CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-100「ヴィレッジ」(日本)

2023年04月29日 11時33分05秒 | 日本映画
下に何事も一炊の夢
 美しい集落・霞門村(かもんむら)に暮らす片山優は、村の伝統として受け継がれてきた神秘的な薪能に魅せられ、能教室に通うほどになっていた。
 しかし、村にゴミの最終処分場が建設されることになり、その建設をめぐるある事件によって、優の人生は大きく狂っていく。母親が抱えた借金の返済のため処理施設で働くことになった優は、仲間内からいじめの標的となり、孤独に耐えながら希望のない毎日を送る。
 そんな片山の日常が、幼なじみの美咲が東京から戻ったことをきっかけに大きく動き出す。(「作品資料」より)


 ある村に住む片山優は、村に建設されたごみ処理場で働く。

 父親が犯した罪で村人から忌み嫌われ、いじめにも遭い、ただ惰性で無気力に生きている感じ。

 母親が作った借金返済のため、夜にはごみ処理場に不法投棄されるごみを埋める仕事をしている。

 そんな状況でも耐えながら生きている優だったが、幼馴染みの美咲が東京から戻ったことで生活が一変する。

 日向の人生を歩み始める優は、美咲とも近づいていくが、それを妬み、優が日向の人生を歩むことを許さないと思う者が現れる。

 そして事件が起きると、優の周囲が音を立てるように崩れていこうとする。

 果たして、優は、今の生活を護るため、自分を蔑んでいた者たちと同じような行動を取るのか。

 それとも、別の行動を取るのか。

 自分を忌み嫌う者から命の危険に晒されることになる優であるが、その事件の顛末は何となく予測できるものであったな。

 そして結局、優が歩いた日向の人生は、不法投棄物が埋められたごみ処理場のようなもので、すぐに露わになってしまうものだったんだな。

 正に、邯鄲の夢。

 息子よりも、村の大事を取ろうとする市長に対し、死に追いやられた父親のことを棚上げすることに優はするのか。

 何とも悲しい話であり、閉ざされた世界での異様な話であったな。

/5

監督:藤井道人
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、渕上泰史、戸田昌宏、矢島健一、杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太
於:TOHOシネマズ池袋

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