こんにちは、ソウルフライのマックス・カヴァレラです。嘘です!
ダーイ!(デス声)
さて、某歌姫の記事を書いた直後にこういうネタで、「サンバタウン店主はひょっとしてアタマがおかしいのか?」と思われた方も少なからずおられるかと思いますが、それに関しては特に触れず、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ずいぶん寒くなりましたよね。
今日はブラジルから取り寄せたとっておきのメタル系アイテムをご紹介します。
これ前から狙ってたっていう、たった一人のコアなお客さんからご予約いただいた以外ぜんぜん売れてないんですよねー。なんでだろ。
2009年ラテングラミー賞ロック部門を獲ったいわくつきの作品なのに。
モノはOficina G3(オフィシーナ・ジェー・トレス)という向こうじゃ人気抜群のロックバンドのCDでございます。
元々はバカテクのTOKIOみたいな感じでアイドルバンドっぽくデビューしたらしく、2000年にリリースした何枚目かのアルバム"O Tempo"のタイトルトラックが大ヒットしました。プロモビデオなんかいかにもって感じです(再生回数すごいね)。ブラジルのポップシーンにおいてはある意味このグループの頂点だった時代かもしれません。
しかしいかんせんリーダー気取りのヴォーカル君がパンチ不足で、同僚のギタリストJuninho Afram(ジュニーニョ・アフラン)の凄まじいバカテクとカリスマ性に押されっぱなしとなり、その後脱退。さらにドラマーも脱け、2005年に発表した"Além do que os olhos podem ver"の頃には、ジェネシスじゃないけど「そして3人が残った」みたいな感じになってしまいました。
この頃には既にグループのイニシアチヴはほぼギターのジュニーニョの手に握られ、前述の"Além do que..."の作風は実質上ジュニーニョのソロアルバムという体をなしております。ギターオリエンテッドを通り越して音の洪水。しかもギターサウンド歪み倒しというかツブれてますし。もう好き勝手やっちゃってますが、なにせこのジュニーニョ君、ギター凄すぎ。チョーキング一発で聴き手をノックアウトさせるギター弾きって久しぶりに見ました。おまけに歌もやたら上手い(女性ファンがつきそうな甘い声です)。かの地ブラジルでは、大体ロックギタリストのファン投票で、ANGRAのキコ・ルーレイロを大きく引き離してのTOP3に君臨し続けているくらいですから。もひとつおまけに書くと彼はキコ・ルーレイロも使用しているブラジルのギターメーカー・Tagima(タジマ)のエンドースアーティストでもあります。って誰も知らんよな、そんなネタ(ケッ)。
そんな行く先ちょっと不安な感じのOficina G3でしたが、2009年にリリースした久々の作品"Depois da guerra"(英語風にいうとAfter the war")、これがとんでもないバケモノアルバムで、実は本国ブラジルでメガヒットと相成ったのであります(実際サンパウロのFNACでは全ディスコグラフィ品切れ状態が1年近く続いています)。
ジュニーニョの歌一本で凌いでいたところへ、Whitesnake(おお懐かしい)のデビカバとSoundgarden(わかるかなあ)のクリス・コーネルを足して2で割ったような強靭かつセクシーなヴォーカルを聴かせるMauro Henriqueが新加入、そしてキーボードのJean Carllosがデス声担当となって、これまでとは比較にならぬ畳み掛けるようなヴォーカル&コーラスのスタイルを確立。バンドとして大化けしました。プロデュースのレベルも段違いに向上し、ジュニーニョのギターも「これぞヘヴィ・メタル!」と言うべき見事な重金属サウンドに彩られています。おれホントにブラジル音楽専門ショップの店主なんですかね?
しかし何と言っても特筆すべきはその楽曲、ことにメロディ。美メロです。青春です。胸キュンです。あまりにメロディアスすぎて、ひとつ間違えば演歌。
サウンドはヘビメタ、歌はちょっとマッチョなバックストリート・ボーイズさながら。どんなバンドですか。
三拍子の曲においては途端にジョンゴのリズムに変貌したり、粘っこいグルーヴにラップが絡んでトリプルヴォーカルになったりするあたりなんて、いかにもブラジリアンメタルって感じでもうたまりませんですよ。
ポル語で歌ってくれているところもポイント大ですね。但し多少は海外志向もあるのか、ラスト四曲に英語ボーナストラックを収録という余計なことをしてくれてるのがご愛嬌。うち1曲がロッド・スチュアートの"People get ready"(ジェフ・ベックがギター弾いたアレです)というのについ笑ってしまいました。誰の意見でカヴァーしたのか個人的に気になるところではありますが、そんなことはまあどうでもいいです。
とにかくこのOficina G3。
日本ではまっっっったく話題にすら上っていません。MPB界でも、メタル界でも、ロックギター界でも。ナーダ。当然扱っているショップはここサンバタウンのみ。なんでやねん!
実にもったいないことです。
そこでまず店主、若い頃ハードロック/ヘヴィメタルが大好きだったブラジル音楽ファンにこのグループをしつこいくらいにオススメ致します。そんな方いらっしゃいませんか。そうですか、はあ。
まあ、とにかく、聴いてみてちょう!
ライヴDVDも出たらしいんで、次回出張時は必ず入手して帰ります!(←もう完全に趣味の世界)
って、この記事ってわたくしが反応しても意味がないですね?ふへへ。
日本でイマイチな理由、ゼジ様が書いているそのまんまですね。たぶん。
おまいら、結局のところジャンルは何なの?ってトコですよ。
わたくし、雑食なんで大丈夫ですけど。惜しい・・・ほんと惜しい・・・。
予想通りコメント一番乗りありがとうございます。
ジャンルを超えてリスナーにアピールする手法というのが日本のショップは実にプアな気がします。
加えて「ブラジル音楽」というものに対するステレオタイプな先入観。
ブラジリアンロックってめちゃめちゃカッコいいと思うし、日本のロック市場ってけっこうデカいと思うんですが、日本でいつまでたってもブレイクしないのはどういうところに起因するのかなっていつも思います。
ワタシん中ではOficina G3のやってる音楽もサンバもそう変わりないって感覚なんですけどね(←やっぱヘン?)。
ロック好きのブラジル人の友達から、現地ではどう呼ばれているか教えてもらいました。
「ロックゴスペル」だそうです(大笑い)。
ブラジルってミクスチャー文化の教科書みたいな国ですから、まあ、そこは大目に・・・。
スパイスを効かせて・・・
僕はSuper Flyが好きです(謎
Superflyのヴォーカルの女の子が愛媛出身と最近聞いて急に親近感湧いてます(笑)。