24-402「グランメゾン・パリ」（日本）

フランス料理は進化し続ける、それが面白い

　レストラン「グランメゾン東京」が日本で三つ星を獲得してから時が過ぎた。

　尾花夏樹と早見倫子はフランス料理の本場パリに新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン三つ星獲得を目指して奮闘していたが、異国の地のシェフにとっては満足のいく食材を手に入れることすら難しく、結果を出せない日々が続いていた。

　そんなある日、ガラディナーでの失態が原因で、尾花はかつての師と「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、店を辞めフランスから出ていく」という約束をしてしまう。（「作品資料」より）

 

　ＴＶドラマ「グランメゾン東京」の劇場版となる作品。

　ドラマが東京を舞台としているのに対し、本作はパリが舞台ということでのタイトル。

　ドラマは未見。

　主人公であるカリスマ・シェフ、尾花夏樹が〝グランメゾン・パリ〟というレストランでフランス料理でのミシュランの三つ星を目指し、奮闘する姿が描かれる。

　フランスでフランス料理の日本人初の三つ星を狙って開業したレストランであるが、なかなか満足のいく食材も手に入れることができないなど、三つ星など程遠い状況。

　尾花はカリスマが故に独善的で孤高感もあり、他のスタッフを信用し切っていない部分もあるよう。

　そんな中で、次のミシュランで三つ星を獲れなければ、立ち退きしなければならない状況となる。

　果たして、尾花たちは三つ星を獲得できるのか。

　スタッフが襲われたり、なかなか食材を手に入れることができないなど難関が幾つもあり、先行きが気になる展開。

　やはり尾花の心持ちの変化が必要のようである。

　味音痴で食に拘りがない身であるが、創作される料理は気になったな。

　一種の芸術のようであるが、絵画などとは違って、食されれば残らないということが、更にシェフたちの労力に感嘆するものがある。

　ついでに気になるのは、これだけの品数でその食材のフルコースは、いったいいくらするのだろうということだな。

　夢に向かって突き進む者たちの姿が描かれ、興味惹かれる１本ではあった。

/５

監督：塚原あゆ子

出演：木村拓哉、鈴木京香、オク・テギョン、正門良規、玉森裕太、寛一郎、吉谷彩子、中村アン、冨永愛、及川光博、沢村一樹

於：ＴＯＨＯシネマズ池袋