムはどうみたってサンパウロの音楽そのものでしょうと断言させていただきます。素晴らしい。リオの自然体なショーロ/サンバも大好きですが、この屈折度合い、怖いくらいの透明感、眩暈のしそうな美しさ、そして毒気。

ワタシはサンパウロの音楽が大好きです。って本題短っ!


(ジャケ裏のクレジット見るとお、お、お!となる方も多いはず)

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3 コメント

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うわ。 (ねおん)
2009-05-31 21:47:29
あの、そんなワケ分からんファンが居ると知って、
某様が日本に来なくなっちゃったらどうするんです?(汗)
それにしても、メール来るとか電話するとか。
・・・某様って実在してるんですね。本当に居るんですね。
いえ、あまりにステキすぎるので、
精巧なCGかも?という可能性も捨て切れていなかったもので。

>例えばこんなのとかいかがでしょう。
拝見しました。失礼ながら、ものっすごく笑ってしまいました。
突然出てくる、やたら重いザリザリな部分とか。
アコースティック版の方がヘヴィなのはナゼだ、とか。
はい、こういうの好きです。 ←涙目で

また、何か面白い(?)のがあったら教えて下さい。お暇な時にでも(笑)
返信する
16日は・・・気絶の方です。 (ゼジ)
2009-05-30 23:42:44
☆ねおんさん
ワタシの旅程は前半サンパウロ・後半リオでして、16日は既に飛行機の中です。エコノミー症候群に悩まされているかもしれません。寝て起きたら成田だった、という感じであってほしいので、いっそのこと睡眠導入材でも事前調達したろかという気分でもあります。

そうそう、某氏から連絡もらいました。

>Oi Hiroaki(やあ、ヒロアキ)

>Estou em SP dia 10 e 11(僕は10日と11日にサンパウロにいる)
>Me liga dia 8 ou 9 e combinamos(8日か9日に電話をかけてくれ、調整しよう)
>Meu celular(僕のケータイ)
>11-****-****

とりあえず本人に、
>その日は地面に向かって「はぴばーすでー♪」を歌う気でおります
という熱烈な日本のファンがいるということを、下部マントルうんぬんも含め伝えておきますね(笑)。

あ、最初のご質問ですが、サンパウロミュージック。
ヘヴィなやつだと数がだいぶ絞られますが、十分聴けますよ。例えばこんなのとかいかがでしょう。

ゼカ・バレイロ「紳士のヘヴィ・メタル」
http://www.youtube.com/watch?v=eS2uXsiIh50&feature=related
アコースティックヴァージョンだとこんな感じ(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=VarB3lqJMaE
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さんぱうろ~♪ (ねおん)
2009-05-30 20:48:34
ギャルまみれの写真を見る限りでは、
超楽しかったんですね!としか思えませんですね・・・。
「さんぱうろのおんがく」は、わたくしでも聴けそうですか? ←興味津々で

16日は、某様のお誕生日ですな。
そんなステキな日に、ゼジ様はサンパウロの地を踏んでいるのでしょうか。
それとも、飛行機の中で気絶しているのでしょうか。
その日は地面に向かって「はぴばーすでー♪」を歌う気でおりますが。
わたくしのバカ声が、下部マントルを突破出来るかどうかが勝負の分かれ目だと思っております!
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