ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

アナログレコードを聴こう

2010-07-02 14:03:02 | Brasil Metal Union

えー、先日たまたま時間ができたので、早めの時間帯から久しぶりに大須へ出かけ、名古屋モーニング(小倉トーストだったぜ)を楽しんだあと、中古レコード屋さんを回ってきました。

といいますのも3月にブラジル出張に行った際、サンパウロのロックギャラリーで出会った全身刺青のメタレイロ、ファビアーノ君からのたっての願い。
「俺、メタルやハードロックのアナログレコードが好きで集めてるんだけど、ブラジルにはそんなのどこにも売ってなくて、ホントに入手困難なんだ。日本でもし手に入るようなら、是非集めてもらえないか」と、会った際に必死の形相で懇願されました次第。

ニーズというものは、意外なところに意外な形で転がっているものです。
日本ではアナログ市場というものはDJシーンで重宝されてる以外はさっぱりなのにねえ。
ジャズやソウル、ヒップホップなんかはまだしも、よりによってヘビメタ(笑)。

それはさておき、初対面ながらもイイ年して「俺ラウドネスとかX Japanがめっちゃめちゃ好きでさあ、俺がどんだけ好きかたぶん想像もつかんだろうけど。でもブラジルでは全然手に入らんないんだよ」とボヤくファビアーノをかなり店主は気に入ってしまいまして、うまいことに店主の青春時代はもっぱらヘヴィメタル/ハードロックを中心に回っていたので、昔取った杵柄とばかりに只今いろいろ中古レコード市場を彼に代わって物色中。
時間がないのでブラジル音楽のLPをチェックするまでに至らないのが悲しい限りですが。

いやあ、それでも大須の「グレイテスト・ヒッツ」さんで極上のAC/DCモノを多数調達できて、なかなかの戦果をあげることができました。あと数回か回ればファビアーノも大喜びのアイテムが揃えられそうです。あとはこれらを9月に直接お土産(ていうか物々交換なんだけどネ)として持っていくだけ。ウム。

しかしレコード屋さんにいる間、
「うひゃー315円。こんな値段で手に入ってラッキー」
という、なんか得したような気分と、
「ここまで値段下げないと、リスナーには買って聴いてもらえないのか・・・」
という、なんか寂しいような気分がないまぜになって、店主、ちょっとフクザツな心持ちで買い物しておりました。これってアナログ盤だけじゃなくて、CD市場でも似たようなもんですね。
音楽というものの価値・対価って何だろうと考えさせられた一日でした。

それでも買ってきたLPをサウンドチェックと称して、自宅のレコードプレーヤーで再生。
どれも素晴らしい盤質で大満足でした。
ドンシャリの抑えられた、耳が疲れない音質はやはりアナログならではの魅力です。

しかし悲しいかな、今のドタバタ店主には、A面B面を心静かに引っくり返しながら、ゆっくりと鑑賞する時間的ゆとりがなくなっていることに気がつきました。
AC/DCの最大のヒット作"For Those About To Rock"を聴きつつ、少年時代の記憶も眩しい"Let's Get It Up"や"Evil Walks"などの名曲を懐かしんでいる間にも、携帯は鳴るわ、メール受信のお知らせ音はあるわ、しかもすぐ返事せんといかん内容のメールだったりするわ、鬱陶しいセールスがドアホンをピンポンするわ、通販商品出荷時間のギリギリ直前になって大至急のオーダーが入ってきたりするわで、まあちょっと油断したら片面終わってて、落ち着いて聴くどころじゃない。

これって時代の流れにアナログメディアの再生システムがついて行けなくなっちゃったってこと?
いいえ、そうではありません。
人間の生活がもう自分達でもコントロール不能なくらいに、ハイテクによってもたらされた更なる多忙に慣れきってしまったということだと思うんですよ。

出来ることなら、LPレコードを袋から取り出して、

30cm正方形ジャケットの見開きアートワークをじっくり鑑賞したり、

針を盤に落とした時のプチプチノイズなんかも味わったり、

アナログ時代だったればこそ存在した「A-1、A面ラスト、B-1、B面ラスト」に必ずと言ってよいほど配されていた名曲を堪能したり、

少しの時間が出来たら「じゃあ今日はこのアルバムのA面だけちょこっと」と、自分の裁量で好きなものを選んだり、

そういう「ゆとり」あってこその音楽生活に戻ってみたいなと思うことがよくあります。
とか言いながら聴いてる音源もろヘビメタなんですけどね(笑)。ジャズとかならカッコいいのだが。

ちょっと当分の間、こう何て言うんでしょうか、「心豊かに」ってのをテーマにして生活してみようと思います。

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