鉛筆作りといえば何と言っても三菱鉛筆であり、その製品は世界随一の品質を誇る。(最近は広く知られるようになったようだが、三菱鉛筆と財閥三菱は全く無関係である。)他にも日本には優秀な鉛筆メーカーがあって、我々は、こと鉛筆に関しては非常に恵まれた環境にいると言える。
鉛筆の魅力には色々あるが、やはり木の感触と香りは外せないだろう。鉛筆削りの魅力も、木の温かみから来ているのだと思う。
木の柔らかさを指先で感じる。木の香りを胸に吸い込む。心地よい抵抗を感じる指先のリズムにあわせて木の削れる音を楽しむ。一通り削り終えた円錐や六角錐の先端部に僅かな修正を加える。見て愉しむ。
削ってしまったものは元に戻らないというやり直しのきかない適度な緊張感がある一方で、鉛筆の持つ素朴さは己の感覚に直接訴えかける。こんな素晴らしい快楽を捨ててしまうのは余りにも勿体無いので、俺はいつも肥後守でシャッシャッシャッとやっている。
俺は変態だろうか。
そんな訳で、鉛筆を感覚で楽しむ人は(きっと!)少なからずいらっしゃるとは思うのだが、ここまでやってしまうとは。
鉛筆彫刻 Pencil Carving
自分で削ったなら一生飾っておきたくなるな。
チェーンソーなどを使ったカーヴィングというのもよくあるが、あれはあんまり好きではない。