人形に命を吹き込められる
偉大なストップモーションアニメーターである母スザンヌが病に倒れたため、娘のエラは、制作が中断された作品を完成させようと奮闘していた。しかし、自分ひとりの力では作業は思うように進まない。
偶然出会った謎の少女の力を借りて作業を進めていくエラだったが、次第に現実と虚構の壁が崩壊していき、精神的に追い詰められていく。(「作品資料」より)
ストップモーション・アニメを製作していた女性が狂気に陥る様を描いたサイコ・ホラー。
映画監督を目指すエラ。
母親はストップモーション・アニメの巨匠として名高い。
母親の映画の製作を手伝うが、うまくいかず追い込まれている様子。
しかし、母親が倒れ、危篤となってしまい、エラは映画を完成させようとする。
スタジオとして借りた部屋のアパートで少女と出会い、彼女の語るストーリーの映画を製作し始める。
それからエラは映画製作を進めるうちに狂気に陥っていく。
エラが製作するのはストップモーション・アニメであるが、作られた人形の造形が少しグロテスク。
少女が語る物語もダークな話である。
しかも少女は生肉、更に動物の死骸の肉を使って人形を作れと言う。
最初は拒否しながらも、映画製作にのめり込んでいくエラは少女の言うとおりにする。
母親が巨匠であることや、映画製作のプレッシャーからだろう、エラは徐々に狂気に陥っていくよう。
人形が動き出したりするが、果たしてそれは現実なのかただの妄想なのか。
少女の正体は計り知れなかったが、エラの内に潜む何かを体現しているのだろう。
エラが製作する映画の不気味さと、エラの狂気が目を惹き、その恐怖に惹き込まれるホラーであった。
/5
監督:ロバート・モーガン
出演:アシュリン・フランチオージ、トム・ヨーク、ケイリン・スプリンゴール、セリカ・ウィルソン=リード、ステラ・ゴネット
於:新宿シネマカリテ
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